見出し画像

近未来の管理会社を考える(その2)

 今回のシリーズは、「DX」により大きく変革を遂げるであろうと思われる「近未来の管理会社」「近未来の委託管理」の姿を「AI」・「ブロックチェーン」・「メタバース」といった技術を題材に考えたいと思います。

 ただ・・・今回は、本題に入る前に(前回の)「近未来の管理委託を考える(その1)」で言及した「生産性の低さ」についてご質問が届いたので、その答えを考えてみたいと思います。

前回の記事は、こちら!   
 「近未来の管理委託を考える(その1)

「生産性が低い」事例紹介

 ご質問をいただいた方は、管理会社の方からでした。
 私のDM(tani@msnet.or.jp)に届きました。

 いただいたメールには、「管理会社の生産性が低いと称される事例を教えて欲しい、参考にしたい」といったご質問が書かれていました。

 いや~!このブログ・・・管理会社の方も見ておられたのですね~(笑)
 ありがたいです。うれしいです!(ご質問いただいた方、ありがとうございました)
 ということで・・・私が昨日に目撃したことを基に、事例紹介していきたいと思います。

昨日お会いした女性フロント担当者

 昨日(日曜日)は、サポートしている某マンション管理組合の理事会に参加する日でした。(世間が休みの日に仕事が集中する・・・悲しい性(笑))

 管理会社からは、女性のフロント担当者が重いカバンを肩にかけて出席されていました。
 女性は男性に比べて(化粧品やその他の荷物が多く)カバンが重くなる傾向だと思いますが、とにかく彼女のカバンは・・・大きくズッシリ重い!!

 重い原因には、会社から支給されているノートパソコンもありますが・・・理事会で配布するレジュメ等の大量の資料がスゴイ!(土日は、2~3か所のマンション管理組合を巡回するのが普通だとすると・・・カバン重量5~6㎏ナンテ当たり前かも?)

 しかも彼女が履くシューズは、ヒール付きの靴です。このマンションへは駅から坂を登って15分くらい歩かなければならないのに・・・

①理事会 紙ベース問題

 「マンション標準管理規約」に管理組合の合意形成の手法として「電磁」による方法が(オプション的に)表記されて久しいのですが・・・
 マンション管理組合では、「電磁的決済」を導入しないばかりか、理事会も「紙ベース」のまま・・・というパターンが主流だと思います。
 「マンション管理運営」と「紙の資料や書面」の親和性は高いというか・・・ナカナカ「紙ベース」から脱却できない感じがします。

 「紙ベース」は・・・「紙ベース」の良さ(例:資料全体を見渡せるとか、複数の資料を並べて検討できる等)がありますが、「生産性が低くなる」という大きなデメリットもあります。

印刷コストがもたらす「生産性低下」

 「生産性が低くなる」一因として誰でも思いつくのが「印刷コスト」だと思います。
 印刷費用(=多くの場合・・・マンション管理組合負担)もさることながら・・・印刷するために費やされる時間って馬鹿にできないと思います。フロント担当者がするにしても事務所のサポーターがするにしても・・・当然、人件費がかかります。

 また印刷コストだけでなく・・・資料をデリバリーするコストも考えなければなりません。

フロント担当者が運搬 ≠ コスト0円

 フロント担当者が重い荷物を運ばなければならないとすると・・・フロント担当者に大きな負担(消耗)が伴うことになります。
 となると・・・(他の仕事に影響が出て)当然にフロント担当者の生産性は、低くなります。

 ここで・・・理事会資料のデリバリーについて「フロント担当者が自ら行うこと行って生産性が低下したことによるコスト損失」と「宅配業者に委託した時の運搬コスト」を比較すると、後者の方が圧倒的に低コストだと思うのですが・・・そうなっていない管理会社って意外と多いように思います。

 管理会社の経営者側は、フロント担当者(社員)の人件費を「固定費」(=使っても使わなくても・・・定量的&継続的に必要となるコスト)と考えているのでしょうか?
 ・・・もしそうならば、その発想が「生産性低下」を招く根源になっているかも?と思ってしまいます。

 そう思いつつ・・・「生産性低下」につながる役割(仕事)をフロント担当者に押し付けて、結果的に(人員確保に苦慮する等)高コスト体質に陥っている(=「生産性の低い」)管理会社って、意外と多そうな気がします。

それはポーズだけちゃう?

 昨今のペーパーレス化の流れを受けて・・・毎年更新する「マンション管理委託契約」を電子決済に置換える提案をマンション管理組合になさる管理会社も出てきました。
 でも、1年間に印刷される紙のページ数の中で、電子化された書面・資料の割合を考えると・・・??です。どう考えても、それってポーズ(=恰好)だけかも?(笑)
 恰好つけるだけで実質が伴っていないのは・・・(恰好をつけるコストが掛かるので)これも「生産性が低い」です。

②ヒール必要?問題

 「ビジネスマナー」として、訪問先で理事役員に不快な印象を持たれるような服装は最も慎むべきこと、という観点は良く理解できます。
 それでも私は、女性の履物はパンプスでも良いと思うのです。(不快な印象を持たれるのは、ヒールの有る無しと全く関係ない)

ウォーキングシューズでも・・・

 また女性に限らず・・・歩き回らなければならないフロント担当者は、革靴ではなくて、機能的なウォーキングシューズでも良いと思うのです。
 デザインや色調がカジュアル過ぎるのは宜しくないと思いますが、フォーマルな印象のウォーキングシューズもたくさんあると思います)

 履物以外にも「ネクタイ」とか「背広」とか・・・社会的規範や常識で縛ることで「生産性の低下」につながるような習慣は多いのでは?と思います。

③在宅ワークできない?

 コロナ渦で一般的になった「在宅ワーク」の数字をみると・・・管理会社の実施率は低いように思います。
 管理組合の会計を処理している部門は、セキュリティの問題があるので「在宅ワーク」は困難だと思いますが・・・一見容易に実現可能そうに思えるのに(その方が好都合なのでは?と思えるのに)フロント担当者の「在宅ワーク」率は予想以上に低いように思えました。

 何か・・・この辺りにも、保守的な(=これまでのやり方を変えようとしない)体質の管理会社が多いように見受けられます。

 こんな体制では、ますます生産性が低くなり、人材確保ができなくなり、もっと生産が低下する負のスパイラルに陥っていきます。

 そんな管理会社が管理組合に管理委託費の値上げを申し出てくる・・・というのは、正直違うように思います。  (つづく)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?