おぼこ

年に1回だけ、その年の展覧会レビューを投稿するのはけっこう続いているのだけど…。なかな…

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年に1回だけ、その年の展覧会レビューを投稿するのはけっこう続いているのだけど…。なかなか言葉にするのが苦手。

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  • 今年のBEST展覧会

    年に1回更新するその年のベスト展示振り返り

最近の記事

冬の瀬戸内アート巡り

 念願の高松からのはじめての!!直島と豊島3泊4日、旅の記録と感じた事、など。ずっと下書きのまま1年が経っていた。旅のとき感じた感覚はだいぶ薄れてしまっていることに気づく。勿体ない。  高松で見たものも、書きたいことはたくさんあったのだけれど、ひとまず書けていた分だけ、とりあえず、公開する。  普段海岸から遠いから、毎日海沿いを歩き海が見えるだけですごい贅沢な休日に感じた。真ん中1泊は直島に泊まったが、早朝のだんだん明るくなる静かな海は最高だった。  直島はベネッセ王国と

    • 2023 楽しかった展示

      1.中村裕太 + ユアサエボシ 「耽奇展覧」@ギャラリー小柳  古書画や古器財を持ち寄る好古・好事の者の会合「耽奇会」(たんきかい)は、収集大好き物質主義者の私にとっては、心躍るテーマだった。まさに、オブジェが主題の展覧会だ。関連イベントで実際に開催された現代の「耽奇会」の様子もwebアーカイブされているが、本当におもしろい。  中村さんはユクスキュルの著書を軸に、動物的な視点を反映したオブジェの制作した、ということで可愛らしい作品が並んでいた。各作品の参照文献も一体となった

      • 2022年 心に残った展示

         今年のよかった5つの企画展。たぶん開催順になっている。 1.「拡散距離/コンヴァートの作法/可変太陽」@ MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY 平田尚也、藤倉麻子、松田ハルと3人の現実空間と仮想空間を往復する3人の推し作家を紹介していたグループ展で、個人的な好みでしかないが、まさにこの3人といううれしい組み合わせだった。CG仮想空間の作品といえば谷口暁彦さんや山内祥太さんも好みだが、同じように物語性があって、それぞれ違う物語性があって、この3人か

        • 2021年 心に残った展示

           2021年けっこう長かったなぁ。今年は地方のアートプロジェクトが盛り上がってるけど行けない、展示の予約が取れない、演劇チケット取れず見に行けないなど…が続いたけれど、都内企画もいろいろあり、新しいギャラリーも増えたような、活気ある1年だったような気もした。今年はよかった5つの企画展を。 1. 妄想山展 @DIGINNER GALLERY 伊藤佳美さんの絵画作品、原藍子さんの刺繍作品、野田沙織さんの木彫作品という3人展。3人とも山が好きで登山するという共通点で、山の作品が

        冬の瀬戸内アート巡り

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        • 今年のBEST展覧会
          9本

        記事

          2020年 圧倒的な作品体験を求めて

          今年は新型コロナ感染症の流行による世界的に混乱の1年でした。本当に昨年2019年末にこのベスト展覧会を書いてた頃には全く想像したいなかった様々な暮らしと社会の変化…。今日明日で何が起こるか、なんて、わからない。そんな中で、大きく変わることなく生活できたのは本当に幸運なこと。美術館やギャラリーにもそれなりに行けたけれど、やはり実際にその場所に行って、その空間を感じ取れた展示が印象に残っている。 1. 鴻池朋子「ちゅうがえり」ジャムセッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 @

          2020年 圧倒的な作品体験を求めて

          ステレオタイプと差別(2)

          ステレオタイプと差別(1)のつづき。 映画やドラマを楽しむ中で「共感」という要素がありますよね。 例えば、私の場合、結婚できない30代女性という登場人物の行動や感情に共感したりする。同じように、様々な人がステレオタイプ化されて描かれるのではなく、当事者に共感される「自分と似たような」登場人物である場合、確かにメディアにおけるマイノリティの表象は大きな意味がある。その立場じゃない人にとっての知る・考えるきっかけでもある。 今回は、ちょっと前から書きたかった最近見たものの中で

          ステレオタイプと差別(2)

          ステレオタイプと差別(1)

          フランス人のスタンドアップ芸人Faryがあるインタビューでとても印象的なことを言っていた。彼のコントは、移民2世(国籍はフランス)として、祖国フランスに対して抱く複雑な気持ちが本当にうまく表現されている。 Fary - Moonwalk 訳≫ この作品では、「アイデンティティ」を主題の1つにしたかった。もうすでにやり尽くされたテーマだと言われたり、ありきたりな主題すぎると言われたりする。 でも、未だに、日常の中で起きている限りそれは主題(ネタ)になる。アイデンティティとか、

          ステレオタイプと差別(1)

          高校「工芸」という科目の危機?

          高校の教科「芸術」は多くの場合、1年生入学時に「音楽・書道・美術・工芸」の中から1つ選択する。1科目選択して1年間学ぶことが学習指導要領で決められている。しかし、文理選択などの関係で、これも多くの場合、進路希望の関係で2年以降も芸術を学ぶ人はぐっと減る。 私自身高校生のころ、芸術が選択性であったことも、2年生以降芸術の授業がなくなることもとても悲しかった記憶があるが、みなさんはどうなのだろうか…。 さて、本日の本題は、芸術は1科目選択するのだが、そもそも選択できるものが学校

          高校「工芸」という科目の危機?

          2019年のベスト展覧会というより、注目したい作家など

          今年行った展覧会を見返してみたら、企画展をあまり見に行っておらず…どちらかというとずっと追いかけている好きな作家さんや気になる作家さんの展示に行く機会が多かったので、今年のベストは大小共に個展が多い。 でも、社会的には、「企画」される展示に多くの注目が集まった1年でもあっただろう。瀬戸内トリエンナーレ2019は開催ごとに知名度を上げ、今年は、New York TimesやVogueのような海外メディアで訪れるべき世界の場所2019特集で取り上げられていて、観光産業的な視点で

          2019年のベスト展覧会というより、注目したい作家など

          2018年展覧会ベスト5(行けなかったのも…)

          ((旧ブログから移設した記事です)) 今年は、行きたかったぁぁぁ、けど行けなかった展覧会が2つもベスト5に入っているのですが……レビューとか写真見ると、もう確実に楽しそう、だったのです。今年は異動しまして、ちょっと職場の様子見をしていたら、なかなか遠出ができなかったのです。残念無念!! ということで、1から5は順位とかではなく、順不同です。 1.「1940’sフジタ・トリビュート」と「没後50年 藤田嗣治」展のセット 東京藝術大学大学美術館 陳列館と都美術館 私が高校生くら

          2018年展覧会ベスト5(行けなかったのも…)

          2017年 愛でた展示

          ((旧ブログから移設した記事です)) 行ってエネルギーをもらった企画展示を5つ。その他、楽しかった個展もたくさんあったのですが、それはまた今度。 1.三沢厚彦 『アニマルハウス謎の館』 渋谷区松濤美術館 10月7日~11月26日 愛らしい木彫彫刻のANIMALSシリーズで有名な三沢さんが家主(?)役で、“客人”として船越桂・小林正人・杉戸洋・浅田政志が参加するというコンセプトの企画展。松濤美術館は特に2階はソファーがあって、邸宅のような感じだが、そこに各作家の作品とそれぞれ

          2017年 愛でた展示

          2016年 愛でた展示

          ((旧ブログから移設した記事です)) 2年ぶりです。 よかったとか、気になったではなく「愛でた」展示です。でも、基本的に行ってよくなかったとかいう展示なんてほとんどないので、「最も愛でた展示」ですね。5個選んでみました。今年はいろんなタイプの展示を見たな、という気がしています。見せ方って本当にたくさんあるんだな、と。 1.村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで― 2016年 1月30日- 2016年4月3日 横浜美術館 これ、もう去年の展示

          2016年 愛でた展示

          2014年の気になった展示

          ((旧ブログから移設した記事です)) 今年からフルタイムでお仕事を始めました。 自由に展覧会に行けなくなるかなぁ…とも思ったのですが、 「行けない!」ではなく「行く!」ものだと欲望に忠実に過ごしました。 作品を通した世の中の切り取り方、作品を通した人の考え方を 新鮮な気持ちでたくさん吸収して、仕事にも活かしたいと考える日々です。 今年も5展示ほど。順位などはつけず、開催時期順です。 THE EXPOSED #7 1月11日 ー 2月28日 @東雲TOLOT g3/

          2014年の気になった展示