夢のある話やロマンティックな話かと思いきや、そうではなかった　～マンガ「みなみけ」の場合

カナ「（風邪を引き、ベッドで寝込んでいる）……チアキ、ありがとう。もういいよ。ずっとついててくれなくても。そろそろあんたの好きなテレビの時間だよ」
チアキ「（しんみりした口調で）テレビなんかどうでもいいよ。おまえがつらそうにしてるのを見ると……」
↓
チアキ「テレビより面白い」

マンガ「みなみけ」（第1巻）

◆概要

【夢のある話やロマンティックな話かと思いきや、そうではなかった】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：マンガ「みなみけ」（第1巻）

▶1

本作の主人公は南家の3姉妹、すなわち長女のハルカ（高2）、次女のカナ（中2）、そして三女のチアキ（小5）である。

ある日、

・Step1：カナがカゼを引いた。熱を出し、ベッドで寝込んでいる。

・Step2：学校から帰ってきたチアキが声をかけた「大丈夫なの？」。

・Step3：カナは苦しそうだ。

・Step4：チアキはベッドサイドの椅子に腰かける。そして「バカは体調管理できないからカゼをひくんだ」などと、いつも同様に毒を吐いた。だが、彼女は決してその場を離れようとはしない。

やがて、

・Step5：カナが言った「……チアキ、ありがとう。もういいよ。ずっとついててくれなくても。そろそろあんたの好きなテレビの時間だよ」。

・Step6：するとチアキは「テレビなんかどうでもいいよ。おまえがつらそうにしてるのを見ると……」。おお、やはり姉妹！毒舌家のチアキだが、しかし姉のことが心配なのだろう！

・Step7：と思いきや、チアキが付け足した「テレビより面白い」。

・Step8：直後、いまにも殴りかからんばかりの勢いでカナが起き上がった。

▶2

チアキは毒舌家。いつもカナにきつく当たっている。とはいえ、そこは姉妹。何だかんだ言いながらも、熱を出して寝込んでいるカナのことが心配なのだろう……と思いきや。

「せっかく美しい姉妹愛を見られるかと思ったのに（笑）」「『おまえがつらそうにしてるのを見ると……テレビより面白い』って、ひどすぎるだろ（笑）」と思わず噴き出してしまった読者は少なくないだろう。

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