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「『赤潮のせいで最近は漁業が上手くいっていない』という事実から論理を積み上げ、友人の2週間後の昼食を推理してみせる」というシーンを描く ~アニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」の場合

ユン「最近、赤潮で街の魚はダメだ。皆、肉を食う……『みつよ』は混む……チキンカツは売り切れ……困った俺たちは街をさまよい歩く……明かりが見える……『ブラジル』だ。その頃、『みつよ』の繁栄を妬んだ『ブラジル』は新メニューの開発に勤しんでいるはず……」

アニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」(第1話)




◆概要

【「『赤潮のせいで最近は漁業が上手くいっていない』という事実から論理を積み上げ、友人の2週間後の昼食を推理してみせる」というシーンを描く】は「読者・鑑賞者に好かれるキャラ、共感されるキャラ、応援されるキャラ」を作るためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」(第1話)

▶1

本作の主人公は、ユン(若い男性)。

彼は、一見すると冴えない印象の青年だ。しかしじつはとんでもない頭脳の持ち主である。


ここでは、第1話冒頭の「ユンが友人の侍と雑談するシーン」をご紹介したい。


まずは、

・Step1:ユンが言った「2週間後の昼飯を推理してみせよう」

・Step2:対する侍は「大体予想がつくだろ。『みつよ』でわらじカツだよ」。そんなの推理するまでもないさという口ぶりである。

・Step3:ところがユンは「『ブラジル』で新メニュー」

・Step4:侍は呆れる。「ブラジル」の定食セットといえばユンの好物なのだ。「そりゃ推理ではなくてお前の好みだろ……」というわけだ。


だが、

・Step5:ユンは言った「赤潮さ」

・Step6:侍はまだピンと来ていない「ん?」。

・Step7:ユンが説明する。曰く「最近、赤潮で街の魚はダメだ。皆、肉を食う……『みつよ』は混む……チキンカツは売り切れ……困った俺たちは街をさまよい歩く……明かりが見える……『ブラジル』だ。その頃、『みつよ』の繁栄を妬んだ『ブラジル』は新メニューの開発に勤しんでいるはず……」


▶2

昨今の街の状況から論理を積み上げ、友人の2週間後の昼食を推理してみせる――この推理力である。


「おー、すごい!」「こいつは賢そうだ!」と感じ、一発でユンに好意を抱いた鑑賞者は少なくないだろう。

何しろ私たちは、シャーロック・ホームズにしろ江戸川コナンにしろ、あるいは夜神月にしろLにしろ、ずば抜けた推理力を持つキャラに惹きつけられるものだから。


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