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「仲間に導かれて音楽を始めたキャラA→一度は音楽から離れるが、再び仲間に導かれて音楽の世界に戻ってきた→その後、所属するバンドが解散の危機に瀕した時、今度はA自身が主体的に行動し始めた」という変化によって、Aが人間的な成長を遂げたことを暗示する ~アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合

祥子「(燈のポエムを見て)これ、あなたが書いたんですの?」「燈さん、私とバンドを組んでくださらない?」

愛音「(かつて組んでいたバンドが解散してしまったと聞いて)そっかぁ。それは辛いなぁ」「でも、またダメにならないように頑張ればよくない?」「今度は奇跡的にメチャクチャいいメンバーに出会えるかもしれないし!」

初華「(燈のポエムを見て)歌って伝わる気がするよね。上手に言えないことも……言葉以上に、気持ちが」「伝わるといいね。フフッ」

アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第3、1、10話)




◆概要

【「仲間に導かれて音楽を始めたキャラA→一度は音楽から離れるが、再び仲間に導かれて音楽の世界に戻ってきた→その後、所属するバンドが解散の危機に瀕した時、今度はA自身が主体的に行動し始めた」という変化によって、Aが人間的な成長を遂げたことを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第1-10話)

▶1

本作の主人公は、燈(「ともり」と読む、中3~高1の少女)。

彼女は、かなり独特の感性の持ち主だ。

そしてそれゆえに、人と上手く付き合えない、上手くコミュニケーションを取れないという悩みを抱えていた。彼女のノートには「みんなといるのに独りみたいな」「同じものを見ているはずなのに」「人間になりたい」といった声にならない叫びが書き連ねられていた……。


作中、

・Step1:燈は素敵な人物との出会いをきっかけとして作詞家としての才能、歌手としての才能を開花させていく。


まずは中学時代。

・Step2:燈は、ひょんなことから祥子という少女に出会った

・Step3:祥子は、燈の中に眠る才能にすぐに気がついた。かくして友人を呼び集め、バンドを結成。燈を作詞家およびボーカルに指名した。――つまり燈は、祥子に導かれて音楽の世界に入ったわけだ。


ところがその後いろいろあって、

・Step4:バンドは解散に至る。がっくり落ち込む燈……。

・Step5:だが高校入学後、燈は愛音という少女に出会った

・Step6:そして今度は愛音が仲間を集め、新バンドを結成した。――つまり燈は、愛音に導かれて音楽の世界に戻ったわけだ。


だがまたもやいろいろあって、

・Step7:新バンドも解散の危機に瀕した。絶望する燈……。

・Step8:そんな時、彼女は初華という少女と出会った

・Step9:じつは初華はプロのミュージシャン。燈のポエムを見て激励の言葉をかけてくれた。

・Step10:そしてこれをきっかけとして、燈は動き始める。落ち込んでいる場合ではない!新バンドは解散させない!どうにかしてまた皆で音楽をやるんだ!私が何とかする!


▶2

ご注目いただきたいのは、Step3、6、9-10である。

・Step3では:燈は、祥子に導かれて音楽の世界に入った

・Step6では:燈は、愛音に導かれて音楽の世界に戻った

・Step9-10では:燈は初華の激励をきっかけとして、自ら動き始めた


「素敵な人物との出会いがあった」という点は、いずれにも共通している。しかしStep3と6の燈があくまでも受動的であったのに対して、Step9-10の彼女は極めて能動的・主体的。初華との出会いはきっかけにすぎない。動くのは燈自身なのだ。

燈が人間的に成長していることが読み取れるだろう。


つまり、【「仲間に導かれて音楽を始めたキャラA→一度は音楽から離れるが、再び仲間に導かれて音楽の世界に戻ってきた→その後、所属するバンドが解散の危機に瀕した時、今度はA自身が主体的に行動し始めた」という変化によって、Aが人間的な成長を遂げたことを暗示する】というテクニックである。


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