空が白い 青さは無く 雲が空にのさばってようが 微睡みは心地がいい 晴れていようが、曇っていようが 微睡みは心地がいい 結局 自分次第なのである
二人でクッキーを食べ終えると、私も庭掃除に加わり、ついでとばかりに境内も掃除すると、その流れで昼食を頂き、私の休日は終了した。 神社に来る時点で、ある程度は覚悟…
砂利を少し引き摺る足音は、幼い頃から変わっていない。 「庭の掃除、まだ終わってねぇから」 声に視線を向ければ、学校指定ジャージのパンツとTシャツを着崩した、悪ぶ…
家を見下ろしていると、足元にふわりとまとわりつく感触があり、目線を家から足元に移す。 驚きはしない。 この神社付近を根城にしている猫だと解っている。 普段からスカ…
階段を登り切った先には、境内に続く真っ直ぐな道と、脇道に、地域資料等を管理している文庫へと続く道がある。 私は其方に迷わず足を向けた。 もう何年も歩む道に疑問も…
あの家が見下ろせる場所がある。 今日はそこでお茶でもしようと、飲み物とクッキーを持参して向かっている。 季節は長い冬を終え、桜も葉桜になり、今は夏を待つ頃。 こう…
家に帰宅後、家族にあの家の話をしようとして、やはり諦めた。 回答などとうに解っているから。 幼い頃からあの家が気になっていた私は、あの道を家族と通る度に何度とな…
電気が灯っていた。 灯っていたのだ、確かに。 遅くなった学校帰り、電光柱の少ない道を自転車で駆け抜けていると、あの家の電気が灯っていた。 夜になると見えなくなるよ…
ウネメ
2019年6月15日 14:25
空が白い青さは無く雲が空にのさばってようが微睡みは心地がいい晴れていようが、曇っていようが微睡みは心地がいい結局自分次第なのである
2019年3月3日 17:41
二人でクッキーを食べ終えると、私も庭掃除に加わり、ついでとばかりに境内も掃除すると、その流れで昼食を頂き、私の休日は終了した。神社に来る時点で、ある程度は覚悟していたが、今日は気分的に疲れた気がする。幼馴染みの愚痴を聞いたからかもしれない。それと、これからどんどん変わっていく祭りに、若干の不安と寂しさを感じているからか……。どちらにしろ、疲れているのは変わりない。来た道を、なんとなく足
2019年3月3日 12:18
砂利を少し引き摺る足音は、幼い頃から変わっていない。「庭の掃除、まだ終わってねぇから」声に視線を向ければ、学校指定ジャージのパンツとTシャツを着崩した、悪ぶってるつもりの幼馴染みが居た。手にはお気に入りの竹箒を握っているが、彼がお気に入りだと認めたことは無い。それにしても、相変わらず勘が鋭い。彼が言う事には、霊感の一つだという。縁遠い私には解らないが、幼い頃からこの神社で手伝い
2019年2月22日 18:29
家を見下ろしていると、足元にふわりとまとわりつく感触があり、目線を家から足元に移す。驚きはしない。この神社付近を根城にしている猫だと解っている。普段からスカートしか履かない私の脚に、猫のモフっとした太い尻尾が巻き付いていた。これでは動けないなと思いながらも、どうせすぐに元の場所に戻って行くことも知っているから、まぁ良いかと猫の頭を撫でてやった。この猫。普段はこの見晴らし台の隅にある、
2019年2月18日 08:46
階段を登り切った先には、境内に続く真っ直ぐな道と、脇道に、地域資料等を管理している文庫へと続く道がある。 私は其方に迷わず足を向けた。もう何年も歩む道に疑問も不安も期待もない。 いつも通りの光景が待っているだけだ。でも、安堵はしているかもしれない。ここに来ると、どこか空気が違うような気がするから。脇道を少し行くと、向かって右側に六角形の赤い建物がある。建物はそんなに大きくはないが
2019年2月17日 11:16
あの家が見下ろせる場所がある。今日はそこでお茶でもしようと、飲み物とクッキーを持参して向かっている。季節は長い冬を終え、桜も葉桜になり、今は夏を待つ頃。こうしてあっという間に何も無く日々が過ぎて行っている。あの家も、そうなのだろう。通り慣れた道を歩み、目的地が目の前に移る。近所では有名な神社だ。40段ほどある階段と、その上にある赤い鳥居を見上げて、鞄の取手を握り直す。今日は此処
2019年2月6日 14:40
家に帰宅後、家族にあの家の話をしようとして、やはり諦めた。回答などとうに解っているから。幼い頃からあの家が気になっていた私は、あの道を家族と通る度に何度となく聞いていたのだから。そして、返ってくる言葉は、決まって、もう誰も住んでいないのだろうと、それだけだった。あの家は隣町にあるから、近所付き合いもない。幼馴染がその町に居るが、興味の無い返事ばかりが繰り返されるばかり。あの家は、
2019年2月5日 17:34
電気が灯っていた。灯っていたのだ、確かに。遅くなった学校帰り、電光柱の少ない道を自転車で駆け抜けていると、あの家の電気が灯っていた。夜になると見えなくなるような、あの家に、灯りが。驚きながらも、自転車の速度は下げずに家の前を走り抜けた。それだけなのに、胸騒ぎがする。いや、胸騒ぎではないかもしれない。見てはいけないものを見てしまったような驚きが、恐れでもあり、好奇心でもあった。あの