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うだ すいか
2020年8月23日 23:44
「17歳の夏、忘れられない恋をした」。よく観るような煽り文句が、本屋をチープに彩る季節がきた。鼻で笑っている振りをした。ハッピーエンドならいらない。報われないならまだいいか、と思った。捻くれていた。もうずっと、捻くれていた。羨ましかったのだ、あの夏からもうずっと、結ばれて笑いあってキスをするみたいな、そんなあおはるが、夏が、妬ましかったのだ。わたしの17の夏だって、17の夏だけが、確かに恋のよう