マガジンのカバー画像

人生

195
運営しているクリエイター

#統合失調症

医学部は単位を一つでも落とすと留年です。

医学部は単位を一つでも落とすと留年です。

いま、違うかもしれませんが、2016年くらいまでは確かにそうでした。
僕は医学部に入る前に100人に1人罹る病気で学力低下があったので、
解剖を三回しています。
2年生でそうでした。
1年生のころから大学を辞めたいと親に訴えているのに、
31歳ごろまで「今は耐えるとき」と言われて、
希死念慮、自殺企図があったため、
資格のために命を落とさないために父を説得し、
中退しました。

母は僕が生まれたこ

もっとみる
統合失調症と暮らす

統合失調症と暮らす

中井久夫の「統合失調症と暮らす」には「世に棲む患者」と「働く患者」が入っている。生活者としての患者に寄り添ったテキストで、患者4人の論考も入っている。4冊のシリーズの最後である。

回復から見た統合失調症の話。

患者への侵襲を嫌い、生をいつくしむ中井久夫の境地。

創造性から見えてくるもの

創造性から見えてくるもの

中井久夫は「思春期の子供が精神病で入院治療する」ことを「階段の踊り場でやすむ」と表現している。なんと慈愛のある表現だろう。

統合失調症の急性期は、意識のアクセルが、べた踏みになる状態と見て取れる。中井はふんだんな投薬と休養がいいという。

薬にアレルギーがあり、投薬できなかった患者があったらしいが、24時間、医師を呼べば行けるよ、という状態にしていたら、なんとか乗り切れたという話もある。

ぼく

もっとみる
出ると隠される類の理屈(注:精神病について書いています)

出ると隠される類の理屈(注:精神病について書いています)

精神医学のプロには、人と人の間にいきかうものを否定する人がいる。

おもいやりや暖かさを錯覚と、言ってしまえる極論があること、現代人なら知っているかもしれない。しかし、ふれあい、暖かさが必要な人のほうが多いと想像するし、極論が否定しても、否定される「現象」としてぬくもりなどを認識できると思う。

「在る」のだ。

このような「伝わるもの」が「過剰になる」のが、精神病(精神病という言葉は、精神医学で

もっとみる
本田弘慈先生との出会いは別れた後だった。

本田弘慈先生との出会いは別れた後だった。

本田先生は高名で高齢の牧師さんだった。もう亡くなっている。80歳までは生きたらしい。そんな名前も関心もなかった方を先生と呼んでいるのは、父から本田先生の最終公演のCDを借りてのことである。

僕は、統合失調症になり、幻聴に悩まされたことがある。

おまえは駄目だ、うちに引っ込んでろ、人様の前に出るのは失礼だ、なんでこんなことしてんの、バカじゃん?いい加減あきらめろよ、死ね。

何度もアパートの屋上

もっとみる

統合失調症の幻図鑑1

19歳のころ、発症しはじめに大学のジャズ研の合宿に参加した。

1日目の幻が思い出され、苦しいので書こうと思うが、最終日に典型的な症状が出ていたので、先に書いておく。

ジャズの発表会があった。それが起こったのはドラムをたたく力が強い先輩の編成の発表の時である。シンバルが叩かれるたびに、僕の頭に、「バカだ」と音声が入ってきて、激しく身が割かれる気持ちを体験した。楽曲の途中で相当苦痛で逃げたくなった

もっとみる