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【週末投稿】四季がある日本のバナナ #13(強風に逆らえない運命)

バナナの葉は、大きな葉で太陽の光を効率よく受け取ることが出来る。しかし巨大な葉ゆえに、突風をまともに受けるとその力はバナナ株を倒してしまう程になる。もともとバナナの根は地中深く伸ばさず、広く浅く根を張る事も強風に弱い原因でもある。

日本における台風の経路は、不思議なくらい日本列島に被害を与えたいような経路でカーブしながら通過する。日本ではバナナを経済栽培していないので、国を挙げて害虫対策同様に台風対策を生産者に指導していない。

海外の生産地でも台風の被害はある。2012年の12月に、フィリピンのミンダナオ島に台風が直撃し、バナナ生産の1/4に相当する被害が出たそうだし、2013年7月には、中国広東省西南部に台風が直撃しこちらも大きな被害が出た。

私は関東のマンションでバナナ栽培を楽しんでいるのだが、春や季節に合わないまさかの突風、台風には悩まされる。

これが、四季がある日本のバナナの現状である。広い畑でバナナを栽培されている場合は、もっとひどい景観になるであろう。

写真をご覧いただくと、露地植えのバナナは傾いたり、倒れているが、鉢栽培は倒れているが、株自体の被害は殆ど無い事がお判りだと思う。もっとひどい場合は仮茎がボキッと折れてしまう事も発生する。

そのため、しっかりとした支え棒などが設置できない場合は、葉柄をカットして仮茎だけの丸坊主にして風の当たる面積を少なくする方や、一時的に鉢上げして台風が来る前にその鉢を倒す事で強風をかわしたり、ベランダへ移動して風から逃れる方法など採っている。

しっかりとした支え棒などの対策は一度行えば、突発的な強風がいつやってきても問題ないが、それ以外の方法ではゲリラ的にバナナが襲われてしまうのである。

日本の場合、バナナを通年路地で越冬できる耐寒性がある品種は多くなく、耐寒性が無い品種を育てたい愛好家は、しっかりとした温室を作るか、秋に鉢上げして家に取り込むなどの工夫が必要である。
この場合、多少仮茎が秋の取り込み時より細くなる傾向があり、外気に慣らしたあとであっても、春の突風で意表を突いて折れてしまうリスクが高まる。

このように被害を被ったバナナは、ここから新たに折れた元付近から新たな芽を出す事になるので、成長スタートがさらに遅れてしまう事になる。

私の場合は、季節になると実験も含めてたくさんのバナナ苗を育てるので、その全てにしっかりとした支え棒で対策をとるのは、資材や保管する場所の問題があり現実的ではない。あくまでも簡易的にリスク承知で栽培している。

私の場合は、露地植えバナナが毎年収穫できる貴重な株なので、矢印のように紐で仮茎が倒れないようにしている。これはこの環境に適した方法であり、全ての環境で採用できる方法ではない。ここはマンション風があり、一方向にしか強風が発生しないため、このような安易な方法で台風やそれ以外の突風でも株が倒れずにやり過ごせるのである。

このように、四季のある日本で費用をかけずにホビーレベルでバナナを栽培する場合は、その栽培する土地の風向き傾向、最低気温の動向を研究しながら把握してゆく必要がある。

最低気温は同じ土地でも見晴らしの良い広い場所より、風が滞りそうな場所を調べると、意外と霜が降りない所がある可能性がある。そこが露地越冬可能な穴場となる事がある。私の場合はベランダそばの壁がそれに該当する。ここから道路側に離れたところだとバナナの越冬が出来ないという事実がある。



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