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近未来の管理会社を考える(その8)

 今回のシリーズでは、「DX」により大きく変革を遂げるであろうと思われる「近未来の管理会社」「近未来の委託管理」の姿を「AI」・「ブロックチェーン」・「メタバース」といった技術を題材に考えたいと思います。

 2022年以降は、(5G等の)通信技術が急速に普及するでしょうから・・・近い将来に私たちの日常に入ってくる可能性が高いのでは?と思います。

 前回は、「NFT」技術がマンション管理組合の資料保管の在り方を変えてしまうかも?・・・といった話をしました。(読み返してみると・・・消化不良というか、机上論だけで実践が伴っていないペラペラの内容で恥ずかしいかも?(笑))

 でもまあ・・・懲りずに続きを書きます。
 今回は、スマホの「iPhone」と「android」を使ってガバナンスの高さと自由度の高さから・・・「Web3.0」を考えてみたいと思います。

前回の記事は、こちら!   
 「近未来の管理委託を考える(その1)
 「近未来の管理委託を考える(その2)
 「近未来の管理委託を考える(その3)
 「近未来の管理会社を考える(その4)
 「近未来の管理会社を考える(その5)
 「近未来の管理会社を考える(その6)
 「近未来の管理会社を考える(その7)

「Web3.0」の時代に突入

 「NFT」も「チェーンブロック」も・・・その技術は「Web3.0」の技術と呼ばれています。

インターネットの歴史(諸説ありますが・・・)
Web1.0:1995年~2005年 (ホームページ=インターネット黎明期)
Web2.0:2005年~2018年 (SNSの台頭=GAFA等の独占時代)
Web3.0:2018年~    (NFTによる分散型ネットワークの幕開け)

「Web1.0」の時代とは?

 「Web1.0」の時代は、インターネットの常時接続が珍しかった時代です。写真撮影を「写メ」と言って・・・携帯メールで写真を送り合う時代でした。
 それまでの写真は、カメラで撮影してカメラ屋さんに現像出して焼いてもらって手にするでしたが・・・携帯(ガラケー)のカメラで撮影した写真をすぐに誰かに送れるのが・・・当時、は新鮮で画期的でした。

「Web2.0」の時代とは?

 「Web2.0」の時代は、携帯電話がガラケーからスマホにどんどん変わっていきました。スマホによって、よりきれいな写真を送り合えるようになり、情報検索も気軽に(ストレスなく)行えるようになりました。
 そしてTwitterやFacebookそしてInstagramが登場し、SNSの時代に突入しました。
 そう言えば・・・実名でID登録するFacebookのおかげで、連絡の取れなかった幼なじみと連絡が取れるようになった(消息を知ることができた!)なんてこともありましたね。
 SNSのインスタに投稿のための撮影をする時に「映える」なんて言葉も生まれました。(今でも使われているのかな?)
 いずれにしても「Web2.0」の時代は、インターネットが当たり前になり・・・魑魅魍魎(ちみもうりょう)を含めた情報が溢れて、それまでは考えられない位の速さで情報伝達が行われる時代となりました。(「アラブの春」みたいな事件もありました)
 いずれにしても、インターネットを制すること(=情報をコントロールすること)が強大な富や権力を得ることとなり、巨大な組織が全てを仕切る・・・GAFAの一人勝ち!みたいな世界が「Web2.0」の時代と言えると思います。

「Web3.0」の時代へ

 「Web3.0」は、巨大組織に支配させない・・・イノベーターたちは、「自由は俺たちの手にある!」みたいな発想(思想)に基づいてスタートしています。国家もGAFAも関係ない・・・そんな奴らに支配されてたまるか!みたいな感じです。
 それのもっとも典型的な例は「仮想通貨」でしょうね。敵対する国家間ですら自由に送金ができるからです。
 例えば、日本からレバノンに居るはずの「カルロスゴーン」に送金をすることも・・・彼の仮想通貨上の財布(「メタマスク(Metamask)」)が分かれば簡単に行えます。(事実、仮想通貨を使った不正な「マネーロンダリング」や「送金」は、後を絶ちません)

 ただ・・・このブログは、「マンション管理組合のSDG’sには管理組合の自主性・自立性・能動性が絶対に必要! 管理会社と付き合う時は、対等にならんとアカン! 支配されたらアカン!」というスタンスで書いていますので、「Web3.0」の思想には大いに共感する所があります。

でも・・・問題点ありそう

 ただ・・・「Web3.0」は、自由度が高い自主的な運営が基本なので、最初の仕組みがスタートしたら、(有志による改良や改善はあるにしても・・・)あとは原則的に自然に自由に(成り行きに)身を任せるスキームです。

 ということは、「Web3.0」には国家やGAFAが行っているような情報や規制の統制は無い自由な世界を構築できるものの、ガッチリとした安定感(将来に渡って継続した信頼感)も望めないかも・・・と思います。

 もしかしたら、この不安定さが・・・仮想通貨価格の異常な乱高下の原因の1つになっているのでは?とも思います。(もちろん黎明期という要素も強くあるけれど・・・)

「Web2.0」「Web3.0」スマホで考える

アップル社の「iPhone」

 アップル社の「iPhone」って機種変更しても、前に使っていた機種の画面のまま(=前の設定のまま)簡単に乗り換えできて便利ですよね。
 また「iPhone」のアプリは、アップル社が審査&承認したアプリしかインストールできないので、初心者でも安心して使用できます。

 「iPhone」は、アップル社が独占的にガバナンスを効かせている(逆から見れば「iPhone」ユーザーは、アップル社に管理されている)ので・・・ユーザーは、「iPhone」を安心して使い続けることができるのです。

 しかし・・・その分、たっぷりと課金される仕組みになっています。
 「iPhone」の本体価格が(基本的に統制されて)高いだけでなく、アプリにも「アップル税」と呼ばれる価格3割増しの課金もあります。(しかも、その支払いは全てアップル社経由・・・アプリの運営会社はアップル社に言われたい放題で、頭が上がりません)

 アップルさん、そりゃ儲かるよ・・・(2日前のニュースに「アップル社の時価総額が一時3兆ドルを超えて、日本の東証第1部上場企業全ての時価総額の半分近くに及んだ」というのがありましたね)

「android」スマホは?

 「android」は、グーグル社が「iPhone」に対抗して・・・(電機メーカー等の)色々なメーカーからスマホを発売してもらう目的で「オープンソース型」のスマホ用OSとして開発されました。

 なお「オープンソース」とは、プログラムの内容が全て公開されていて・・・誰でも自由に利用できるし、修正し頒布することも許されているソフトウェアを言います。
 「オープンソース化」によって、メーカー各社が独自にプログラムをアレンジする自由度は高くなります。

 私は、ずっと「android」のスマホユーザーです。その自由度は、画面の設定だけでなく、機種によって「SIMカードの2枚差し」ができたり、1台のスマホの中で違うアカウントを同時管理できたり、音声の文字変換に特化した機種が発売されたり・・・「android」やめられません。(笑)

でも、その一方で・・・ガバナンスは緩いというか、自由度が高過ぎて困る問題も発生しています。
 例えば・・・同じ「android」なのに、機種によって操作性が大きく違っていたり、ソフトの安定性が著しく悪くなったり、アプリとの相性問題が発生したり、珠玉混合なアプリが大量に市場に出回っていたり・・・みたいな問題が生じることが、これまでありました。(今後もあると思います)

 つまり・・・「android」スマホの乗り換えが「iPhone」の乗り換えよりもスムーズでないのは、当たり前で・・・自由度が高過ぎて、全体を強力にマネージメントする「アップル社」のような存在がないし、(結果的に)互換性よりも自由度を優先させたからだと思います。

今回の結論は・・・

 近未来的な「Web3.0」的な発想の自由度が高いことが、全て良いこととは限らない。
 GAFAに代表される「Web2.0」の問題とされている要素(強力なガバナンス)が全て悪いということではない・・・ということになると思います。

 次回は、こうした観点を管理組合運営に置換えるとなると、どうすべきか?考えたいと思います。  (つづく) 

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