そうだ!獄中ライブだ!!|マンガ「ごくちゅう!」に学ぶ
※引き続き、マンガ「ごくちゅう!」を分析します。本記事の前に、以下の記事をご覧になることをお勧めします。
作品紹介
「ごくちゅう!」
※第1話は上記サイトで無料で読めます(2021年5月12日時点)。ぜひご覧ください!
※本記事の分析対象は第1話のみです。
【復習】前記事のまとめ
「ごくちゅう!」の作者になりきって第2話以降を妄想することになった清水と三葉。
「こんな展開はどうか?」「こんなエピソード・シーンが面白いのでは?」と様々なアイデアを出していく。
本記事でも、2人のディスカッションは続く……!!
※メモ:作者になりきって「この後、どのような展開にすれば面白くなるだろう?」「どのようなキャラを出せば人気が得られるだろう?」などと頭をひねるのは、クリエイターにとって有益なトレーニング法です。みなさんも「ごくちゅう!」第1話を読んで、第2話以降についてアレコレ妄想を膨らませてみてくださいね!
ディスカッション⑥
三葉 よし、続けよう!
清水 ふむ。
三葉 他にどんなアイデアがあるか……。
清水 えーと、百合展開はどうだろう?
三葉 おー、いいね!監獄が舞台の映画には往々にして男色描写があるからさ、こっちは百合で対抗しよう(笑)
清水 とはいえ、本作は<日常系>。ハードすぎる描写はできないよね。せいぜいがふさけてキスをするくらいかなぁ。
三葉 だね。
清水 それなら……<隣の房に百合カップルがいる>ってことにしようか。
三葉 なるほど。主人公が何の気なしに挨拶をすると、相方が激昂して「私の○○さんに話しかけないでよ!」と叫ぶとかね(笑)
清水 ふふっ(笑)
三葉 あるいは「ゆるゆり」のちなつみたいに、<「キスの練習をさせて!」と言って、百合キャラが主人公を押し倒す>って展開もありかな(笑)
ディスカッション⑦
三葉 <主人公らがファッションについてトークする>ってエピソードはどうだろう?
清水 なるほど。ヘアスタイルがどうとか。
三葉 うん。「たまにはネイルをしたいなぁ」と主人公がぼやいたり。
清水 ふむふむ。
三葉 すると他のキャラが「赤色でよければ塗ってあげようか?血のマニキュアだけれど」。
清水 いやいや(笑)そんな「カイジ」の一条みたいなことは言わないでしょ。
三葉 あるいは、<囚人服をオシャレに着こなす>なんてどうかな?
清水 ん?どういうこと?
三葉 えーとね。例えば、シャツの裾を結んでへそ出しルックにしてみたり、ズボンの裾を短くしてサブリナパンツにしてみたり。
清水 えー(笑)あっという間に看守に見つかってぶん殴られるんじゃない?
三葉 そこはホラ、校則の厳しい高校に通う女子高生が先生に隠れてオシャレを楽しむようにさ、こっそりオシャレするんだよ。
清水 なるほどね。
三葉 そういえば、「三ツ星カラーズ」に<公園でファッションショーの真似事をするエピソード>があったな。あれは、アホかわいくてよかった(笑)
三葉 本作に即して言えば、<雑居房の中でファッションショーを開催。皆でウォーキングをしたり、ポーズを決めたりする>ってエピソードかな。
清水 ちょうどポーズを決めたところで看守の足音が聞こえてきて、慌てて読書するフリをしたりね(笑)
三葉 いいね(笑)ちょっとしたドタバタ劇になりそうだ。
ディスカッション⑧
清水 せっかくの獄中だからさ、看守にも魅力的なキャラがほしいよね。
三葉 確かに!
清水 多くの<日常系>作品には、<主人公らと親しい学校の先生>が登場するじゃない。あんな感じでさ。
三葉 いいねー!「らき☆すた」の黒井先生とか。
清水 うん。「けいおん!」のさわちゃん先生とか。
三葉 <ノリのいいツッコミ役>というか<ボケにも回れるツッコミ役>というか、そんなキャラだね。
ディスカッション⑨
三葉 そういえば、<主人公らの家族が面会にくるエピソード>もあり得るよね。
清水 ふむ。主人公には妹がいるみたいだから、妹がくるのかな。
ディスカッション⑩
清水 あとは……うん!<主人公らのいる雑居房に新しい囚人がやってくる>のはどうかな?
三葉 おー、いいね!「けいおん!」のあずにゃんに該当するキャラだ。
清水 そうそう。
三葉 転校生やら留学生やら後輩やら、後から1~2人くらいメンバーが増えるのは<日常系>作品のお約束だもんなぁ。
ディスカッション⑪
三葉 さて。
清水 うん。
三葉 ここまでいろいろとアイデアを出してきたわけだけれどさ。どうしてもネックになるのが、獄中ゆえに「できること」や「行ける場所」が限られているってことだよね。
清水 そうねぇ。
三葉 例えば「物語の舞台」。多くの<日常系>作品は、ごく限られた場所を舞台に物語が進むよね。でもそれにしたって、学校の教室や校庭、屋上、廊下、主人公らの家、通学路、お馴染みの商店などなど、様々な場所が舞台になっている。
清水 うん。旅行に行ったり、遊園地や美術館に出かけたりするエピソードだって1つや2つはあるよね。
三葉 それに対して本作はどうか?雑居房でしょ、廊下でしょ。あとは……トイレや風呂、面会室くらいかな?売店もあるのかな?まぁ何にしろ、バリエーションが極めて限られている。
清水 だね。
三葉 となると、だ。どうしたってストーリーはマンネリ化するだろうし、読者から飽きられやすくなる。
清水 そうねぇ。まさか皆で旅行に行くわけにはいかないし(笑)
三葉 そうそう。皆で話題のカフェに行くこともできない(笑)
清水 つまり問題は、【いかにして物語のバリエーションを増やすか?マンネリを防ぐか?】だね。
ディスカッション⑫
清水 はて、どうするべきか。
三葉 うーん……。
清水 そうねぇ……。
三葉 んー……<日常系>と呼ばれる作品の中には、主人公らが何らかの目標に向かって進んでいくタイプの物語があるよね。ほら、「けいおん!」は文化祭のライブに向けて練習を重ねるじゃん。「ハナヤマタ」なら、<夏祭りでよさこいを披露する>という目標があるよね。
三葉 本作にも、ああいう目標を用意するのはどうかな?
清水 なるほど!本作の場合、<主人公らが、獄中で開催されるクリスマス会で演劇を披露することになる>なんて展開かな。
三葉 いいねー!
清水 本番はもちろん、練習シーンもいろいろ面白くできそうだね。皆で協力して準備を進めてさ。
三葉 時には仲たがいしちゃってね。
清水 うん。でもすぐ仲直り。
三葉 あるいは、<人を殺す演技をする中で殺人犯が思わず本気になってしまって大騒ぎ>とかね(笑)
清水 ひどい(笑)
三葉 それに、「けいおん!」風にバンドを組んでライブをやったっていいよね。
清水 メンバー全員が囚人って、えらいパンクなバンドだな(笑)
三葉 いや、待てよ。「けいおん!」だとカッコよすぎる気もするな。本作の場合……うん!「それ町」に登場するバンド「メイズ」をイメージするのはどうかな?(笑)
三葉 バンドなのに、アコーディオン、バイオリン、ベース、ドラムスという謎編成でさ(笑)
清水 バンド名の「メイズ」はメイドに由来するんだったよね。メイドの複数形で「メイズ」。
三葉 だったらこっちは……囚人の複数形で「シューズ」とか?いや、ストレートに「ザ・囚人ズ」の方がいいかな?
清水 センスがひどいな(笑)
ディスカッション⑬
三葉 そういえばさ、いまふと思ったんだけれど……主人公の刑期がたった1年なんだよね。同房の仲間よりも短い。
清水 そうか!となると、<主人公が出所するエピソード>がきっちり描かれて最終回を迎えるのかもね。
三葉 だよね。つまりさっきの話を絡めると……<まずは獄中ライブを成功させて(笑)、「来年はもっと頑張ろうね!」と盛り上がる。しかし冷静なキャラが、「ううん、それは無理よ。だって、来年にはもうあなたはここにいないでしょ」と微笑む。主人公はハッとする。そして思わず涙をこぼす>って展開かな。
清水 いいねー!
三葉 で、次にくるのは<涙なしには語れぬ感動の別れのシーン>だ。同房の仲間が、主人公のために密かに用意しておいた歌を披露する。
清水 ほぉ。
三葉 歌詞は「出所は終わりじゃない/これからも仲間だから」って具合でね。
清水 「卒業は終わりじゃない/これからも仲間だから」だよね(笑)
三葉 最初はさ、あずにゃん的なキャラが「もう、先輩!早く出所してくださいよ!」と口をとがらせていた。でも出所が近づくと、「先輩……出所しないでください。もう部屋を片付けなくても、お茶ばかり飲んでいても叱らないから……出所しないでよぉ!」と涙を流すんだね。これは感動するぞー!(笑)
清水 あまりにもパクりすぎでしょ(笑)
三葉 まぁ、かくして主人公は出所する。
清水 ふむ。
三葉 しかし、すぐに戻ってくる(笑)
清水 えっ!?
三葉 出所してまずは一服ってことで大麻を吸い、即逮捕されるんだよ(笑)
清水 ひどい(笑)
三葉 同房の仲間は呆れる。
清水 だろうね。
三葉 しかし主人公はめげずに、「よーし!今年も獄中ライブを頑張ろうね☆」。そのあっけらかんとした態度に、仲間は思わず噴き出す。……最終回はこんな感じかな?(笑)
清水 悪くない(笑)
【おまけ】発言ピックアップ
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(担当:三葉)
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