【新しい景色を2022】vsクロアチア徹底解剖
こんちゃ!どうもいったーです。
ついにあと一歩のところまで来ました。
運命のRound of 16 vsクロアチアは12月5日 24:00キックオフです。
これまでのクロアチアの軌跡を見てみましょう。
予想フォーメーション:4-1-2-3
①世界屈指の中盤のトライアングル
②若返りを成功させた最終ライン
③狙うは徹底的に右サイドから
①世界屈指の中盤のトライアングル
3試合連続して世界的名手がスターティングラインナップに名を連ねている。
そう、みなさんご存知の3人です。
◆CMFルカ・モドリッチ
●1985/09/09 174cm/65kg
●レアル・マドリード🇪🇸
●3試合、0得点、0アシスト
◆DMFマルセロ・ブロゾビッチ
●1992/11/16 181cm/68kg
●インテル・ミラノ🇮🇹
●3試合、0得点、0アシスト
◆CMFマテオ・コバチッチ
●1994/05/06 178cm/77kg
●チェルシー🏴
●3試合、0得点、0アシスト
彼らは‘18ロシア大会からトライアングルを結成し、欧州を席巻してきた。不可能と思われた、天敵フランスをネイションズリーグで撃破、デンマークをも退け決勝大会に進出しました。
全員が中盤であればどのポジションでも同様のクオリティを保証することができるのが大きな強みで、相手の配置によって流動的にポジションを動かしていきます。そのため、対戦相手は黄金のトライアングルの手のひらで転がされることになり、それぞれ“人”についていけばチームとしてのバランスを崩され、“スペース”を管理する手法を取ると、スペースの切れ目を突かれ、自由にボールを動かされることになります。クロアチアの誇る黄金のトライアングルを前にすると、行くも地獄、引くも地獄が待っているということです。
そして彼らに共通する特徴が、それぞれがスペースからスペースに運ぶドリブルを効果的なタイミングで織り交ぜることができるということです。スピードで抜くのではなく、相手の体重移動や、目線、タイミングといったシンプルな1on1では測れないドリブルスキルを持っているので捕まえにくいのです。
自陣でドリブルされるのは、まだ許容範囲ですが、自陣に入ってきたタイミングで少しでも自由にボールを握られると非常に日本は厳しくなるでしょう。
そして憎たらしいほど、欲のあるプレーをせずに堅実に丁寧に相手の急所を探ってきます。そのため、食いついては剥がされ、食いついては剥がされという守備者としてはうんざりしたくなるはずです。そして最後のファイナルサードの局面で急所を指すドリブルやパスを選択するため、本当に厄介すぎます。
実をいうところのキーマンは
DMFマルセロ・ブロゾビッチで、サッカー界では異端の移動型アンカーです。これまでのアンカー像はセンターサークル付近で、体の向きを作り、敢えて留まることで相手FWを中央に誘い込み、ちょっとした隙を見せたタイミングで、的確なターンで前を向くといった役割でした。
異端のDMFブロゾビッチは試合を通じて走行距離が12kmがアベレージと言われており、相手FWが消しにくるコースを察知し、縦横無尽に最終ラインからレシーブできる場所を探し回ります。そのため、優秀なアンカーにはマンマーク気味に守るのがセオリーでしたが、移動式アンカーを前にして、日本が徹底的にトイレまでついていくのか、ある程度ゾーンで近い選手が追い回すのか個人的には興味があります。
②CFの座は誰の手に?
クロアチアはCFマンジュキッチが引退してからのこの4年間、絶対的な軸を探し求めて最後まで決まりませんでした。候補は、以下の3人です。
◆CFアンドレイ・クラマリッチ
●1991/06/19 177cm/73kg
●ホッヘンハイム🇩🇪
●3試合、2得点、0アシスト
◆CFマルコ・リバヤ
●1993/08/26 182cm/80kg
●ハイドゥク・スプリト🇭🇷
●3試合、1得点、0アシスト
◆CFブルーノ・ペトコビッチ
●1994/09/16 193cm/88kg
●ディナモ・ザグレブ🇭🇷
●2試合、0得点、0アシスト
初戦vsモロッコ🇲🇦(0-0)はスタメンは、
CFクラマリッチ⇄CFリバヤ、RWGブラシッチ
第2戦vsカナダ🇨🇦(4-1)はスタメンは、
CFリバヤ⚽️⇄ペトコビッチ、RWGクラマリッチ⚽️⚽️⇄ブラシッチ
第3戦vsベルギー🇧🇪(0-0)はスタメンは、
CFリバヤ⇄CFペトコビッチ RWGクラマリッチ⇄パシャリッチできました。
そのため、恐らくvs日本のスタメンは
LWGペリシッチ、CFリバヤ、RWGクラマリッチ でくると思います。
CFリバヤはクロアチアリーグ得点王の経歴を持っています。ボックス内で仕事をするタイプのCFであまり組み立てには関与せず、ハイクロスやグラウンダーのクロスに対してワンタッチシュートを好みます。ヨーロッパネイションズリーグ最終節vsオーストリアでは決勝ラウンドに進むためには勝利がマストの状況で、途中出場で逆転ゴールを決めてみせ、一躍ヒーローになりました。生まれ育ったハイドゥク・スプリトからインテルやエンポリ、AEKアテネ等で苦労しましたが今がキャリアベストの状況で、クロアチアを救うストライカーになりうる存在です。
初戦でCF起用されたCFクラマリッチは1トップ(3トップ)のセンターよりも、2トップの方が肌に合っているようで、セカンドストライカー的に突如顔を出す方が合っています。実際にRWGで出場したvsカナダ🇨🇦でもワイドからインサイドに潜り込んできて2発シュートを決めたこともあり、乗っているはずです。ペリシッチが左から仕掛けたタイミングでCBとSBの間に突如として現れる影があったら、恐らくクラマリッチでしょう。
交代のジョーカーは?
前線のアタッカーは上記の組み合わせがうまくいかない場合も豊富なカードをベンチに残しているため、思い切った交代策を切れるのもクロアチアの強みです。
恐らくベンチから出てくるのは、LWGオルシッチ(ディナモ・ザグレブ🇭🇷)、CFペトコビッチ(ディナモ・ザグレブ🇭🇷)、RWGマイェル(レンヌ🇫🇷)、RWGパシャリッチ(アタランタ🇮🇹)、RWGブラシッチ(トリノ🇮🇹)です。
特に恐ろしいのはCFペトコビッチとLWGオルシッチのセットで、オルシッチはドリブルスピードが尋常ではなく、カットインからのシュートは脅威です。ちなみに2年前のvsトッテナムで1stレグ0-2の状況からホームでハットトリックを達成し、3-2で逆転させ、今季のCLではチェルシーからもゴールを奪っています。LWGは左利きのペリシッチがスタートで、次にカットインが得意の右利きLWGオルシッチが出てくると日本の最終ラインは手を焼くでしょう。CFペトコビッチは無理な体勢からでもシュートに持っていくシュートセンスに秀でており注意が必要です。
他にもRWGマイェルは中盤でもプレーできる天才肌の選手で、パスセンスが異常です。中盤に厚みを出したい、ボールを持ちたいというメッセージをピッチにもたらします。
RWGブラシッチ、RWGパシャリッチもOMF的な存在で2列目からスペースに飛び出して、シュートや決定的なチャンスにつなげるタイプです。
(まあ、冨安が出場すれば、基本誰でもポケットに隠すので大丈夫です。)
③狙うは徹底的に右サイドから
クロアチアは‘18ロシア大会から見事に最終ラインの世代交代を達成した。かのように思えました。なぜか今大会はスタートか老兵CBロブレンが起用されており、若干ブレーキ気味です。CS:クリーンシート。
◆CBヨシュコ・グバルディオル
●2002/01/23 185cm/80kg
●ライプツィヒ🇩🇪
●3試合、0得点、0アシスト、CS:2
◆CBデヤン・ロブレン
●1989/07/05 188cm/84kg
●ゼニト🇷🇺
●3試合、0得点、0アシスト、CS:2
◆RSBヨシップ・ユラノビッチ
●1995/08/16 173cm/69kg
●セルティック🏴
●3試合、0得点、0アシスト、CS:2
◆LSBボルナ・ソサ
●1998/01/21 187cm/79kg
●シュツットガルト🇩🇪
●3試合、0得点、0アシスト
◆CBマルティン・エルリッチ
●1998/01/24 193cm/78kg
●レアル・マドリード🇪🇸
●0試合、0得点、0アシスト
◆CBヨシップ・シュタロ
●2000/02/28 190cm/85kg
●ディナモ・ザグレブ🇭🇷
●0試合、0得点、0アシスト
本大会前までは、完全に世代交代が完了し、CBの軸はCBグバルディオル、エルリッチ、シュタロでボールの配給も対人能力も優れている3人から2人をチョイスする、と誰もが思っていました。そして歴戦の勇士枠としてCBドマゴイ・ビダ、デヤン・ロブレンが上記3人の若手を精神的に支え、試合をクローズするときに現れるという展開を予想していました。
しかし、しかし、です。蓋を開けてみると、ラインナップにはなぜかCBデヤン・ロブレンの名がありました。自身のことを「世界最高のCB」と称している近年は、ビッグマウスが先行するようになりました。
ビルドアップにも難ありで、最終ラインからの配給を滞らせてしまいます。そのため、右サイドに中盤のトリオのうち1人が降りてくるため、攻撃のバランスが崩れてしまいがちでした。
また、本職の守備面では、ドリブラーを相手にするとずるずると下がってしまう、または簡単に足を出してしまい突破を許すという、絵に書いたような足の引っ張りようです。
ダリッチ監督は、実際にCBロブレンを信頼しており、キャンプでのプレーを見てからスタートから使う判断をしたそうです。経験豊富ですが、ポカをしがちという、どこかの代表でも聞いたことがある癖を露呈しがちで、チームを盛り上げる憎むに憎めないそのキャラクターも似ています。
クロアチアは手堅く失点1のみで勝ち上がり、堅固な守備が売りと思われていますが、それは左サイドであって、右サイドはまだピンチにさらされていないだけです。
日本の活路は?
唯一の失点シーンも、ヘディングがそこまで得意ではないLMFアルフォンソ・デイビスに競り負けて失点を喫しました。それはヘディングで競り負けた表面的な事実よりも、そのポジションを先に取られたという本質に目を向けるべきです。RSBユラノビッチは攻撃では豊富なアイディアや高精度のクロスを見せますが、守備でのポジショニングでは、2列目から飛び込んでくる選手を捕まえきれない、守備の1on1にやや弱みがあります。そこに“日本最強の矛”であるLWG三笘 薫を後半からマッチアップさせれば、圧倒的な質的優位を手にします。
日本の左サイドで優位に立てば、カバーに来るのはCBロブレンで経験に裏打ちした先回りは得意かもしれませんが、ロシアリーグでゴロゴロしている彼に、独特なリズムと歩幅で圧倒するLWG三笘 薫を初見で止められるとは思えません。なんならPKくれないかな~って感じです。
クロアチアの右サイドから崩して、ニアに飛び込み、こぼれ球を押し込むという、vsドイツで見せた同点ゴールを再現すれば、日本の得点のチャンスになります。スタートから左サイドに相馬を置いて、縦の突破を見せるのも大いに想定できます。
または、稲妻ジュンヤが右から縦の突破からのクロスで、ニアで合わせるシチュエーションを何度も作り出したいところです。
新しい景色を
精神論は好きではありませんが、
ここまできたら本当に気持ちの勝負になります。
目の前のシュートに足を出せるか、
ボールがこぼれてきたところに足を伸ばせるか。
カウンターを受けた時に素早く帰陣できるか。
そんなミクロで試合の流れに影響を与えないであろうプレーでも
積み重なればマクロを動かす、大きな渦になりえます。
ここであの曲から言葉を借りましょう。
‘02日韓大会は、開催国マジックに助けられ世界が近づいたと錯覚しました。
‘10南ア大会は、謙虚に弱者の戦いを選択し、最もベスト8に近づきました。
‘18ロシア大会は、目の前に広がる新しい景色に目が眩み
自らその扉を手放してしまいました。
ドイツとスペインを撃破して首位通過するなんて
誰もが夢物語だと思っていましたが、
歴史的な大逆転劇を演じ、“新しい景色を”見るチャンスを得ました。
サポーターは信じるしかできません。
まだ見ぬ景色を見せてくれるよう、祈りましょう。
それでは、このへんで、、、
ばいころまる~~~
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