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【週末投稿】つれづれ有用植物#244(アブラナ科アブラナ属:セイヨウカラシナ)

アブラナ科は非常に交雑がしやすく、非常に多種多用な野菜が出来ました。
今回はその中でも、辛みに特化したカラシナについてご紹介したいと思います。

私たちの食文化においてアブラナ科の植物は古くから多くの人たちに利用されてきました。食材として親しまれているカブ、ハクサイ、小松菜、チンゲンサイ、ミズナや、油をとるために栽培されてきたアブラナは、アブラナ属ラパ種の変種です。

そして辛みを楽しむセイヨウカラシナは、アブラナ属セイヨウカラシナ種になります。

食文化としては、和カラシ、洋カラシ、マスタードの違いを確認しておきましょう。カラシナに対する思い入れが強くなるかもです。

【種のツブツブ食感を残した 粒マスタード】

★和カラシ
オリエンタル・マスタードの種子の粉末が原料で、粉末のままか水や塩を加えて練った製品です。強く刺すような辛みと鼻にツンと抜けるような香りがあります。

★洋カラシ
ホワイトマスタードの種子の粉末が原料です。水や塩を加えて練った製品です。和ガラシと比べると優しい辛みです。アブラナ科シロガラシ属

★マスタード
ホワイトマスタード、またはブラウンマスタードの種をすりつぶし、水や塩だけではなく、酢やワインビネガーやクエン酸を添加して作ります。
アメリカ産は、砂糖を加えたものやターメリック等で色素や香料を添加したものがあります。

まぁ、厳格に定義すると上記の様になるのですが、今ではいろいろ添加されているものも多く、曖昧になっているものが多いかもしれません。
各種のハーブやスパイスを配合した独特のマスタードが、世界各地に多数存在しています。

【ハニーマスタード】
【バジルマスタード】

セイヨウカラシナという種にもさまざまな変種が存在し、利用されています。また「カラシ」と名が付くものでも属が違うものもあります。

・セイヨウカラシナ(Brassica juncea)アブラナ科アブラナ属
セイヨウカラシナの一種でブラウンマスタードがあります。

・カラシナ(Brassica juncea var. cernua)アブラナ科アブラナ属
葉や種子に特有の辛味があり、葉菜として食用にするもの、香辛料や油を採るものに分けられるます。オリエンタルマスタードとも呼ばれます。
他に葉に切れ込みがあるカラシナの一種で、さっぱりした辛味があるワサビ菜などの変種が多数あります。

・シロガラシ(Sinapis alba)アブラナ科シロガラシ属
種子をマスタードの原料とするほか、野菜ないしはハーブとしても利用されます。種子は白芥子(ハクガイシ)と呼ばれ、他のカラシ種子と同様に、健胃、去痰、鎮咳の漢方薬として用いられるそうです。
珍味として食されることもあります。

【シロガラシ】

・クロガラシ(Brasicsa nigra)アブラナ科アブラナ属
先史時代の遺跡からも発見されており、香辛料としての歴史はシロガラシより古く3000年前からとも言われています。種子を香辛料として利用するほか、野菜またはハーブとして利用されます。葉は大きいのですが、カラシナやシロガラシと違い毒性があり食用に適しません。風味はシロガラシよりも鼻に抜けるような辛み感が強く、ピクルス液やインド料理ではマスタードオイルやギーの風味付けとして用いられている。しかし草丈が高く種子が落ちやすいため機械収穫に向かないことも工業化できない一因となっており現在ではほとんど利用されていない様です。

【クロガラシ】
【マスタードオイル】

河川敷などで春に黄色い花を咲かせるいわゆる菜の花には、アブラナ科の植物のセイヨウカラシナとセイヨウアブラナの2種類を良く見かけます。
荒れ地でもどんどん勢力を広げるこの2種。身近で種を収穫して楽しむ事ができます。
アブラナは葉が茎に回り込んでいる特徴があり、セイヨウカラシナはそれが無いので簡単に見分けられる事ができます。

■河川敷に生えているセイヨウカラシナの種子でマスタードを作ってみた(8分弱)

KENTANTAI 健啖隊 けんたんたい 様

■参考
河川敷に自生する雑草セイヨウカラシナの種子でマスタードを作ってみた 採取方法と作り方を詳しく紹介
健啖隊 様


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