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【週末投稿】四季がある日本のバナナ #31(露地越冬と室内退避の準備)

秋になると台風シーズンである。そして気温が下がってくるとバナナ葉の下葉の黄変が気になってくる。露地越冬するバナナはあまり手がかからないが、耐寒性の低いバナナや今後露地越冬を考えている品種をお持ちの方は、徐々に厳しい環境に慣らしながら品種の性質が自分の環境に適応できるのか見極めて行く必要がある。

温室などバナナにやさしい環境を持っていない本州のバナナ愛好家は、工夫一筋で越冬を乗り越えなければならない。沖縄、小笠原諸島のように放置栽培でもバナナがゲットできる環境とは雲泥の差なのである。
それでは、家やベランダ越冬をするバナナについて考察してゆきたいと思う。露地越冬、ベランダ越冬予定バナナは次回に回そうと思う。

■耐寒性が無いと思われるバナナの越冬に向けて、
鉢上げする

一般的にバナナは耐寒性が無い。そのため本州でバナナ栽培をする方は、温室など冬でも最低気温が10度以上(理想は18度以上くらい)キープできる環境ができなければ、家に取り込むなどの工夫をしなければ秋から冬に確実に枯れてしまう。特に三尺バナナや島バナナ、モンキーバナナなど国内通販やホームセンターで入手できるバナナ株は残念ながらは耐寒性がない。

四季のある日本のバナナは春から秋口まで、それなりにグングン成長できる時期があるため、「このままでもうまくいくのではないか」という「おごり」から越冬に失敗してしまう例が絶えない。秋に入って下葉が黄色くなる前に、早めに鉢上げして室内に取り込む準備をする事をお勧めしたい。

まずはできるだけ株周辺の遠い所からショベル等で掘り上げる事で、出来るだけ根を切らない様にそっと掘り上げて鉢上げしよう。家内越冬環境では、冬の間は根の発達は少ないので、鉢面積の事も考えて比較的株に対して小さめの鉢で良い。できれば天気予報を見て1週間ほど曇りが続く日を選んで掘り上げると良いが、難しい場合は堀上後に2週間ほど陰で退避出来る所に移動して養生させるのが良い。

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堀上時期より早いタイミングでも、台風が通過してバナナ株が斜めになったり、倒れたタイミングで鉢上げして良いと思う。これ以上バナナにストレスを掛けたくないからである。

いくら丁寧に掘り上げたとしても、根のダメージはそれなりに発生するため鉢上げ後の根は弱っている傾向が強い。鉢上げ後は十分に土壌から水分を吸い上げる事が出来なくなっている。株が弱らない様に葉からの水分蒸散を少なくする為に葉を半分カットする事もある。すべては鉢上げ後に配置する環境によって判断すべき事である。

気温にもよるが、おおよそ鉢上げして2週間くらいで株は回復してくる。理想は家に取り込む時期に到達する前に、鉢上げが出来ており多少の成長が確認できる状態が好ましい。一度鉢上げすれば、台風が接近しても株を退避できるので安心でもある。

家に取り込む時期は次回以降で話をしようと思う。
どのように家で越冬させるかによって違ってくる。


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