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詩集 濃い 恋 来い

まだ見ぬ愛する人よ

ひとりは
何をするにも
気ままで自由だ

ひとりには
ひとりの
充実感もある

だが
ひとりでいると
ときに
孤独に耐えられなくなることがある

隣にいてくれる
人がいてくれたら
どんなに
満たされることだろう

そんな事を
考えてしまう

濃い 恋 来い
まだ見ぬ
愛する人よ
目の前に
現れる日は
いつだろう?

濃い 恋 来い
まだ見ぬ
愛する人が
目の前に
現れる日を
夢見ている


恋の刃

それは
突然だった
目に見えない刃に
刺されたような
衝撃だった

あなたを
想えば想うほどに
心の傷口は
広がってゆく

まるで
血が滲み出すように
痛みと苦しさが
襲い来る

一度
目に見えない刃に
刺されてしまったら
その刃を
抜くことは出来ない

だが
恋叶うとき
この目に見えない刃が
抜けるかも知れない
そして いつしか
愛が心の傷口を
塞ぐだろう


一言の魔術

「大好き」
その一言を
言われると
嬉しい反面
どこか疑ってしまう
自分がいる

その言葉が
自分以外にも
使われているような気がして⋯

疑ってしまう
自分が
最低だとわかっていても
不安が勝ってしまう

たとえ
あなたの事が
好きだとしても⋯

「大好き」に
返す言葉が
見つからない

「大嫌い」と
言われた方が
早く あなたを
諦められるのに⋯


LINE

きみと
LINEをしていると
嬉しい反面
苦しくなるんだ

何気ない
やり取りですら
きみへの想いは
次第に
大きくなっていく

きみと
LINEをしていると
会いたくなって
きみのことばかり
考えてしまうんだ

だから
返事はいらない
この気持ちが
抑えられなくなる前に
既読スルーして欲しい


恋していることを

''恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか(壬生忠見)''

あなたに
恋していることを
気付かぬうちに
周囲に
噂されるようになってしまった

誰にも言わずに
一人
片恋でいたかったのに⋯

しかし
噂というものは
恐ろしい
自分の知らないところで
一瞬にして
広まってしまうのだから

いつの間にか
周囲の目が気になり
片恋すら叶わなくなってしまう

何故
このようになってしまったのか?

片恋すらも
許してもらえぬのだろうか?

この片恋とともに
いっその事 消えてしまいたい


恋病

きみに
出会ってから
ぼくは
何をしていても
きみのことで
頭がいっぱいになってしまっていた

それまで
モノクロだった世界に
色付いていくのが
わかった

恋は
人を変えさせる

味気ない
日常の中に
''きみ''という存在が
現れたことで
一瞬にして
世界が
変わってしまうように

いつしか
きみしか見えなくなって
ぼくは
怖ささえ覚えるようになった


恋と人生

いつかは
恋にも
終わりが来る

恋に
終わりが来ても
そこで
人生を
終わらせることは出来ない

どんなに
どんなに
もがいても
岸へと
辿り着けずに
いつまでも
海の中を
漂うように

だから
恋は
苦しいのだ

だから
恋は
辛いのだ


さようなら

きみと過ごす
最後の夜
その日は
ぼくときみのあいだに
冷たい風が
吹き抜けていた

まるで 風も
ぼくときみの
最後を
知っていたかのように⋯

そして また
時間も
止まることはない

きみの後姿を
見送れば
嫌でも
朝は やって来る

朝が来てしまえば
もう
きみのいる日々は
そこにない

''さようなら''をしても
後悔は消え去らない
あの日に帰ることは出来ない
時間はときに残酷だ

きみと過ごした
最後の夜は
憎らしいほど
月の綺麗な夜だった


恋人ごっこ

退屈過ぎる日々に
刺激が欲しかった

''手繋ぎたい?''

''ハグしたい?''

''キスしたい?''

わたしがあなたの望むままの
恋人を演じてあげる

戸惑うあなたを見ていると
快感で満たされてゆく
その快感があれば
何でも出来るような気がした

次は⋯

''何したい?''

''何か言ってよ''

欲望のままに

ゲームのような
駆け引きをしていると
退屈な日々が
輝いていることを感じるの

''さあ 早く''

今日も
あなたの偽りの恋人の
わたしを楽しませて


きみに

きみに
会えない時間が
より強く
きみを
感じさせる

会いたい 会えない

きみに
会えるその日を
楽しみに
日々を過ごす

きみに
会えない時間が
長ければ長いだけ
きみが
愛しくなる

きみに
会える日は
どんなに
幸せなことかを
思い知らされる

愛しさを
いっぱいにして
きみのもとへと
愛に行く


''ただいま''のあなた ''おかえり''のわたし

社会の波にもまれ
どんなに 疲れ切っていても
あなたの顔が見たい

その一心で
足は軽くなる
1分でも 1秒でも早く
とにかく あなたのもとへ

わたしが
''ただいま''と言えば
あなたは
''おかえり''と返してくれる
ただ それだけで
ホッとする

今日もまた
''ただいま''と
''おかえり''が
谺する

ここには
帰りたい
帰らなければならない
場所がある


Romance

美味しいものを
一緒に食べて
美味しいと
一緒に感じたい

美しいものを
一緒に見て
美しいと
一緒に感じたい

嬉しいときに
一緒に喜んで
嬉しいと
一緒に感じたい

悲しいときに
一緒に泣いて
悲しいと
一緒に感じたい

知らない場所に
一緒に行って
気付きを
一緒に感じたい

変わりゆく季節を
一緒に過ごして
素敵だと
一緒に感じたい

二人で過ごす時間が
いつも愛おしい時間であって欲しい




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