「A、B、C」と列挙する→重要なものを最後にしれっと付け加える　～ドラマ「コミンスキー・メソッド」の場合

サンディ「（EDの薬を使っているのかとリサに訊かれて）いやいや、薬なんか使ってないよ！――コレステロールの薬20mg、アレルギー薬10mg、排尿改善剤0.5mg、鎮痛剤3g、アスピリン1錠、それから左右のむこうずねにかゆみ止めを塗っていることを除けばね」
↓
リサ「（笑って）すごい量ね」
サンディ「まだ終わりじゃない」「オメガ3脂肪酸、カルシウム、ビタミンA、C、D、E、B12、メラトニン、コエンザイムQ10、マグネシウム、カリウム、それに液体グルコサミンもだ」
↓
リサ「それで全部？」
サンディ「……あっ、1つ忘れた。EDの薬もだ」

ドラマ「コミンスキー・メソッド」（第5話）

◆概要

【「A、B、C」と列挙する→重要なものを最後にしれっと付け加える】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：ドラマ「コミンスキー・メソッド」（第5話）

▶1

本作の主人公はサンディ（70代半ばの男性）。

彼には、恋人がいる。リサ（50代半ばの女性）だ。

いろいろあってある日、

・Step1：ついにベッドインした2人。

・Step2：そして性交後、ピロートークをしていた時のことだ。

・Step3：リサはちょっと言いづらそうな感じで、「ねぇ。あなたの努力をけなすつもりはないんだけれど……上手くいったのは何か……薬のおかげなの？」。

・Step4：上述の通り、サンディは70代半ば。自力では勃起するのが難しいという人も少なくない年齢だ。というわけでリサは「あなたは立派に勃起していたけれど、やっぱりEDの薬を使っているわけ？」と尋ねたのである。

リサの質問に対して、

・Step5：サンディは言った「いやいや、薬なんか使ってないよ！――コレステロールの薬20mg、アレルギー薬10mg、排尿改善剤0.5mg、鎮痛剤3g、アスピリン1錠、それから左右のむこうずねにかゆみ止めを塗っていることを除けばね」。

・Step6：リサが笑う「すごい量ね」。

・Step7：サンディは続けた「まだ終わりじゃない」「オメガ3脂肪酸、カルシウム、ビタミンA、C、D、E、B12、メラトニン、コエンザイムQ10、マグネシウム、カリウム、それに液体グルコサミンもだ」。

・Step8：リサが訊く「それで全部？」。

・Step9：サンディは言った「ああ。……あっ、1つ忘れた。EDの薬もだ」。

・Step10：その言葉に2人は大爆笑。まったくもってラブラブのカップルであった。

▶2

初めての性交後、「EDの薬を使っているの？」と訊かれたサンディ。

彼は「いやいや、薬なんか使ってないよ！――コレステロールの薬20mg、アレルギー薬10mg、排尿改善剤0.5mg、鎮痛剤3g、アスピリン1錠、それから左右のむこうずねにかゆみ止めを塗っていることを除けばね」「オメガ3脂肪酸、カルシウム、ビタミンA、C、D、E、B12、メラトニン、コエンザイムQ10、マグネシウム、カリウム、それに液体グルコサミンもだ」とさんざん薬の名前を列挙した後で、しれっと付け加えた「……あっ、1つ忘れた。EDの薬もだ」。

「結局EDの薬を使っていたのかよ！（笑）」「最後にしれっと付け足すな！（笑）」「前置きが長い！（笑）」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。

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