見出し画像

退職?エントリー|新卒で入社した🇯🇵セールスフォースを退職して🇺🇸Salesforceに入社しました

こんにちは、外資系SaaS企業でプロダクトマネージャーをしています、ハヤカワです。
日々、Twitterでプロダクトマネージャーのノウハウや考え方などを発信しています。

突然ですが、新卒で2016年に入社した株式会社セールスフォース・ドットコムを卒業して、サンフランシスコ本社 salesforce.com, Inc.に入社しました🎉🎉🎉🎉

実際会社を退職した扱いではないので、半分釣りっぽいタイトルですが、本社のプロダクトマネージャーのポジションの公募に応募して、面接を通過して、正式なプロセスを通って入社することができました!

そこで、今回はPMチーム立ち上げから、サンフランシスコ本社に異動した流れについて簡単に紹介しようと思います。

この記事を読んでほしい人

日本にある外資系企業でプロダクトの仕事をしたい方
顧客の声を聞けるPMになりたい方
国内でPMチームの立ち上げを考えている方


1分リーディング

ローカルのPMは開発を行う🇺🇸本社⇔🇯🇵日本支社⇔🇯🇵日本市場の3つの環境の間でブリッジの役割をする。
開発リソースを直接は持たない分、顧客の声に注力することができ、日本の市場、文化、顧客の要望を汲み取り、本社に伝え、より良い製品を作ることに貢献する。そのため、製品オーナーとして日本で一番製品に詳しくなり、価値を理解し伝え、新機能の検証やお客様へ製品を使ってもらいながら、フィードバックを集め、それを本社に伝える、という活動を繰り返す仕事になる。

2019年のPMチーム立ち上げまでの詳細は以下のnoteで説明しているので、こちらもぜひご覧ください!

これまでやったこと

このnoteではPMチーム立ち上げ後から行った、ローカルのPMとしての仕事を説明したいと思います。下記の絵のように、中心にいるのが、私が所属していたJapan Product Managementチームです。このチームはエンジニアリングリソースを直接持たない、ローカルのPMです。

画像1

立ち位置としては、本社🇺🇸 Salesforce, 🇯🇵Salesforce Japan, そして日本のお客様/パートナー様の3者の間に位置する形になります。それぞれやっていることを簡単にナンバリングすると、6つに分けられます。

1. 製品理解

画像2

これは本社で開発される製品のビジョン、戦略、ペルソナやターゲット、Jobs-to-be-doneを深く理解する最初のステップです。

まずは、製品の機能、価値、ロードマップ、 価格、ユースケース、事例、資料などありとあらゆる製品情報を習得するところにあります。製品オーナーとしてその自分が担当している製品を日本で一番詳しくなければいけないからです。

これらのことを本社のチームとWeeklyやMonthlyの定例MTGを通したり、Slackや社内で使っているSalesforceを使って、情報を得ていきます。

また製品理解の一貫として、テストフェーズ、機能検証もあります。たとえば、日本においては以下の製品検証を考えます。

日本語でも動くかどうか?
ダブルバイトに対応しているか?
NLP機能が日本語のテキストにも対応しているか?
日本の地域や文化、商習慣にも合っているか?
その他、バグがないか?

次に、L10N (Localizationの間の文字数を10で略したもの)を行います。

L10Nとは、製品UIやドキュメントの日本語への翻訳をチェックし、文字通り地域に適したものにする作業のことです。グローバルに全世界のL10Nを担当するチームがいるので、彼ら彼女らと協力して行います。

このようなテストフェーズもはさみながら、製品を理解し、品質が保証されたものを日本市場へ持ち込むための最初の関門としての役割もあります。

2. 製品を伝える

画像3

1で得た情報を今度は日本のステークホルダーに伝えます。

営業、技術営業、カスタマーサクセス、アライアンス(パートナー), イネーブルメント、マーケティング、PMM,などあらゆるチームに伝えます。

特に新機能、新製品の情報はPMMと協力して発信してきます。PMが得た製品情報をPMMに伝え、以下のような流れで情報伝達, Go-to-marketが行われます。

PMM->リリースマーケティング->マーケティング->コンテンツ制作->PR(広報)->イネーブルメント->カスタマーサクセス->セールス(営業)

基本はPMMが情報流通はリードしますが、製品情報そのものといった中身のあんこ部分はPMが用意するみたいな座組になります

この流れの中で、資料を作ったり、動画を用意したり、イネーブルメントのための社内向けウェブセミナーや勉強会、ワークショップを開いたり、さまざまなチャネルや仕組みを使って、日本の社員の方々に製品を理解してもらうためのイネーブルメントを行うのも、ローカルのPMの役割の一つです。

3. 疑問や質問に答える

画像4

情報が浸透し始めると、インターナルのステークホルダーからありとあらゆる質問がきます。そこで、それらの疑問、質問、要望、相談に真摯に向き合って答えるのが製品オーナーであるPMの役割です。

製品の仕様、セキュリティの懸念、将来の情報、裏側の技術的な仕組み、開発体制について、などなどその製品を中心としたありとあらゆる質問が毎日のように問い合わせがきます。

さらに、PMMと協力し、メッセージング、プライシング、ライセンス、簡単な機能情報や伝えるべき価値、製品資料やFAQなどの発信も行ってもらいます。

一方で、より技術的な内容や製品ロードマップ、開発体制についてなど、本社の開発チームとのやり取りが必要なものはPMが対応します。

PMは基本的にはこのような問い合わせ対応が多く発生してしまいます。しかし、このような状況で、ただ「問い合わせばかりで仕事が進まない!」とか「自分たちで調べてほしい!」とか不平不満を漏らすのではなく、できるだけPMに直接問い合わせが来ないような製品、ドキュメント整備、プロセス作り、体制、イネーブルメントを整えるのもPMの大事な仕事になります。

4. 顧客に価値を届ける

画像5

PMにとって最も大事なことである「顧客に価値を届ける」というポイントです。プロダクトというのは顧客に価値を届けるための媒体、とも言われます。プロダクトの成功こそがPMの成功だとするのであれば、顧客に価値を届けることに成功することがPMの成功であるとも言い換えられます。

私はローカルのPMとして、エンジニアリングリソースを持たない分、顧客に製品を通して価値を届けるところに注力するために、Outbound Product Management (OPM)というグローバルに存在する役割を最も重要視しました。

OPMは製品開発チーム側から積極的にお客様、ユーザーに働きかけ、製品の活用や定着化、成功を支援しながら、製品フィードバックを集めるといった役割を担う、製品チーム→顧客へアウトバウンドで活動するPMのことを指します。

最近では、このOPMの役割を持つPMが増えており、世界中であらゆる製品ごとにOPMが配属されており、多くのお客様をサポートしています。

具体的には、新機能や新製品のパイロットを実施したり、利用データから良く使っていただいている or あまり使えていないお客様にアプローチし、実際にお客様にその製品を活用してもらうところを伴走して、アドバイスやベストプラクティスを共有して、フィードバックも集めながら製品の成功への導くことに注力しました。

具体的にどういう活動をしていたのかは以下のnoteにも書いたのでぜひ見てください。

5. 顧客の声を集める

画像6

顧客に価値を届ける活動を通して、お客様から多くのフィードバック、Voice of the customerを集めます。

製品の直接的な機能改善要望や、オンラインMTGで製品の設定作業を画面共有してもらい同席する中での要望、感じたことを聞いたり、具体的にアンケートを送ってご回答いただいたり、1ヶ月ほどのPoCを通してビジネス的なアウトカム やKPIがどのように改善されて、目標にどのくらい到達していないかなど、「顧客の声を聞く方法」を通して直接/間接的にフィードバックをいただくことができました

6. 本社に声を届ける

画像7

そして、最後に集めたお客様の声を本社に届けます。もちろん、聞いたまんまでそのまま送るのではなく、具体的な機能要望はビジネスインパクトや重要度を加味して優先順位付けをして、本社にフィードバックをします。

定性的な意見や、感情的なニーズ、アンケート結果などは、日本のPMとして、日本の地域、市場、文化、商習慣、言語などを加味して、伝えるべきことを伝わるように伝えていきます。

時には、文化や言語の壁がありうまくこちらの要望が伝わらないこともありますが、しっかりとデータを示し、関係性を良くしながら (どこまで言っても人は人なので、人間関係はとても大切です)、交渉していくのがローカル地域のPMとして頑張るところかなと思います。

これからやること

ということで、日本のお客様のために、さまざまなステークホルダーの間でローカルのPMとして多くのことをやってきました。これからの仕事は、前述したOutbound PMの役割と、AI製品のとある新機能のPMとして製品開発をしていきます。

私が担当する製品は、本当に素晴らしいビジョンを持った製品なので、しっかりと製品開発に貢献して、日本に限らず世界中のお客様に価値を届けられるように頑張りたいと思います。

さいごに

この記事が良かったと思う方は、ぜひnoteのスキをお願いします!

また、普段からプロダクトマネジメントについて、学びながら発信しているので、Twitterのフォローもぜひお願いします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?