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近未来の管理会社を考える(その9)

 前回は、「Web3.0」が生まれて来た思想から「Web3.0」が持つ「強み/弱み」を考えました。
 私は、マンション管理組合運営も「DX」による大きく変革を遂げると思っているので・・・「AI」・「ブロックチェーン(NFT)」・「メタバース」といった技術を上手く取り入れることが肝かな?と思っています。

 ところが・・・私の意見に対して、「別に紙のままで良いやん。紙の良い所もあるし、今のところ・・・何の不便も感じていないよ」というコメントをいただきました。

 今回は(予定を変更して・・・)何故「デジタルアーカイブ化」が必要なのか?を(私なりに深堀して)お話したいと思います。

 マンション管理組合運営のSDG’s化には、「Y世代」や「Z世代」を今から意識しておかないとアキマセン!というお話です。

前回の記事は、こちら!   
 「近未来の管理委託を考える(その1)
 「近未来の管理委託を考える(その2)
 「近未来の管理委託を考える(その3)
 「近未来の管理会社を考える(その4)
 「近未来の管理会社を考える(その5)
 「近未来の管理会社を考える(その6)
 「近未来の管理会社を考える(その7)
 「近未来の管理会社を考える(その8)


そもそも「Y世代」とは?

 「Y世代」は、1980年~1994年生まれの世代で「ミレミアム世代」とも言われています。
 物心ついた時からテレビゲームがあり、最初からデジタルに違和感がない世代です。
 思春期には携帯電話(ガラケー)やパソコンやインターネットが普及しはじめた世代なので「『デジタル・ネイティブ』黎明の世代」と言えるかもしれません。(ただしスマホは、あるにはあったが・・・高級品で使い勝手も悪かったので、一般的でなかったですね)
 Y世代が最初に触れた頃のインターネットは、低速なネット環境で・・・SNSも一般化していない「Web1.0」と呼ばれていました。
 2000年に入った頃、パソコン用の高速ネットワーク回線サービスが始まりました。(電話線を使ったADSL回線、そしてその後・・・光ファイバー回線が登場)・・・でも当時はパソコン専用回線で携帯には使えませんでした。

「Y世代」のコミュニケーションは?

 当たり前ですが・・・携帯電話のモバイルネットワークの通信規格も低速でした。(現在の「4G」でパケット使い切った時に訪れる超低速ネット環境よりも低速だったと思う)
 なので、ネットのコミュニケーション(通信&情報取得)の手段と言えば・・・電子メール(携帯メール)、ブログ(「はてなダイアリー」「アメーバブログ」が有名だった)、そして掲示板(「2ちゃんねる」「mixi(ミクシー)」が有名だった)が主流でしたね。(「X世代」以前の世代の私も当時は愛用してました(笑))
 「Y世代」が30歳台に入った頃(2010年以降)・・・高速モバイルネットワーク通信規格である「4G」が登場し、スマホも普及しSNS(TwitterFacebookInstagramYouTubeTikTok・・・等)がスタートしました。
 インターネットや携帯電話の変革の新しい環境に、しなやかに対応してきたのが「Y世代」だと思います。

「Y世代」の特徴は?

 大多数が「携帯電話は生活必需品」と感じた最初の世代が「Y世代」です。・・・激動のIT革命の真っ只中で青春時代を過ごしました。
 激動のIT革命は、デジタル技術や日常生活への革新をもたらしただけでなく、社会情勢も大きく変革・変貌させました。(「アラブの春」も「アメリカ同時多発テロ事件」も「東日本大震災」もSNSの力が絶大でしたね)

 そうした経験があるからか・・・「Y世代」は、柔軟性が高く、より正義感が強い世代のように思います。

そして「Z世代」とは?

 「Z世代」は、1995年~2009年生まれの世代を言います。
 この世代は、物心ついた時からスマホをいじっていて・・・スマホは普通に日常生活にある(お箸や鉛筆と同じレベルの)必須ツールになっている世代ですね。(親世代がY世代なので、当然かな?)

 1日に数時間は、スマホを開きますが・・・テレビ・新聞・書籍は一切見ない人が多いみたいです。(紙ベースのメディアは、超前時代的に映るらしい・・・)

「Z世代」のコミュニケーションは?

 なお、コミュニケーションツールはSNSの掲示板で、電話も電子メールも使わないのが基本らしいです。
 また、パソコンも日常生活に必要なツールとは思っていないみたいですね。パソコンは、特殊な用途に使う時だけ必要(例:学術研究とか?複雑なビデオ編集とか?パソコンゲームとか?)と考えているそうです。

「Z世代」の特徴は?

 「自身の個性」は重視しますが、「物欲」には乏しいみたいです。(矢沢永吉が「キャディラックで煙草屋に煙草を買いに行く」ことに憧れてたことを理解できないでしょうね・・・(笑))
 そして「コストパフォーマンス(コスパ)」より「タイムパフォーマンス(タイパ)」と考えるそうです。

 「(共感・感動できる)ストーリーやエピソード」や「地球環境問題や社会問題への取り組み」等に「共感したい!」「心を動かされたい!」と思っている世代だそうです。(リアルを含めた「体験」・「エモい」ことへのニーズは高そう)

「Y世代」「Z世代」は金の卵

既存マンションは売なくなるかも?

 マンションだけではなく既存の住宅は、完璧な買い手市場になっていきます。理由は簡単・・・2045年のピークに向けて少子高齢化が進行していくからです。日本の人口がどんどん減少するからです。
 そんな中であっても・・・デベロッパーは、魅力的な新築マンションを計画し建築し販売していきます。
 もし、あなたがマンションを買うとなったら・・・新築マンションか?中古マンションか?まずどちらを希望されますか?
 ・・・そんなの(予算や立地条件等が許せば)新築マンションを選ぶに決まってますよね。

マンションに住みたいと思う?

 少子高齢化の日本であっても・・・2022年時点の「Y世代」と「Z世代」を合わた人口は、全体の35%くらいを占めます。
 その「Y世代」と「Z世代」は、マンションの購買層の主力となります

 「Z世代」は、「コスパ」より「タイパ」を重視し不効率を忌み嫌う世代であるし、「Y世代」は、その特性を生かして柔軟に今後の「DX」競争でしのぎを削る(進化し続ける)世代です。
 そんな人たちからみて、不効率極まりない前時代的な運営方法にしかできないマンションに住みたいと思いますか?
 私は、そうは思えません。

だから・・・「デジタルアーカイブ」

 「Y世代」や「Z世代」から見たら「デジタルアーカイブ」なんて当たり前のこと、というか・・・やってないことが前時代的だと感じると思うのです。
 単に「デジタルアーカイブ」にするだけでなく・・・それによって、どんな良いことがあるのか?もっと実質的で効率的な(「タイパ」の高い)理事会運営を今からでも模索しなければならないと思っています。

 だから「NFT」!・・・という訳ではありませんが、「Y世代」や「Z世代」から見て「話にならない!」と思えるマンション(運営方法)ではマズイのは間違いありません。

本日のまとめ

 今シリーズでは、これから広まるであろう「Web3.0」から「NFT」の技術をピックアップし「マンション管理組合の資料保管方法」を考えていますが・・・「NFT」の技術を導入することが主目的ではありません。

 何より大切なのは「本格的な少子高齢化時代を生き抜くため・・・危機感を持って能動的に考えること」です。(管理会社は考えてくれません!)
 それをきっかけに何か(何でも良いので)アクションをすることが大事だと思っています。

 もし、それができたら・・・その延長上に既存マンションの強みを生かした「ストーリー」や「エピソード(=ビンテージみたいな?)」が思いつくかもしれません。
 それを発信できれば・・・「Y世代」や「Z世代」の琴線に触れる「エモい」マンションライフ(環境)を彼らに提案できるかもしれません。

 少子高齢化が着々と進行する中であっても「Y世代」や「Z世代」の購買層に(新築マンションではなく)うちのマンションを選んでもらえるチャンスが生じると思うのです。

 今回は、ここまでです。
 次回は、毎年々々理事役員メンバーが輪番等で交代するマンション管理組合が「NFT」の仕組を使った資料保管をSDG'sするため何か良い方法はないのか?・・・毎度お馴染みの「夢想」(笑)をしてみたいと思います。
  (つづく)

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