おかしな「喜び・歓喜」 ~ドラマ「グッドガールズ:崖っぷちの女たち」の場合
◆概要
【おかしな「喜び・歓喜」】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:ドラマ「グッドガールズ:崖っぷちの女たち」(第6話)
▶1
本作の主要キャラの1人・ルビー(中年女性)。
そして、その夫・スタン(中年男性)。
2人は仲良し夫婦である。子どもも含めて家族一同楽しく暮らしていた。
ただし、
・Step1:経済的には余裕がない。いつもかつかつだ。特に、大病を患う娘の治療のためには大金が必要なのだが……一体どうやって工面すればいいのか!2人は苦しんでいた。
そんなある日のことだ。
・Step2:ひょんなことからルビーが大金を得ることに成功した。
・Step3:彼女は「じつはビジネスが上手くいったのよ」と言って、テーブルの上に札束を並べてみせた。
・Step4:スタンは仰天する。目を疑う。うおっ、札束だ!俺、札束なんて初めて見るよ!
やがて、
・Step5:スタンは恐る恐るといった感じでルビーに訊いた「……触ってもいいかい?」。彼は札束を手に取って「すごい……。重いな。いいね」。
・Step6:ルビーが言う「匂いもいいのよ」。スタンは札束を鼻に当て、深呼吸した「……いい匂いだ。新鮮な匂いだ」。
・Step7:さらにスタンは訊いた「これだけあれば何ができるかな?」。ルビーが微笑む「何でも!」。
・Step8:直後、スタンが言った「ぷるるるる」。ルビーは札束を1つ手に取るとそれを自らの耳に当てて「もしもし」。スタンも札束を耳に当てて「どんなことができますか?」。ルビーが答える「何でもできますよ」。スタンが叫ぶ「何でも!?」。――電話ごっこである。
・Step9:スタンはここで初めて笑顔になる。「俺たちは大金を手に入れたんだ!」「これで子どもを治療してやれる!」といった実感がようやく湧いてきたのだろう。
・Step10:スタンはルビーとキスして抱擁した。――が、ルビーと抱き合いながらも札束の匂いを嗅ぎ続けるスタン。彼は言った「ごめん、止まらない。つい匂いを嗅いじまう!」。
▶2
経済的に余裕がなく、家族のため、子どものためにどうにかして金を工面しなければと頭を痛めていたスタン。
ところがある日、妻ルビーが「ビジネスで成功したのよ」と言って札束を並べてみせた。
というわけで大喜びのスタンだが――「いくら何でも札束の匂いを嗅ぎすぎだろ!(笑)」「電話ごっこって何だよ!浮かれすぎ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。
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