「1つのアクションを複数の視点・アングルから撮影→立て続けに流す」という技法をしつこく使う ~アニメ「日常」の場合
◆概要
【「1つのアクションを複数の視点・アングルから撮影→立て続けに流す」という技法をしつこく使う】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「日常」(第21話)
▶1
本作の主人公の1人・ゆっこ(高1の少女)。
ある日のこと。
・Step1:ゆっこは国語の宿題をやってくるのを忘れてしまった。
・Step2:しかし、特に罰を受けることもなく授業が終わった。ゆっこは喜ぶ。彼女は友人のみおちゃんに笑顔で語った「奇跡ですよ、奇跡!」「今日はついている!」。
・Step3:ところがそこに国語担当の高崎先生がやってきて……バン!出席簿でゆっこの頭を叩いた。不意打ちを食らったゆっこは思わず変な声を漏らす「はぴっ!」。
・Step4:高崎先生が言った「今日の宿題について少し話がある。職員室まで来なさい!」。ゆっこは落ち込む「……はい」。
▶2
ご注目いただきたいのはStep3。「高崎先生がゆっこの頭を叩く→ゆっこが変な声を漏らすシーン」で、【1つのアクションを複数の視点・アングルから撮影→立て続けに流す】という技法が使われているのだ。
【1つのアクションを複数の視点・アングルから撮影→立て続けに流す】というのは……
・1:例えば「主人公が敵を殴るシーン」なら、【まずは「主人公が敵を殴るのを横から撮った映像」を流し → 直後に「同じ場面を主人公視点から撮った映像」を流し → さらにその直後に「同じ場面を敵視点から撮った映像」を流す】なんて風になる
・2:一般的には、アクションシーンや爆発シーンをより一層盛り上げるために使われる
・3:繰り返す回数に決まりはないが、3回程度が多いようだ(=視点・アングルの異なる3パターン程度の映像を流すことが多いようだ)
・4:有名な使用例としては、映画「ポリス・ストーリー/香港国際警察」がある。すなわち、【まずは「『ジャッキー・チェンがデパート内の30mに及ぶポールを一気に滑り降りる』というアクションを右上から撮った映像」が流れ → 直後に「同じアクションを左下から撮った映像」が流れ → さらにその直後に「同じアクションを正面下から撮った映像」が流れる】のだ。1つのアクションを異なる視点・アングルから3回も見せることで、それがいかにすごいアクションか、人間離れしたアクションか強調しているわけだ
▶3
さて話を戻して、上述のStep3。
ここでは「高崎先生がゆっこの頭を叩く→ゆっこが変な声を漏らす」という映像が、なんと25秒間に渡って、視点やアングルを替えて約90回も繰り返される。
90回って!!
というわけで、「しつこいな!(笑)」「どれだけ繰り返すんだよ!(笑)」「ゆっこの『はぴっ』『はぴっ』という声がうるさい!(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないはずだ。
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