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本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される ~ドラマ「シングル・アゲイン」の場合

同僚「なんか怪しいな……。まさかここ、欠陥住宅なのか!?騒音?ネズミ?それとも悪臭?いまの内に教えておいてくれよ」

ドラマ「シングル・アゲイン」(第2話)


◆概要

【本当のことを言っているのに、嘘や言い訳、遠慮だと誤解される】は「コメディシーン、ギャグ」に関するアイデア。


◆事例研究

◇事例:ドラマ「シングル・アゲイン」(第2話)

▶1

本作の主人公はマイケル(40代後半の男性)。

彼は、コリンという素敵な恋人と長年同棲していた。

ところがつい最近、マイケルはふいに別れを切り出された!まさに青天の霹靂である。彼は呆然とする。必死にコリンを説得する。だがダメだ。復縁は絶望的である


さて。

・Step1:マイケルは、ニューヨークの不動産業界で働いている。扱っているのはもっぱら高級物件。お客は金持ちばかりだ。

・Step2:ある日、お客の内見に同行したマイケル。彼は同僚に囁いた「ここは200万ドル以下では売らないぞ。先月190万ドルで買いたいという人がいたが断ったばかりなんだ」。

・Step3:しかし……その日のお客は仲睦まじいカップルだった。いまは別々に住んでいるが同棲を検討しており、新居を探しているのだという。そんな2人を見ている内に、マイケルはコリンと同棲し始めたばかりの頃を思い出した。嗚呼、あの素晴らしい日々よ!

・Step4:かくして、マイケルは同僚に微笑みかけた「いい人たちだな。よし、買ってもらえるようにうまく取り計らってくれ」。値引きしても構わないという意味だ。

・Step5:すると同僚は急に真顔になった。そして言った「なんか怪しいな……。まさかここ、欠陥住宅なのか!?騒音?ネズミ?それとも悪臭?いまの内に教えておいてくれよ」

・Step6:マイケルは首を横に振った「欠陥なんてないよ。恋する2人を応援したいだけさ」。

・Step7:同僚はじっとマイケルを見つめる。そして、「こいつ頭がおかしくなったんじゃねぇか?」という感じでゆっくりと後ずさっていった


▶2

傷心のマイケル。彼は仲睦まじいカップルを見て、祝福してやりたいと考えた。ゆえに「値引きしてもいいから売ってあげてくれ」と同僚に言った。ところが……同僚は信じない!「まさか欠陥住宅なのか!?」と疑ったり、「頭がおかしくなったんじゃねぇか?」と訝しんだりするばかりである。


「生き馬の目を抜く不動産業界だからね、そりゃ『値引きも可』『恋する2人を応援したい』なぞと甘いことを言ったら何か裏があるに違いないと疑われるのも無理ないけどさ。しかしそれにしても、せっかく穏やかな気持ちになって値引きを許可したのにまったく信じてもらえないマイケルって(笑)」「マイケルはセンチメンタルな気持ちになって値引きを許可したというのに……同僚のせいでぶち壊しだ(笑)」と思わず噴き出してしまった鑑賞者は少なくないだろう。


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