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面会交流って何?〜子ども主体で考えてみよう〜

面会交流って何?

面会交流とは、
「子供と離れて暮らす親が定期的・継続的に子供と会ったり、手紙や電話で交流する制度」
のことです。

原則的には子どもが成人するまでですが、中学生くらいになると子どもにも自我が出てくるため、子どもの意思を尊重しながら行われます。
(※2022年4月1日施行の「民法の一部を改正する法律」により、この日から成人年齢が18歳に引き下げられます。)

日本は、父母双方が親権を持つ「共同親権」ではなく、いずれかの親のみ親権が持てる「単独親権」なので、子供と同居している親の相手への感情が先立って、面会交流がうまく活用されていないケースも多いです。

ちなみに欧米諸国や韓国でも共同親権が導入されており、先進国の中で単独親権を採用しているのは実は日本くらい。

アルコール依存症であったり性被害が絡んでいる場合など、面会が難しく制限される場合もあるかと思いますが、本来は
「大人の私情ありきではなく子どもの気持ちを尊重するべき制度
であると私は考えています。

お子さんのいらっしゃる夫婦間で別居や離婚問題が浮上すると、必ず出てくるのがこの面会交流です。

今現在円満に暮らしている方にはあまり馴染みのない制度だと思いますが、自分のケースも振り返りながらお伝えしようと思います。
(あくまで私が調べて見聞きした範囲のお伝えになりますのでご了承ください。)

直接交流

□直接会う
□旅行にいく
□非監護親宅に宿泊する
□学校行事への参加

夫婦の関係良し悪しや子どもの年齢にもよりまちまちですが、
月1回/ 数時間の直接交流
を行うパターンが多いようです。

子供がまだ赤ちゃんの場合、授乳やオムツ替えのタイミングもあるので、時間も1〜2時間である場合が多いようです。
ただ久しぶりに会っても赤ちゃんは自分の父親と認識せず終始泣かれてしまう場合も。
言葉も話せないため、どう交流していいものか戸惑うことも多いんだとか。

幼児期や小学生くらいになると意思疎通はできます。
ただ2時間ほどの面会交流だと、最初のうちは親も子どもも緊張がほぐれた頃にお開きとなってしまうこともあるようです。

中学生くらいになると、親と過ごすより友達と遊びたい年頃になってくるため、面会交流が義務のように感じるお子さんも出てくるのだとか。

監護親の判断によるところも多いですが、子どもが幼児や児童であれば、週末や長期休暇に宿泊を含めた面会交流を行うこともあります。

夫婦で顔を合わせたくない場合は調整が必要になりますが、運動会や発表会など学校行事への参加が行われる場合もあります。

間接交流

□手紙のやりとり
□メールのやりとり
□電話のやりとり
□プレゼントを贈る

調停中など、面会交流の取り決めが決まっていない場合に子どもの誕生日があった場合などは、弁護士などを通してプレゼントや手紙を子どもに渡すこともあります。
あとは遠方に住んでいて頻繁に会えない時には、時間を決めてビデオ通話をしたり電話をするといった交流方法も。

離婚方法

一旦少し話がそれますが、「離婚方法」についても少し触れておこうと思います。
離婚が成立する方法は大きく3つあります。

1、協議離婚(夫婦間の話し合いで成立)
2、調停離婚(調停委員仲立ちのもと成立)
3、裁判離婚(家庭裁判所の判決で成立)

3になるに従って、泥沼化してくるものとご理解頂いて大丈夫です。
それぞれのステージで離婚が成立するパーセンテージは

1、協議離婚:約90%
2、調停離婚:9%
3、裁判離婚:約1%

つまり日本で成立している離婚の大多数は夫婦間の話し合いで成立する協議離婚なんですね。
ですので、多くの場合面会交流の取り決めについても夫婦間でなされています

面会交流の内容に特に法的なルールなどはありません。
夫婦で合意した内容に則って行われています。

もしも夫婦間で決まらない、あるいは看護親が面会交流を拒否している場合などは調停を申し立て、第三者を交えて具体的な面会交流の内容を決めていきます

受け渡し方法

円満離婚であった場合、夫婦が顔を合わせてこどもを引き渡すこともありますが、DVなどの理由で直接顔を合わせたくない場合には
1、面会交流支援団体を使う
2、祖父母などに引き渡しを依頼する
3、地域のサポート団体(例:ファミリーサポート)などに依頼する
などの方法があります。

特に1の支援団体は現在たくさんあり、支援プランも様々です。
お金はかかってしまいますが、心理的な安心を購入できるのならそのような第三者の手を借りることも選択肢に持っておくといいかもしれません。

連絡方法

調停中であれば、弁護士を通じて連絡を取り合うことが一般的です。
調停後、実際に毎回のやりとりを行う際は夫婦間で直接電話やメールをする場合もありますが、直接のやりとりは精神的にキツい場合は先ほど記載したような支援団体や、祖父母など親戚の人に間に入ってもらうこともあります。

面会場所

非監護親が連れ去るのではないかという懸念がある場合は、支援団体などの第三者が同行する場合が多いです。
家庭裁判所のような殺風景な一室では親子の緊張もほぐれにくいため、室内ショッピングモールやボールプールがあるような施設を希望する非監護親もいます。
その場合は出口が必ず1箇所で、他から出られないような遊具施設を選びます。
人気の少ないところではなく、なるべく人目がある場所で行われます。

危険性がなかったり子どもが望む場合には、公園や非監護親の自宅ということも。
遠方の場合は交通費をどちらが負担するのか、といった取り決めも含めて場所の選択がされるようです。


面会交流内容決定が難しい背景

教育方針や価値観に夫婦で隔たりがある場合は、一連の内容決定に時間がかかる場合もあります。
やはり双方なるべく自分の意向を押し通したいものですからね。
面会交流とは直接関係ないものの、条件によっては非監護親から養育費の減額が持ち出されることもあります。
看護親からは面会交流の頻度を下げるなどの交渉をされる場合も。

他人事だと
「まぁまぁお互い、子どものためじゃないの」
と思えるものですが、当事者になるとなかなかそうもいかないケースが多いようで。

他には事前に
・親同士の悪口を言わない
・あまり高価なプレゼントは贈らない
など、面会交流時の決め事を設けておくことも後々のトラブルを防ぐ一法かと思います。

調停や裁判での取り決めが遂行されない場合は履行勧告の申し出や間接強制(金銭の支払い命令など)が行われることもあります。

私の考える理想

理想を言えば、病める時も健やかなる時も、喧嘩しつつも仲睦まじい夫婦の姿を子どもたちに見せていくことですが。笑

人も世も諸行無常。
離婚に至る原因は十人十色ですが、私は離婚の選択自体に良し悪しはないと思っています。

「〇〇だから△△しなければならない」
というのは、人が勝手に作った枠組みに過ぎないです。
「結婚したら離婚してなならない」
なんて枠を自分で作ってそれを守るのは勝手ですが、その枠にがんじがらめにされて自分は不幸だというのはおかしな状態です。

10年前の自分と今の自分、考え方も生活スタイルも結構変わっているのではないでしょうか。
自分だって変わっています。
結婚したパートナーとは長い年月をかけて理解し合い、ライフスタイルを一緒に作り上げていく同士のようなものだと思いますが、元々は同士。
どうしてもうまくいかなくなることもあると思います。

そうして考え抜いてパートナーシップを解消することは決して悪いことじゃありません。
転職するか否か、子を持つか否か、親と同居するか否か。
大なり小なり人生は選択の連続で、パートナーシップを解消するか否かもその一つだと思うからです。

ただ、それは夫婦の話。
子どもにはなんの関係もないこと。

夫婦関係がこじれると目線はパートナーに向いてしまうものですが、それはお互い子どもに向けるべきだと思っています。

私は現在看護親の立場にいますが、割と積極的に(宿泊も含め)非監護親と子どもの交流を行っています。

面会交流は看護親にもメリットが多い

子どもに関すること(幼稚園、学校、習い事その他)に加えて自分のこと(家事や仕事)も平日からフルにこなしていると、本当に自分の時間というのは取れないものです。

やることに追われて、休日も子どもにあれこれ言われると疲れ顔で
「ちょっと待って」
ばかり言ってしまいます。

面会交流を行うということは、休日の数時間でも一人の時間が出来るということ。
非監護親はその時間子どもとどう過ごそうか色々考えていると思うので、面会交流が順調に行われていけば子どもにとっても満足度の高い時間になるはずです。

正直色々な不安はありました。
子どもがうっかり話して家がバレてしまうんじゃないかとか、たまにぽろっと子どもが漏らした一言に、
「あぁ、私のことあまり良いように言われてないんだな」
と察することもありましたし。

ただ、理想の夫婦の姿は見せてあげられなくても、
「父と子」
「母と子」
この絆をしっかり作っていくことは子どもにとってすごくすごく大切だと思っています。

月並みですが、
「憎っくきパートナー」
と思ってしまうところをグッとおさえて
「子どもにとって大切な親」
の目線を忘れないことが重要かなと思うんです。

ある程度割り切って面会交流の時間は相手に任せる気持ちを持つと、自分にボーナスタイム(一人時間)が生まれるので子どもにもより優しく接することができます。

言い方は適切じゃないかもしれませんが、
「無料でシッターをしてくれる人」
くらいに思っていてもいいんじゃないかと思います。

今目の前の非監護親を見てしまうと色々な感情が渦巻くと思いますが、面会交流は子どもが将来パートナーシップを築いたり子どもを持った時に時間差で効いてくる大事な時間だと思います。

現状しか見えていないと難しいですけど、親と子が一緒に過ごす時間より、離れて過ごす時間の方が人生圧倒的に長いわけです。

子どもの健やかな心と体の成長を望むのであれば、私利私欲は一旦横に置きましょう。
子供の半分はパートナーなんだから、パートナーを悪く言うことは間接的に子どもを悪く言うことです。
親がもう片方の親の愚痴を言っているのって、あまり聞きたくないですよね。

最初の1年は特に試行錯誤で、面会交流に対する心労も多かったです。

でも面会交流が安定してきた今は、子どもたちがパパのところに行っている間の自分時間の過ごし方を考えるのが楽しみのひとつです。
カフェでコーヒーを飲みながら読書をするのなんて本当に至福の時間♫

「到底そんな気持ちになれないよ」
という方も多いと思いますが、面会交流のもらたすメリットにも目を向けて、何より子どものために前向きに捉えてくれる人が増えたら嬉しいです♡

今週のカフェのお供はこれにしようかな?!


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