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「キャラAは、憧れの人に近づくためにすべきことを手帳に書き連ねていた→その手帳が破り捨てられる→新しい手帳を得る」という展開によって、「憧れの人を追いかけるだけの時期が終わったこと=Aが自分自身の物語を紡ぐ時がきたこと」を暗示する ~アニメ「ひろがるスカイ!プリキュア」の場合

ソラ「(なぜヒーローを志すようになったのかとましろに訊かれて)本物のヒーローを見てしまったから、でしょうか」

ましろ「(なぜ手帳をプレゼントしてくれるのかとソラに訊かれて)本物のヒーローを見ちゃったから、かな!」

アニメ「ひろがるスカイ!プリキュア」(第2話)




◆概要

【「キャラAは、憧れの人に近づくためにすべきことを手帳に書き連ねていた→その手帳が破り捨てられる→新しい手帳を得る」という展開によって、「憧れの人を追いかけるだけの時期が終わったこと=Aが自分自身の物語を紡ぐ時がきたこと」を暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「ひろがるスカイ!プリキュア」(第1-2話)

▶1

本作の主人公は、ソラ(若い女性)。

彼女は「スカイランド」という異世界の住人である。

しかしゆえあって、いまは私たちの住むこの人間界に滞在中。偶然知り合ったましろ(中2女子)の家の世話になっている。


幼い頃、

・Step1:ソラは凄腕の剣士に命を救ってもらったことがある。その時、彼女は心に誓った「これが本物のヒーロー……私もヒーローになる!!」

・Step2:それ以来、「相手がどんなに強くても、正しいことを最後までやり抜く。それがヒーロー!」「ヒーローは泣いている子供を絶対に見捨てない」など、憧れのあの人に近づくためにすべきことを手帳に書き連ね、トレーニングに励んできた。


ところが第1話終盤、

・Step3:いろいろあって怪物「カバトン」と対峙したソラ。彼女の手帳は、カバトンによって破り捨てられてしまった。

・Step4:その後、ソラは伝説の戦士「キュアスカイ」に変身し、カバトンを退けることに成功した。


で、第2話。

・Step5:またしてもカバトンが登場。ソラは戦いを前に恐怖する。手が震える。敵は強い。対して私はまだまだ未熟だ……。しかし、それでも彼女は人々を守るためにカバトンに立ち向かった。

・Step6:ソラは再びキュアスカイに変身し、カバトンを追い払うことに成功。

・Step7:戦いの後、ましろがソラに新しい手帳をプレゼントした。ソラは遠慮する「プレゼントなんて受け取れませんよ」。するとましろは「ソラちゃんは本物のヒーローだ。だからプレゼントしたい」と微笑んだ


▶2

ご注目いただきたいのは、ソラの手帳である。

まずは、経緯を整理してみよう。

幼い頃に「本物のヒーロー」と出会い、憧れを抱いたソラ。元の手帳には、憧れの人に近づくためにすべきことが書き連ねてあった。それが破り捨てられた。そして新しい手帳を得た。自分を「本物のヒーロー」と呼んでくれる友人からのプレゼントである……!


つまり、

・元の手帳との別れ:「憧れの人を追いかけるだけの時期」が終わったことを象徴している

・新しい手帳との出会い:「まだまだ未熟ながらも、しかしヒーローとなったソラが、彼女ならではの英雄譚を紡ぐ時」がきたことを象徴している

……といえるだろう。


そう、いままさにソラというヒーローの物語が始まったのだ。


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