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【週末投稿】つれづれ有用植物#207(ムクロジ科トチノキ属:トチノキ)

皆さまは、トチノキと聞いて何を思い浮かぶでしょうか。
最近は身近な所から、トチノキが無くなっています。可愛らしい実を採った経験のある人も少なくなってきたのではないでしょうか。

東日本を中心に分布し、特に東北地方に顕著に見られる様です。
山地の沢沿いなどに生えて、水気を好み適度に湿気のある肥沃な土壌で育ちます。

【トチノキの実】

花はミツバチが好んで吸蜜に訪れ、養蜂の蜜源植物としても知られています。

【トチノキの花】
【ベニバナトチノキ】

トチノキは幹がまっすぐ育ち若干の不要な枝を剪定する程度なので、ほとんど手間をかけずに育つ木として知られます。
落葉広葉樹林の構成種の一つで、都市部では街路樹にされる事があります。日本の山村地域の暮らしを支えた重要な樹種でした。

比較的軽い木材で、簡単に加工できるため、臼やこね鉢、家具や彫刻などを製造するのに使いやすい木材です。赤・黄金・白など、さまざまな色合いを見せ、美しく個性豊かな杢目を楽しめることもあり、一枚板のテーブルなど家具材として愛されてきました。

実はサポニンを含むため、そのままでは渋くて食べられません。
しかし、食用として栃煎餅や栃餅などの食料に利用されてきました。縄文時代には主食としても食べられていたそうです。

また薬用にしたり、含有するサポニンによって洗剤としての利用も行われたそうです。植栽樹として街路樹に用いられたり、蜜源植物として利用されています。

絵本の「もちもちの木」が「トチノキ」がモデルになっているそうです。
幼い豆太とやさしいじさまの心温まる物語です。
ここにも、「秋になると実をつけ、実を粉にしておもちにするとほっぺたが落ちるほどおいしい」と記載があります。

【絵本 モチモチの木、表紙】
【絵本 もちもちの木 より】

ただし灰汁を抜くには手間暇がかかります。栃もちは各家庭のノウハウが伝承されており、栃もちを作る企業はあく抜き方法などは企業秘密にもなっています。

【栃もち】

■つるおか伝統菓子とちもち(約12分)
鶴岡の食文化魅力発信!鶴岡食文化創造都市推進協議会 様

■津南の栃モチづくり(約20分弱)
農と縄文の体験実習館なじょもん 様

■参考
栃の実の保存とアク抜きの方法餅つき機で餅を作るためのサイト 様)
NHK for School  とちもち


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