見出し画像

近未来の管理会社を考える(その5)

 今回のシリーズは、「DX」により大きく変革を遂げるであろうと思われる「近未来の管理会社」「近未来の委託管理」の姿を「AI」・「ブロックチェーン」・「メタバース」といった技術を題材に考えたいと思います。

 今後の(通信を含めた)技術革新が進めば、近い将来に私たちの日常に入ってくる可能性が高いのでは?と思います。
 これらの技術が管理委託の中に取り入れられると・・・どんなマンションライフになっていくのか?考えて行きましょう!

 でも、その前に・・・「ブロックチェーン」技術って何なのか?私も勉強しながら・・・お話したいと思います。

本シリーズの記事は、こちら!   
 「近未来の管理委託を考える(その1)
 「近未来の管理委託を考える(その2)
 「近未来の管理委託を考える(その3)
 「近未来の管理会社を考える(その4)

 前回は「AI」の技術を取り上げました。
 「ブロックチェーン」技術は、ビットコイン等の「暗号資産(仮想通貨)」を実現した技術として名前を聞かれた方もおられると思います。

 「ブロックチェーン」技術の利用者は、現在「アーリーアダプター」が使って「アーリーマジョリティ」に普及し始めているくらいのレベルだと思います。(なんのこっちゃ?・・・解説しますね)

アーリーアダプターとアーリーマジョリティ

 両方ともに「普及学(イノベーター理論)」に出てくる言葉です。
 以下に・・・「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」の引用を記載します。(「例」だけ私が書きました)
 下記の普及学というテキストに仕込んだリンクから「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」に行ってご確認ください。

普及学
社会学者のエヴェリット・ロジャースが1962年の書籍『Diffusion of Innovation』(邦題: イノベーション普及学)で提唱し、大きな反響を呼んだ。アイデアが普及・拡散する過程の採用者を標準的な5カテゴリに分けた 。

イノベーター(Innovators:革新者)
新しいアイデアや技術を最初に採用するグループ。年齢が若く、社会的階級が高く、経済的に豊かで、社交的、科学的な情報源に近く、他のイノベーターとも交流する。リスク許容度が高いため、のちに普及しないアイデアを採用することもある。全体の2.5%
例:マニア・・・興味ある分野の新しい情報に良し悪し関わらず飛びつく人

アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
採用時期が2番手のグループ。オピニオンリーダーとも言われ、周囲に対する影響度が最も高い。イノベーターよりも取捨選択を賢明に行い、オピニオンリーダーとしての地位を維持する。全体の13.5%
例:オピニオンリーダー、インフルエンサー・・・情報感度が高い情報発信者

アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
このカテゴリの人は一定の時間が経ってからアイデアの採用を行う。アーリーアダプターとの接点も平均的に持つ。全体の34.0%
例:高感度層、Z世代・・・最新のトレンドや流行に敏感な一般人

レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
このカテゴリにいる人は、平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。イノベーションが半ば普及していても懐疑的に見ている。全体の34.0%
例:庶民、小市民・・・流行には疎いが世間の流れには乗りたい一般人

ラガード(Laggards:遅滞者)
最も後期の採用者。変化を嫌い、伝統を好み、身内や友人とのみ交流する傾向にある。中には、最後まで流行不採用を貫く者もいる。全体の16.0%
例:ガンコ親父・・・保守的で流行には乗らない人(高齢者に多いかも?)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブロックチェーンとは?NFTとは?

 「ブロックチェーン」は、「ビットコイン」等の仮想通貨の基幹技術として発明された概念です。
 具体的には・・・デジタルデータの暗号技術によって過去から現在の取引履歴を1本の鎖のように紐づけすることで、正当な所有者の認定や取引履歴の維持(管理)をしようとする技術を言います。

 なおデジタルデータ取引履歴の承認作業は、(例えばグーグルが稼働しているような)巨大なサーバー等で一元管理するのではなく、インターネット上の無数のコンピューターで承認作業を行い共有(多くの人で監視し合う・・・みたいなイメージ)するので、事実上不正行為ができません。(これを「Web3.0」と言います。後で解説します)

ブロックチェーンとNFTの違い

 ここまで読んで、何のことかチンプンカンプンだと思いますが・・・ブロックチェーン技術は、これからますます身近な存在になると思います。
 NFT(「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略語)技術が確立したからです。(ますますチンプンカンプンだと思うけど・・・しばらくお付き合いください(笑))

 ちなみに「Token(トークン)」とは、「標識、しるし、象徴」的な意味合いで使われている言葉です。
 最近インターネットで本人確認する時に、不正アクセス防止のためにワンタイムパスワードを使って「2段階承認」されることが増えてきました。
 このワンタイム発行デバイスも「Token(トークン)」と呼ばれます。

 つまり、NFT(「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」とは、(皆で監視して)「他に置換えることが不可能な標識を電子データに紐づける技術」を言います。(この標識を総称して・・・この世界では「うんこ」と呼ばれています・・・これマジです)

 「ブロックチェーン」も「NFT」も同じ考え方で紐づけ(「うんこ」付け(笑))を行っています。
 ただ「ブロックチェーン」は通貨の紐づけに特化した技術、「NFT」は通貨以外の電子データに対する紐づけに特化した技術を指しています。

「NFT」技術の応用も・・・

 デジタルデータの良い所は、コピーを繰り返しても劣化しないことでした。逆を言えば・・・「デジタルデータのオリジナル特定は事実上無理」というのが通例でした。
 ところが、「NFT」の技術を使うと過去の取引履歴や出自が記録できるので・・・オリジナルデータであることの認定(証明)が可能になります。(美術品の鑑定書みたいなイメージです)

 2021年には、この技術を使ったニュースも色々出ていました。
 私は、日本プロ野球のパ・リーグ6球団が名場面のビデオコンテンツを販売するニュースが印象に残っています。
 パ・リーグ6球団が名場面のビデオデータにNFT技術による紐づけ(「鑑定書」みたいな感じ?)を行い、価値を高めて販売するそうです。
 また、作曲家の坂本龍一氏が「戦場のメリークリスマス」のメロディを1音ずつ切り取って販売する・・・なんてニュースもありました。
 ・・・ホントすごい時代になりました!

 次回は、この「NFT」や「ブロックチェーン」の技術をマンション管理運営に生かすとどうなるのか?(もしかしたら・・・夢想?)みたいな話をしたいと思います。  (つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?