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△山の紹介△ 「苗場山」 (0015)

テーブルマウンテンとしての独特な山容と、山頂に広がる高層湿原が有名です。

<山岳名>
苗場山 (なえばさん/ 新潟県湯沢町・津南町、長野県栄村 )

<概 要>
標高は約2145m。 日本百名山。
テーブルマウンテンのため山頂は広大でそこに稀少な高層湿原が広がる。
紅葉の時期には山頂の高層湿原のカヤの草紅葉と中腹域以下(苗場スキー場あたり)の紅葉が有名。

<所在地>
新潟県湯沢町・津南町、長野県栄村

<アクセス> 
JR上越新幹線・上越線「越後湯沢」駅よりタクシーで和田小屋まで約30分強(だいたい7000円)。
JR飯山線「津南」駅より南越後観光バスで「小赤沢」バス停まで約60分。

 

<コース>  
※所要時間は標準的タイムによる目安(休憩含まず)。
(1)祓川コース
もっとも一般的なメインルート。 新幹線利用で東京からもアクセス便利。
越後湯沢駅→ 和田小屋→ 下ノ芝(70分)→ 小松原・祓川分岐(70分)→ 苗場山(90分)・苗場山自然体験交流センター※宿泊→ (小赤沢コース)→ 三合目(160分)→ 小赤沢バス停(70分)
歩行時間/ 1日目:約4時間、2日目:約4時間
標高差/ 約1200m(小赤沢~苗場山)、和田小屋から山頂までは約800m。
(2)苗場スキー場への下山コース
秋の紅葉の時期にオススメのルート。
登りは山頂まで上記(1)と同じ。 下りは次の通り(山頂で宿泊)。
苗場山→ 神楽ヶ峰(70分)→ 苗場山スキー場分岐(10分)→ ゴンドラリフト「ドラゴンドラ」山頂駅(150分)→ ゴンドラ山麓駅(25分) 
※山麓駅から苗場プリンスホテルまで送迎バスあり。 苗場プリンスホテルから南越後観光バスで越後湯沢駅(約40分)またはタクシー利用(タクシーで8000円程度※迎車料除く。)
歩行時間/ 1日目:約4時間、2日目:約4時間30分
標高差/ 約800m

<特徴>
祓川登山道がもっとも一般的で整備されているルートと思われます。
祓川コースの場合、神楽ヶ峰を過ぎると苗場山の山容が現れます。
祓川コースは比較的起伏も少なく、急登もさほどありません。 また難所や危険箇所もほとんどありません。
祓川コースはあまり眺望はありません。 
登山道は7月まで雪が残ることがあります(その年の降雪による)。
祓川登山道は要所にベンチがあるので適度に休憩が取れます。
小赤沢登山道は鎖場がいくつかありますが、難度は高くないと思われます。
小赤沢登山道はぬかるんだ泥の場所がいくつかあります。 気になる方はゲイターを着用した方がいいかもしれません。
小赤沢登山道は要所に道標があり、山頂までの道程が示してあります。

<国土地理院地図>
苗場山

 

<売店等>
山小屋以外に途中に売店はありません。

<入浴施設>
越後湯沢駅周辺に日帰り入浴施設が複数あります。
「貝掛温泉」(苗場プリンスホテルと越後湯沢駅の間) 目によい温泉として有名。 (※公式サイト)
「高半」(越後湯沢駅近く) 川端康成が『雪国』執筆のために逗留した旅館。日帰り入浴OK。 (※公式サイト)
「楽養館」(小赤沢) 秘境・秋山郷の温泉施設。 (栄村秋山郷観光協会)

<お食事処>
「森瀧」(越後湯沢駅)名物うどんすきと川魚料理など (湯沢町商工会)
「中野屋 湯沢本店」 (越後湯沢駅) 新潟県のへぎそばの有名店。
「本陣」 (越後湯沢駅) 越後湯沢駅構内の寿司店。
小赤沢温泉「楽養館」では軽食の提供があります。

<山小屋>
苗場山自然体験交流センター (栄村秋山郷観光協会)
和田小屋 (※公式サイト)

<付近の山>
谷川岳
志賀高原

<名産品>
笹団子
へぎそば
コシヒカリ(お米)
日本酒各種

<補足>
夏期は虫が多いので、虫除け対策をされることをお勧めいたします。
山頂湿原はワタスゲ、チングルマが目立った印象です。
山頂の宿舎(苗場山自然体験交流センター/苗場山ヒュッテ)は一軒のみです。 長野県の学校登山行事がある場合は、宿泊が難しいこともあるようなので要注意です。
山荘の夕食はカレーです。ポテトサラダ、福神漬けなど副菜あり。たしか食べ放題だと記憶しています。 朝食はバイキング形式です。ご飯と味噌汁に惣菜が数種類用意されています。 なお今般の新型感染症の影響で変更されているかもしれません。
山頂の山荘では昼食等の軽食の提供は行っていません。
山頂・山荘に水場はありません。 山荘の水は天水(雨水)です。 山荘で飲料水購入可能です。
ドラゴンドラは季節運行です。 運行時期・時間ともに事前確認要。
苗場プリンスホテルと越後湯沢駅、小赤沢と津南駅のバスはいずれも本数が非常に少ないです。

 

<私的な雑感>
とにかく山頂の高層湿原が素晴らしい。
眺望はありません。 周囲の高い山や山脈が望めるとか、麓の景色が眼下に一望できるということはありません。 逆にいうと足下の湿原以外は全部、空です(ちょっと大袈裟)。 
夏には緑の湿原と広い空、秋には草紅葉の大地と青い空。 湿原の池塘が鏡のように空の色を照り返します。 このような景観は日本でも数少ないのではないでしょうか。 

小屋から少し離れたところにウッドデッキの広いテラスがあるので、そこで珈琲でも淹れながら景色を堪能していると時間を忘れてしまいそうです。 祓川登山道を往復で利用すれば、日帰り登山は十分可能ですが、夕焼けの空と湿原、早朝の太陽の光の輝きと清涼な空気を楽しむために山頂で宿泊されることをお勧めいたします。

ドラゴンドラで楽しむ紅葉も素晴らしいと思われます。 苗場山中腹から麓の苗場プリンスホテルまでの間、紅葉最盛期には20分間の紅葉空中ドライブといった趣です。

また立ち寄りスポットとしては越後湯沢駅内になる「ぽんしゅ館」はとても充実しています。 地元名産品などの各種お土産や日本酒(利き酒サービスあり)も幅広く揃っておりますし、お食事処やカフェもあります。 また温泉ではありませんが、駅ビル内に入浴施設も設置されています。

繰り返しになりますが、シチュエーションとしては山頂は足下が平坦に広がる湿原以外に何もないのでとにかく空が広い。 このロケーションを利用して星空観望に何度か訪れましたが、あいにく曇り空ばかりで十分に楽しむことができませんでした。 また機会を見計らって行ってみたいと思います。

 

<備 考>
●「赤湯」について
苗場山から秘湯・赤湯へ向かうことができます(もちろん逆も可能)。 赤湯は山道を歩かなければたどり着くことができない温泉です。 河原沿いに露天の浴槽が設けられており、川の流れを眺めながらゆったりとお湯に浸かっていられます。 宿泊も日帰り入浴も可能です。 ただし、何度も谷に下り尾根へ登り返す道になりますので、けっこー体力勝負になると思います。 
「赤湯温泉 山口館」 (※公式サイト)
●「秋山郷」へのアクセスについて
東京からはアクセスに少々時間がかかります。
一般的には、「東京」駅から北陸新幹線でJR「飯山」駅に行き、そこからJR飯山線「津南」駅まで出て路線バス・デマンド交通に乗車することが楽だと思われます(※鉄道の移動時間だけで4時間程度)。津南駅からの路線バス・デマンド交通は本数が少ないためご注意ください。
そのほかには同じく「東京」駅から上越新幹線で「越後湯沢」駅まで行き、北越急行ほくほく線とJRを乗り継いで「津南」駅まで出ることができます。

 

<参考サイト>
「苗場山」 (栄村秋山郷観光協会)
湯沢町/登山情報 
栄村/登山情報
新潟県警察/南魚沼警察署
長野県警察/飯山警察署
昭文社 山と高原地図16 「谷川岳 苗場山・武尊山」
南越後観光交通バス:津南・十日町地区 (※公式サイト)
南越後観光交通バス:六日町・湯沢地区 (※公式サイト)
デマンド交通 (長野県栄村)
[動画] 苗場山/潤沢な水と高山植物の宝庫 (NHK)※約3分27秒
[動画] YUZAWA You're the Wonderful Vol 01 苗場山篇 Mt Naeba (道の駅みつまた/YouTube)※約2分35秒(CM除く)
[動画] 秋山郷 天空の苗田 苗場山|長野県栄村公式観光情報サイト ~自然体で旅しよう~ (【公式】長野県栄村 観光情報チャンネル ~自然体で旅しよう~/YouTube)※約3分27秒(CM除く)

 

<ご留意点>
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(6) 不定期更新です。 毎月一度を目安に更新を予定しております。
(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。

(2021/09/14 上町嵩広)

 

<バックナンバー>
0014 天狗岳(八ヶ岳)
0013 燕岳~常念岳
0012 大杉谷~大台ヶ原
0011 北岳
0010 雲取山
0009 御前山(奥多摩)
0008 大楠山
0007 飯盛山
0006 赤城山
0005 大山(丹沢)
0004 三頭山
0003 宮之浦岳
0002 雨飾山
0001 編笠山

 

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