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「皆から『野良猫』と呼ばれる気まぐれな少女A→そんなAにも素晴らしい仲間ができた→ある日、Aが野良猫を撫でていた時のことだ。Aのスマホが鳴った。仲間からの連絡だ→野良猫は着信音に驚き、逃げていった。一方、Aは仲間のもとに向かった」というシーンを通じて、Aがもう「野良猫」ではないこと、いまのAには「居場所」があることを暗示する ~アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合

スマホの着信音「ピンポン♪」
野良猫が逃げていく「ニャー!」
楽奈「あっ……」

アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第11話)




◆概要

【「皆から『野良猫』と呼ばれる気まぐれな少女A→そんなAにも素晴らしい仲間ができた→ある日、Aが野良猫を撫でていた時のことだ。Aのスマホが鳴った。仲間からの連絡だ→野良猫は着信音に驚き、逃げていった。一方、Aは仲間のもとに向かった」というシーンを通じて、Aがもう「野良猫」ではないこと、いまのAには「居場所」があることを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」(第11話)

▶1

本作の主要キャラの1人・楽奈(「らーな」と読む、中3女子)。

彼女は、「MyGO!!!!!」というガールズバンドの一員である。


楽奈のニックネームは「野良猫」だ。

なぜそんなニックネームが付いたのか?ずばり、猫のように自由で気まぐれな性格をしているからだ。

・例1:大好物の抹茶パフェをカフェで食い、支払いは連れに任せてさっさと帰ってしまう

・例2:出演予定もないのにライブハウスのバックヤードに現れて、出演者用の軽食を勝手に摘まむ

・例3:楽奈は天才的な音楽センスの持ち主である。ゆえに、たくさんのガールズバンドに所属してきた。しかし「つまんねー女ばっか」と言って加入と脱退を繰り返す

・例4:「MyGO!!!!!」に加入してからも、ほとんどまったく連絡が取れない、練習に来るかどうかもわからない、それにも関わらずライブをやりたがる、かと思いきやライブ直前になって姿を消すなどやりたい放題だ


だが第7話と第10話のライブを通じて、楽奈は「MyGO!!!!!」こそが自分の居場所、一生を捧げるに値する居場所だと確信する


で、第11話中盤にこんなシーンがある。

・Step1:自宅前で、猫(おそらくは野良猫)を撫でる楽奈

・Step2:間もなく、楽奈のスマホが鳴った

・Step3:その音に驚き、野良猫は逃げていった

・Step4:一方、楽奈はスマホのディスプレイを見る。「MyGO!!!!!」のメンバーからの連絡だった。そうそう、次のライブに向けて集まることになっているのだった。かくして楽奈は仲間のもとに歩いて行った。


▶2

ご注目いただきたいのはStep3と4である。

どこかに逃げていった野良猫。一方、仲間のもとに向かう楽奈――そう、いまの楽奈はもう野良猫ではない。彼女には立派な「居場所」があるのだから。


つまりは、【「皆から『野良猫』と呼ばれる気まぐれな少女A→そんなAにも素晴らしい仲間ができた→ある日、Aが野良猫を撫でていた時のことだ。Aのスマホが鳴った。仲間からの連絡だ→野良猫は着信音に驚き、逃げていった。一方、Aは仲間のもとに向かった」というシーンを通じて、Aがもう「野良猫」ではないこと、いまのAには「居場所」があることを暗示する】というテクニックである。


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