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2023年読書の旅

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#読書

読書の記録 10月

読書の記録 10月

読書
2023年は月に二冊ずつ読もう。それで何かしら感想を書き残そう。

①犬のかたちをしているもの 高瀬隼子

彼氏がよそで作った子どもを、その母親である女性から「もらってくれませんか?」と言われるところから展開していく物語。途中から主人公の女性(=薫)に対して「ちゃんと美味しいもの食べてるかなあ」という気持ちが溢れて止まらなかった。日常のいたるところにかなしさとか、緊張感とか、血とか、気持ちが

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読書の記録 8月

読書の記録 8月

読書
2023年は月に二冊ずつ読もう。それで何かしら感想を書き残そう。

8月

①空港にて 村上龍

あらすじ:夫と離婚し、子どもを育てながら風俗で働く「わたし」は、客として来た会社員の「サイトウ」と関係を深めていく。ある願望を抱えた「わたし」は、「サイトウ」にそのことを打ち明け、共に熊本へ行くことになる。

感想:「この物語には希望がある。」
熊本へ向かう空港で「サイトウ」を待つ「わたし」の中

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読書の記録 2月

読書
2023年は月に二冊ずつ読もう。それで何かしら感想を書き残そう。

2月
①思考の整理学 外山滋比古
②爪と目 藤野可織

①高校入学時にも読んだように記憶するこの本が図書館でふと目に留まり再読することにした。この本は表題通り、思考やアイデアをいかにして整理、時には醸造、貯蓄、応用するかについて書かれた本。人間の思考という抽象的な話題に対して持ち出してくる具体例やアナロジーが秀逸で読んでいて

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読書の記録 3月

読書
2023年は月に二冊ずつ読もう。それで何かしら感想を書き残そう。

3月
①芥川龍之介「杜子春」
②村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」3部

①伊坂幸太郎が「小説ドリームチーム」と呼ぶ大好きな小説を集めた本「小説の惑星ノーザンブルーベリー篇」の中で、未読だった芥川龍之介の『杜子春』に強く胸を打たれた。
洗礼された文章はそのリズムが究極の領域で、声に出して読むだけで満足感を得られる心地よさ。

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読書の記録 1月

読書
2023年は月に二冊ずつ読もう。それで何かしら感想を書き残そう。

1月
①村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」1部
②村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」2部

① 2023年1冊目は「ねじまき鳥クロニクル」第1部。久々の読書と多忙で読むのにはいささか時間を食った。昨夏以来に読んだ村上春樹作品は文庫本の中に閉じ込められて出てこられなくなる感覚を思い出させてくれた。本を開けばそこには僕が生きている

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