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#短歌
ナニワウラウチルヤマノツキチル
海を浮上させて船を沈下させて、絵心がなくふたつのままです(絵具を溶きながら二本の筆で)
うみが出ていくところのそらの隔膜を貫通するのが 内臓を食べる
二本の管が貫通して僕らはきっと生きながらえる川です
すずしからあつしへつたわりますようにしびれ野とよみよわいに浸かる
こども空びとやがてあかつきなる網目越しのは手などと奥をみす会(え)
下車をさそう急いてはLINEの駅近くナニワウラウチルヤマノツキチ
自動記述の試みとしての短歌
自動記述の試みとしての短歌
会陰部はまだ塞がらない(手のひらの)言葉を覚える以前の海に
ことばを患い落下した翼だけ捨てられている なぜ愛するの
尿(ゆまり)のあとの砂が縮んで添えられる折口のよごと、ものがたり、うた
予感から余寒を導く よごと、ものがたり、うた またため息を吐く
側勒努趯策掠啄磔の順の字画を経巡る風景となれ
花火のように打ち上げられたその頂きで青いひとみを海は見開く
子音の砂
実験的定型詩(1):短歌
実験的定型詩(1):短歌
鉱物的言語
が胃内に取り
込まれ
周囲の空
の噂をはじめる
万年筆の読点
として一匹
の蜂を捕らえ
て
あなたと比べる
照らし出す透明
な青い飴玉が転がり続けてひたい
に落ちる
驀地(まっしぐら)に字を書く
ように切り倒す
ようにわたし
が一行であ
り
改行さ
れ瞳を抉り死体
には動かないひかり
の実が生り
はじめる
#短歌