見出し画像

本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される ~映画「007/美しき獲物たち」の場合

警官「だったら俺はディック・トレーシーだ。お前を逮捕する!」

映画「007/美しき獲物たち」


◆概要

【本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:映画「007/美しき獲物たち」

▶1

本作の主人公はジェームズ・ボンド。

英国秘密情報部のエージェントである。皆さんご存知の通り、コードネームは「007」。


とある任務の最中……

・Step1:警察に逮捕されそうになったボンド。

・Step2:彼は警官に正体を明かした「私はイギリスの諜報部員。名前はボンド、ジェームズ・ボンドだ」(Well, actually, captain, I'm with the British Secret Service. The name is Bond, James Bond.)。

・Step3:警官が訊く「本当に?」。ボンドは頷く「ああ」。

・Step4:しかし……警官はにこりともせずに言った「だったら俺はディック・トレーシーだ。お前を逮捕する!」(And I'm Dick Tracy and you're still under arrest!)。

・Step5:やれやれ、信じてもらえないか。だったら仕方がない。ボンドの華麗な逃走劇が始まった……!


▶2

ご注目いただきたいのはStep4の警官のセリフ、すなわち「だったら俺はディック・トレーシーだ」

はて、ディック・トレーシーとは何者か?

それはマンガに登場する架空の刑事の名前である。

つまり警官は「イギリスの諜報部員だと?へっ、くだらない冗談を言いやがって。お前がイギリスの諜報部員なら、さしづめ俺はディック・トレーシーだよ。ってことで逮捕させてもらうぜ!」と言っているわけであり、これ、「せっかく正体をバラしたのに一切信じてもらえない」というコメディシーンである。


舞台を現代の日本に置き換えるならば、【名探偵コナンが警官に正体を明かす → しかしちっとも信じてもらえず、「お前がコナンだって?けっ!だったら俺は金田一少年だよ。じっちゃんの名にかけてお前を逮捕するぜ!」と鼻で笑われてしまった】なんて風になるだろう。


◆他のアイデアも見る👀

この記事が参加している募集

#とは

57,885件

最後までご覧いただきありがとうございます! 頂戴したサポートはすべてコンテンツ制作に使います!