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忙しくたって忍術はつかえないし、初恋は甘酸っぱいし、面白い気付きは落ちてるよねって話。

思いがけず長くなっちゃったので、2000文字近くある、、読むのも大変かな、ごめんね。


始まり始まり

僕の仕事がめちゃくちゃ忙しかったある日、僕は目の前に座る同僚が、それはもう気になって仕方なかった。

なんせ彼は、僕が未だかつて見たことがないくらい暇そうにしていたからだ。

それはもう見事としか形容できない暇っぷりで、彼の周りから「ぽけぇ〜」っという効果音が聞こえてきたという話もあるとかないとか。

(ないけどね)

そして、そんな同僚を横目に、僕は終わりが見えない業務に追われ右往左往していた。

同僚をチラッと見る。

パソコンの前に座り、その画面を見ているかのようなその目は、真剣そのものだ。

一見して暇な人とは思えない彼の目は、パソコンから逸れることなく、真っすぐだ。

なんだ、同僚は暇ではなかったのか。疑ってごめんよ、僕は心の中で懺悔して、自分のパソコンに視線を戻した。

いや、いや、待ってくれ。

いくら何でもおかしい。

同僚はここ数分間、全くキーボードを打つ素振りがないじゃないか。デスクトップの隙間から覗くに、同僚はマウスさえ触っていない。

どこだ、同僚の手はどこにある。

同僚は座ってパソコンを見ている。それは間違いない。じゃあ同僚の手はどこにいったんだ。

真実は思いがけない所にあった。

マウスを掴んでいるであろうその右手は、同僚のポケットに大切に仕舞われていた。

あぁ、暇は不自由を甘受することだったのか。これは暇の真理なのかもしれない。

目の前の同僚が暇を極め、ついには真理を掴もうとしているのであれば、僕は大手を振って応援したいところだが、

今は応援や称賛をする時間も惜しい。僕は相変わらず終わらない仕事と格闘し始めた。

そして、岸本斉史先生を裏切ってNARUTOの単行本を売っちゃったことを思い出し、ちょっぴり後悔していた。

僕に影分身する能力があれば、分身に色んな事を押し付けれて帰れるのに、、、

(一応、印は結んで・・何も起きず)

僕がそんなアホなことを考えている最中、例の暇そうな同僚が立ち上がった。

なんだ、何をするんだ。ここまでの沈黙を破って、今まさに動き出す同僚と、それを見守る僕。

ギュイィィーン、ガシン、ガシン、ガコッ。

久方ぶりの行動に、同僚の関節からよく分からない効果音が鳴り響く(脳内再生よろしく)

そして何事もなく、ただ部屋を出ようとする同僚に、僕は心の声を投げかけた。

「おい、なぜだ、なぜ手伝わない。というか、どこに行くかぐらい言っていけ!」

不意に同僚か振り返る。

心の声に反応したのかと内心ビビる僕に、そして始業以来の目線を向け、みるみる戻ってくる。

あぁ、やっとか。

やっと暇そうにしている同僚が、忙しそうにしている僕に気づいたのか。これで安心だ。

さぁ言ってくれ、

「何か手伝えることないですか」

と。

その一言を待っていたんだ。君に、いや、君だから、お願いしたい業務が僕にはある。

その思いが、たった3歩の距離を悠久の時にも感じさせた。

僕「・・・・・・」

同僚「あの、、先にご飯行ってきます」

僕「いってらっしゃい」

»»このストーリーには続きがあるようだ»»


第二部

僕は握りしめた拳をなんとか開いて、軽く返事をした。そして、ホーム(終わらない仕事)へと向かった。

そう言えば、昼食のチキン南蛮は美味しかったらしい。食堂から薫るが、僕の口にキュッとした甘酸っぱさを感じさせる。

とは言え、チキン南蛮もいいけど、甘酸っぱいの代名詞と言えば初恋を置いてないだろう。

僕の初恋と言えば、それこそ鮮明に記憶に残る、ファーストキスなるものをした女のコだった。

結局付き合いはしなかったその子を思い出すと、確かにこう、なんとなく胸がキュッとなるような気もする。

あぁ、そういうことか。

初恋は、酢の物を食べたときの口の代わりに、胸をそっとキュッとさせる。だから初恋が甘酸っぱいって言われるのかもしれないな。

ま、知らんけど。

»»脱線したけど、もうすぐ終わるよ»» 


僕は我慢できなかったんだ。

と言うか、単純に仕事に手が回らなくなってきたので、とうとうその暇そうな同僚に仕事をお願いしようと立ち上がった。

目の前に座る同僚、その前に立ち、

「〇〇さん、今暇ですか?」

と、僕は言い放った。

さも「あなた暇でしょ、手伝えるよね?」と言いたげに。たぶん少しイライラしていたんだと思う。ごめん。

同僚「暇ちゃうわ!手は空いてるけど!」

一刀両断される僕。

もうね、笑っちゃった。

馬鹿にしてとかじゃなくて、「あぁ、確かに」っていう意味で声を出して笑っちゃった。

確かにね、例え本当に本当に暇な人であっても、そりゃ仕事中だもんね、暇な訳ないよね。

暇じゃない、偶然手が空いてるだけ。その偶然が、偶然ずっーと続いているだけなんだよね。

反省したよ。みんなイライラしてても人を暇な人扱いしちゃダメだよ。手が空いてるだけなんだから。

オチはこんなところでよろしいかな?

僕が最近1番笑った話でした。

おしまい。


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