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【週末投稿】つれづれ有用植物#192(ゴマノハグサ科モウズイカ属:ビロードモウズイカ)

肉厚の葉で全株に灰白色の綿毛が密生するのでふわふわした外見です。
年を越してからは一気に背が高くなって、黄色い花を咲かせ二年草です。
ヨーロッパ原産で、ヨーロッパ全域、ヒマラヤ、アジア、北米、アフリカ北部に広く分布して、やや乾性の草地・道端・砂地などの未開地などに見られます。日本には明治時代に持ち込まれたそうです。

発芽した年は、ロゼット状で冬を越します。

そしてその後初夏頃に、穂を一気に成長させて花を咲かせます。

関東ではなかなかお目にかからない植物ですが、東北や北海道では結構普通にみられると思います。
PinguBanana は小学生3年から高校までは北海道で暮らしていたので、良く見かけた植物さんです。

種子は10年以上、長いときは100年間も発芽能力を保つことが出来るそうです。一つの果実には700個程の種子を含有するので一株でその数は数万個になります。それらが発芽能力を秘めた埋土種子として土壌中に保存され、何かのきっかけで発芽条件が揃うと、芽生えてくる戦略を持っています。

さて、この植物の有用性は薬草として広範に利用されている所でしょう。
ハーブ(マレイン、マーレインと呼ばれます)としても利用されていますが、有毒植物のため食べる事は避けた方が良いでしょう。

■薬草として
花や葉は鎮静・収斂・鎮咳作用があって、風邪やぜんそく、慢性的な咳などの症状を和らげるそうです。ニワタバコ・アイヌタバコという別名があり、
原産地北米の先住民族は、葉をタバコのようにして吸引し,喘息や痙攣性の咳の治療に用いていたそうです。

気管支疾患や喘息には花25gを沸騰した水か牛乳1 Lに入れて、使用前に漉して1日カップ3杯を食間に飲むと良いとされています。

伝染性の皮膚病や炎症には葉を潰して湿布します。
打撲傷・関節痛・痔疾には花や葉に2倍量のオリーブオイルに入れて、2週間放置後にろ過したものを患部に塗布すると良いそうですよ。ドイツでは花をオリーブオイルに浸してできた不揮発油を耳炎や痔に使っているそうです。

日本では、乾燥させたものをドライハーブとして購入する事ができます。



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