あの家 2

家に帰宅後、家族にあの家の話をしようとして、やはり諦めた。
回答などとうに解っているから。

幼い頃からあの家が気になっていた私は、あの道を家族と通る度に何度となく聞いていたのだから。
そして、返ってくる言葉は、決まって、もう誰も住んでいないのだろうと、それだけだった。

あの家は隣町にあるから、近所付き合いもない。
幼馴染がその町に居るが、興味の無い返事ばかりが繰り返されるばかり。

あの家は、あんなに変わった造りをしているのに、どうして誰も興味を示さないのか。

置き去りにされたような、あの家を見ても。