うだ すいか

贖罪と遺書 Twitter(@kiw_nar)

うだ すいか

贖罪と遺書 Twitter(@kiw_nar)

マガジン

  • ブログとエッセイのような

    三題噺と小説以外はこちらです。ながさもばらばら。

  • つぶやき

    はけ口。普段の脳みそはこんな感じだよ。

  • フィクションとか

    特にお題が無かったりあったりするフィクション置き場。

  • 月イチ三題噺

    ほぼ毎月、月に1度、短めの三題噺を更新しています。

最近の記事

  • 固定された記事

幸せは毒薬ですか?

幸せになりたい。 しあわせ。毎日のように馳せて時に声になって6畳1間に融ける。しあわせ。なんて曖昧で、掴みどころがなくて、無責任なのだろうか、と思う。幸せになりたい。喉から手が出る程、欲しくて欲しくてたまらない。血が滲む程憎い。ばかやろう。不公平だと思った。 「しあわせって結局のところなんなんだろうね 」。 隣に恋人がいること。おいしいご飯を食べること。ふかふかの布団で、昼過ぎまで眠ること。美しい宝石を身につけること。景色の良い、広い家に住むこと。あたたかな家族がいるこ

    • 執着と依存と愛情の違いなんてわからない

      なにが正しくてわたしが抱いているこれがなにで、正しくなくとも正す術がわからない。酷く重く汚れている。崇高でない。こんな感情の巻き添えにしてしまってごめんなさい。

      • 然らば、盛夏

        死に対する強烈な恐怖とあこがれ。 生への執着は、其れほど無い。 死にたくない。不本意に死にたくない。死ぬのは怖い。苦しむのが怖い。今後一生一切苦しまないならば死ねばいい。死ねば。それが最適解だと思った。生きることは酷く難しい。生きることは酷く苦しい。ささやかな、小さな、慎ましやかに積み上げてきたよろこびや嬉しさや幸せの類いを、一瞬でいっさいぐちゃぐちゃにするのが苦しみだ。苦しみを知らずに生きていたい。そうだな、苦しむくらいなら、辛いくらいなら、なんにも知らないうちに死んでし

        • さいか

          喉を、胎を焼いたのがアルコールなのか、薬なのか、はたまたもっと別の、おれにお似合いの、真っ黒に澱んだ澱のようなもの、どろどろと醜い感情や、刃のような言葉、おれを見る目、憐れむような目、憐憫や軽蔑、あるいは、あるいは酷く熱を以た――例えば、似つかわしくないとさえ思う、そうだ、慈しみや愛、なんかの類なのか、おれは未だにわからずに居る。夢うつつの隙間、酩酊と覚醒の境、おれはそこに蹲って安い煙を吐き出している。胎を焼いて、胚を焼いて、咳をしては滲むもの、軋む骨、みっともなく細胞が憶え

        • 固定された記事

        幸せは毒薬ですか?

        マガジン

        • ブログとエッセイのような
          50本
        • つぶやき
          9本
        • フィクションとか
          5本
        • 月イチ三題噺
          4本

        記事

          加速

          齢25を越え、四半世紀を生きた、蒸し暑い曇天、サーカスの興行を噂に聞く、わたしはペダルを思い切り踏む、夜を切り裂いて駆けて、醜い心根をどうにか叩き潰し捻じ切り踏み付けてぐちゃぐちゃに殺して、声ひとつ、言葉のひとつで震える細胞、焼け付くほどに強烈に唯愛おしく、怯え、子供のように泣けば子がそうされるようにあやされ、わたしが喪いたくないと哭く程にあなたもそうであったらいい、そうであれと言葉尻ひとつ指先のなぞるひとつにまじないの様に仕込んで、わたしはようやく大人になれましたか、人間に

          春は朧

          春が苦手だ。嫌悪、憎悪、拒絶の類い、桜花の咲く前に決まって不安定になる精神と扁桃腺が、無意識に、或いは意識的に季節を拒んでいる。明るい季節はどうしたっておれを責める。嘲るように迫り立てる。始まりを慶べるのは始める者だけ、おれだけが、おれだけは薄暗い冬の名残に座り込んでいる。立ち上がりもせず、見ないふりをしてやり過ごす、酷く、間違っているみたいだ、近くにあったと思い込んでいたものが、ぺりと剥がれて燦然と遠くへ、残された汚ねえこころにまた、ずし、と汚ねえ錘が積もる。今更涙も出ませ

          うつつのあとで(日記、03/15)

          夢をうつつに見てもしなせてもらえませんでした、だってあんなに幸せな顔を見てしまったら。そのうつくしさを、おぼえているのはわたしたちの、わたしの責任であり。わたしが生きることで、そこにたしかにあったあなたが生き続けられるなら。信仰はつづく、そうやってつづいていく。夢と約束の地、おおきなステージで歌い叫び舞い泣き笑うあなたは、この世の何よりもうつくしかった。あなたの歩んできたみちを、続けることを選び続けてきたことを、どうか肯定してもらえたら。あなたのおかげで生きて、大切を知って、

          うつつのあとで(日記、03/15)

          ぜ。んじつ(日記、03/14)

          君に会うためのさいごの遠征準備は、実家を出る日にすこし似ていた。最後のまたね。わたしは結局、死なずに、生きて明日を迎えるようです。なんの告知も、あなたの言葉も、まだ靄がかっています。まだ随分遠いみたいに思う、けれど淡々とかばんに詰めたものたち、書き始められない手紙、赤い封筒、明日ぜんぶ嘘だって言ってくれてもいいんだよ、わたしは本当に、あすあなたがぜんぶ君のせいだ。という任を解かれたそのあと、何を頼りに、何に縋って生きていけばいいのか分からない。唯一の、ちっぽけな僕の信仰。裏に

          ぜ。んじつ(日記、03/14)

          準(日記、02/19)

          ライブハウスから高速バス乗り場までは、きみの曲を聴かない、かわりに聴く曲のひとつひとつが、今日という日のおもいでのトリガーになってほしい。また来ることがあるのだろうか、茨城、知らない夜景が横に流れていく。こんな旅ももう、最後かも知れないね。ツアーのセミファイナル、あと僅か指を折れば、本当に最後がきてしまう。あなたに逢える最後のライブハウス、ずっと忘れたくなくて、1ミリも逃さず焼き付けていたくて、泣くもんかとずっと笑っていようと思っていたけれど、このからだ、勝手に涙を流してしま

          準(日記、02/19)

          あお/はる(日記、02/18)

          遠く千葉のホテルで、酔った頭で言葉だけ並べようと思う。日記。泣くもんかと、笑おうと思ってたけれど、曲のひとつが、あなたの表情1つが心臓を刺すんです。ライブハウス最後の3公演のうち1日目、千葉で散々泣いて、ほんとうにこの世は残酷なんです、死んでおけば知らなかった大切なものをたくさん知ってしまって死ねなくなって。わたしのしらないふろあの熱気、懐かしいとは遠い感覚の中で思う。わたし、あなたになにかできただろうか。わたし、あなたの力になれただろうか。患いとしては不甲斐ない存在に甘んじ

          あお/はる(日記、02/18)

          春来

          零下の夜が身を切る、然れど、暮六つの西が明るくなりました。遠く微かに春の訪れを想う、如月の日々を数える、あなたの瞳ばかりが思い出される、澄んだ空気、星は高く、三日月が笑んで。春が来る。望んだ春が、拒んだ春が、すぐそこに。春はかなしい、ずっとかなしい季節でありました。例に漏れず、此度の春は、いっそ殺してほしいとさえ思うほど焦燥と、祝福と、かなしさと、そういった相反する感情を混ぜて、交ぜて、地べたにぶちまけた様な、掬いようのない、酷く澱んだものに覆われているように思う。さようなら

          日記、11/08

          自殺未遂をした次の日、推しが脱退した。 雨に傘を差すよ、きみを雨からまもるよ、と言ってくれるひとだった。雨が降っていた。すこし寒い日だった。夢であればいいのに。悪い夢であればいいのに。悪夢が好きだなんて言ったせいで、こんなことになってしまったのだろうか。ありがとうもだいすきも言わせてもらえなかった、あなたの言葉もきけなかった、いまさら責めたりしないけど、しあわせに、生きていけそうかなあ、それだけ聞きたかったのにね、ぼくたちは、女の子ひとりの人生の前ではあまりに無力だ。あなたの

          10月の遺書

          帰省も最後にするはずだった。仏壇に長く手を合わせた、御先祖様皆様、わたしのような出来損ないが生まれてごめんなさい。○○の家の血筋にどうしようもない汚点をきざんでごめんなさい、せめてこれで終わらせますので、自ら死にますので、これでどうか、どうか、もう赦して下さい。父母残された家族を頼みます、貴方様の場所に逝けるなんて到底思いません、天国へも地獄へもわたしは逝きとうございません、だけどせめて、ただひとつだけ、この世を知らずに産まれた、死産の弟にだけ逢いたいのです、この期に及んでわ

          恋は死

          一途に焦がれることが尊く、いっとき足りともあたまから離れないそれが恋なのだとしたら、おれの想いびとは死という概念、それであろう。それは永いことおれは彼に焦がれ、触れないぎりぎりの所へ立って、姿かたちを両の目に認め、焼付け、一瞬でも目を逸らさないでいて、彩度の低いなまみの生を横目で見ている。偶にぱっとひかる生の世界での何かに目を眩まされ乍ら、然しておれが滔々と奥底に湛えているのは死の概念だ。際限の無い終わり、暗闇或いは無への底知れぬ恐怖、おれを産んだひとのなみだ、かかわりをもっ

          酔と夢

          安い焼酎を呷れば咽とはらわたがじわりと灼けた。黒い血や重たいものが有耶無耶になって、それからずしりとまた胎に溜った。健康と正常を刮げていくわるいくすりは、健康と引き換えに異常を掻き消す、然れど善いものであるとおれは思った。人生は地獄である、然して恋は地獄である。生きていくのは罪悪である。おれは罪悪のなかで筆を執る、生きるためには金が要る。しあわせな文学なんてないと思った。不幸のなかにこそそれがあるのならば、甘んじて不幸に浸かりきらなければならない。おれの人生は、或いは常に不幸

          ざざ、みなも

          なぎの夜、川面は淡々と時を流れていた、向こうにみえる、ゆら、揺らぐのは水の性か、あるいは、泪の所為か。うつくしいものばかりが透ける、半透明なのは記憶、思い出になるにはまだあざやかすぎるものたち。枯れ往く花に、あの窓際の花に、よく似ていると思いました。うつくしいものの消費期限はきまって厭にみじかい。儚いから美しいのなら、みらいや、遺ったり遺してきたものは、執着や嫉みだとか、いたみだとか、そういったあまりきれいでないものばかりかもしれない。いまは、血の滲むくちびるのほうが、ずっと

          ざざ、みなも