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#43「アーセナルvsセインツ<マッチレビュー>PL第20節」

こんちゃ!どうも、いったーです。
今回は、「アーセナルvsセインツ<マッチレビュー>PL第20節」を書いていきたいと思います。

今節も朝5時キックオフということで、寒いし、眠いし、前半最初の決定機を逃して、その直後のCKで先制されるし、寝ようかと思いましたが、珍しく逆転勝利ということで気持ちよく1日がスタートしましたね。

OMFスミス=ロウ、CMFトーマスが筋肉系の違和感で交代しましたが、大事を取ってのお休みと信じたいです。なんたって、今週末はvsマンチェスター・ユナイテッドをホームに迎えるのですから。

それでは、本編に入っていきたいと思います。

チーム紹介

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ホームチーム:サウザンプトン(以下、セインツ)
監督:ハーゼンヒュッター
フォーメーション:4-2-2-2

アウェイチーム:アーセナル
監督:ミケル・アルテタ
フォーメーション:4-2-3-1

プロローグ

 FA杯4回戦で顔を合わせた両チーム。特に好調かつ、王者として迎える今季のFA杯でも連覇を狙っていたアーセナルは、苦手セント・メリーズスタジアムでセインツに0-1で屈してしまいました。クロス対応からアクシデントなOGでの完封負けということで、敗戦を引きずる必要はありませんが、FA杯は優勝すればELストレートインできるだけに敗退は残念です。FA杯からPLと同一カードの連戦ということで、アーセナルは意地でも勝利にこだわって欲しいです。

 一方セインツは、怪我人続出により、ベンチメンバーはアカデミーからの昇格選手が多く、先手を取らなければ、ゲームチェンジャーとして計算できる選手は、ベンチにはほぼいません。ホームにアーセナルを迎えるゲームは得意としているため、自信をもって試合に入りそうです。

前半<アーセナル>

〇ぺぺ汚名返上#ペペを諦めない
〇プレス上等!!嵌めに行くアーセナル
〇ハイテンポを逆手にとったCFラカゼットのフリック

〇LWGペペ汚名返上のゴール#ぺぺを諦めない

 前半開始早々のCKでセインツのデザインされたCKを見事成功され、失点を喫したアーセナル。この失点にはLWGペペの集中力の欠如が原因でした。FA杯vsセインツでも先発起用されましたが、精彩を欠き、この試合でも再びチャンスを得たLWGペペでしたが、相手の攪乱するランニングについていけず、シュートを打ったRSHアームストロングを“ド”フリーにしてしまいました。

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 ペペはRWGが主戦場でこの試合はLWGで先発しました。そして珍しい方たちで汚名返上の同点ゴールを流し込みました。相手深い位置でのビルドアップを前線からのプレスでうまく嵌めこみ、高い位置でボール奪取しました。中央CMFジャカがパスを受けたタイミングでLWGが反転のステップを踏み、スペースに走り出していました。求める場所でパスを受けたLWGぺぺは、手でブロックに来る相手DFを抑え込みながら、得意の左足で決めました。いつもはRWGでカットインの形を得意とするぺぺらしくない縦への突破からのゴールでした。

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〇プレス上等!!嵌めに行くアーセナル

 セインツは、自陣深い位置からのビルドアップに自信を持っているチームであり、GKキックもショートパスで繋ぎながら攻撃を開始します。
 そのビルドアップを易々と開始させたくないアーセナルは、緻密に組まれたプレスを遂行します。

 プレス開始の合図となるファーストディフェンダーはCFラカゼットが担いました。CBサイドを切りながら、ボールを外側に追い出していきます。セインツのビルドアップの肝であるジェームズ・ウォード=プラウズ(以下、JWP)はOMFスミス=ロウが監視し、トイレまで付いていきました。セインツの中盤でレシーバーとなるRSHアームストロング、CMFディアロへの縦パスに対して、アーセナルは、CMFトーマスCMFジャカがインターセプトを狙いました。

<前半8分 同点ゴール>
実際に、同点ゴールとなる場面では、RSHサカが縦パスを引っかけて敵地深い位置でカウンターを開始できたことが大きかったです。

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<前半19分のプレス>

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 アーセナルは高いインテンシティでプレスを連続して追い込むことが少ないため、試合を通し新鮮な気持ちでした。

〇ハイテンポを逆手にとったCFラカゼットのフリック

 セインツは前線、中盤にかけての攻守の切り替えが早く、選手のベクトルが前方に揃っていたことが大きな武器ではありました。しかし、アーセナルはそのハイテンポを逆手にとって少ないタッチやサイドチェンジで局面を大きく動かしました。

<39分 逆転ゴール>

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 CFラカゼットが縦パスを受けたタイミングでRSHサカは誰よりも先にダイアゴナルランを開始していました。CFラカゼットは視野が広くパスセンスが高いため、針を縫うようなパスを通しました。RSHサカが抜け出し、それを見越したGKマッカーシーはすでに飛び出しており、クラッシュの恐れもありましたが、RSHサカはGKを抜き去り、ゴールに流し込みました。あの状況判断は素晴らしいの一言でさすが“神の子”サカでした。

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<43分 再びCFラカゼット→RSHサカ>
 この場面でも縦パスを受けたCFラカゼットに入ったタイミングで、再びRSHサカがダイアゴナルランを開始していました。今回はオフサイドになってしまいましたが、うまく通れば絶好の得点チャンスでした。

アーセナルが復調した年末からCFラカゼット、RSHサカ、OMFスミス=ロウの連携は阿吽の呼吸であり、継続して活躍できるかどうかが、後半戦のキーになりそうです。

前半<セインツ>

〇デザインされたセットプレー
〇自信を持ったビルドアップ

〇デザインされたセットプレー

 セインツは前半開始早々に得点を奪いました。それも最初のCKでトリックプレーを駆使してきました。そもそもPLリーグ内でもトップクラスの右足を持つJWP(=ジェームズ・ウォード=プラウズ)がキッカーとして活躍しているため、あまりセットプレーを与えたくはありませんでした。

<前半3分>

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 アーセナルはゾーン&マンマークの併用で対応しました。セインツは、PKスポット付近にヘディングの強い選手を3枚集合させ、加えてRSHアームストロングを配置しました。
 そのヘディングの強い3枚がキックと同時に密集→散在のアクションを起こし、アーセナル守備陣を混乱に陥らせました。その犠牲になったのがRWGぺぺでした。集中力を欠いた彼は、RSHアームストロングをフリーにさせ、シュートを決められました。
 RWGぺぺのミスではありますが、トリックプレーを用意し、実行、成功に移したセインツの準備を賞賛するべきです。

<前半19分>

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 セインツの攻撃で左サイドのタッチライン際でFKを獲得しました。FKの名手JWPは“点”で合わせるクロスを選択しました。多彩な得点パターンを持つCFイングスがマークを剥がしながら、DFラインとGKのスペースにうまく飛び込み、ボレーで合わせました。しかし残念ここはGKレノでした。

〇自信を持ったビルドアップ

 セインツはハイテンポで密集地でプレスを遂行し、相手にプレーする時間を与えず、窒息させ、ボール奪取します。そのため、相手もセインツと同じように、ワンサイドに密集させ、対抗する術を取るのが一般的です。
 アーセナルも同様にワンサイドに密集し、ボール奪取を試みました。特にスローインや後方からのビルドアップの時に顕著に表れました。しかし、密集地でのボールタッチ、パス交換に一日の長があるのはセインツです。その優位性を活かしながら、適切なタイミングでサイドチェンジを試み、サイドで数的優位を創出しました。

<前半24分>

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 このスローインで密集地を作り、サイドチェンジからクロスという鉄板攻撃からシュートまで完璧に進めました。アーセナルは3角形を作り収縮することで、ボール奪取するタイミングでしたが、逃してしまいピンチに陥りました。素晴らしいクロスからドンピシャのヘディングシュートでしたが、ここも残念、GKレノがスーパーセーブで救いました。

後半<アーセナル>

〇有効打となったサイドチェンジ
〇自陣深い位置での怠慢の守備?

〇有効打となったサイドチェンジ

 アーセナルもセインツのハイテンポの土俵で戦うことに慣れてきたのか、後半から少し余裕があるビルドアップが出来ていたと思います。

<後半1分、後半6分>
この2つのシーンではOMFスミス=ロウやCMFジャカを経由してサイドチェンジし、サイドで数的優位を創り出しました。CMFトーマスを含めた3人はポジショニングもよく、サイドチェンジの状況判断が試合を通じて効いていました。
<後半27分 ダメ押し3点目>

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 アーセナルにとって待望のダメ押しの3点目が入りました。CFラカゼットが中央でキープし、LSBセドリックがワンステップで大外のRSHサカにサイドチェンジを届けました。この試合でも何度かありLSBセドリックのサッカーセンスの高さ、パス精度の高さを感じました。RSHサカに渡った瞬間、CFラカゼットはボールキープした地点からダッシュしPA内に侵入しました。ダイレクトにあげたRSHサカからのクロスをCFラカゼットがワンタッチで合わせ、ゴール。形は違えど、vsブライトンの決勝点を彷彿させるストライカーの動き出しとポジショニングでした。

 ゴール後に大の仲良しLWGオーバメヤンに対しての指で彼の背番号14を表したゴールセレブレーションでは、今度はチームがキャプテンの苦境を支える番だという強いつながりを感じました。

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〇自陣深い位置での怠慢の守備?

 アーセナルにとって3点目が入ったことで試合の行方もほぼ決してしまいました。しかしながら1点差に追いつかれたらまた試合が分からなくなるため、失点は避けたい状況でした。

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また、アーセナルはこちらからアクションを起こして守備をするよりも、待ち構えるリアクション型の守備を選択したこともあり、DFラインがかなり低くなりました。ここ最近のアーセナルの傾向ですが、DFラインを下げて構える守備をした際に、ボールホルダーへのアプローチが「緩く」「遅く」なっています。セインツにアーセナルの守備を切り裂けるような選手がいなかったからよかったものの、強豪相手ではPA付近での怠慢は失点に繋がりかねません。

後半<セインツ>

〇ゲームチェンジャーの不在が響く
〇ビルドアップなのか、放り込みなのか

〇ゲームチェンジャーの不在が響く

 プロローグで書いた通り、セインツは怪我人続出の状況であり、ゲームの流れを変えることの出来る選手がベンチには強いて挙げるならば怪我明けのSMFレドモンド、CFロングくらいでした。残りの選手はアカデミー出身のまだ20歳前後の選手であったため大きなことは期待できませんでした。
SMFジェネポ、CMFロメウ、CBヴェスターゴアの主力3人の離脱の影響が後半になり、大きく出たと思います。

〇ビルドアップなのか、放り込みなのか

 セインツは試合を通じてビルドアップ開始のタイミングで可変的なシステムを用いました。基本的に4-2-2-2で一方サイドに偏ることが多かったです。低い位置からのビルドアップではCMFウォード=プラウズが2CBの間に降りて、RSHアームストロングが中盤に降りてきます。両SBはかなり高い位置を取り、WGのような働きもしました。また、LSHであったウォルコットは、前線の中央に入り込み、3-4-2-1のような形に変化しました。SBの立ち位置によっては前線5枚で前5レーンを埋め、DFに対して数的優位を作りながら、敢えて、中盤で空洞を創り出し、密集と散在を繰り返していました。

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 CMFウォード=プラウズは、アメフトのQB(クウォーターバック)のような役割を担いながら、パスを散らしました。
 後半になり、メンバーが入れ替わったこともあり、丁寧につないでも中盤中央でパスを受ける選手が不在で、むしろビルドアップのせいで攻撃が停滞していたように思えます。
 CFに入った40番ヌルンドゥル(N’Lundulu)に向けて放り込む攻撃の方が、アーセナルにとって脅威になったでしょう。

結果<アーセナルvsセインツ>3-1

得点者:
‘3アームストロング(SOU) ’8ペペ(ARS) ‘39サカ(ARS) ‘72ラカゼット(ARS)

試合ハイライト

エピローグ

 終わってみればアーセナルの3-1で快勝でしたが、開始早々の失点はヒヤリとしました。失点後のアーセナル選手たちの姿勢は素晴らしく、気落ちせずにすぐに同点に戻したことがこの試合優位に進められた要因かもしれません。LWGぺぺとLSBセドリックのコンビネーションは見応えがあり、どちらがアウトサイドでもインサイドでも効果的なサイド攻撃が出来ていました。もちろんCFラカゼット、OMFスミス=ロウ、RSHサカのトライアングルも素晴らしかったです。

 セインツは、ハイテンポでインテンシティの高いゲームに持ち込み、自分たちの土俵で戦いましたが、終盤になりガス欠になってしまい、敗れてしまいました。メンバーが揃わず、過密日程で不利な状況でしたが、みずからの志向するスタイルを最後まで貫く姿はすがすがしかったです。GKレノがいなければ得点というチャンスも多々あったので、今後は上位勢での対決では、苦しめ、ポイントを奪ってほしいです。

Next game… vsマンチェスター・ユナイテッド

 次節は首位?マンチェスター・ユナイテッドをホームに迎えます。アウェイ、オールド・トラッフォードでは14年ぶりの勝利をあげ、シーズンダブルを達成するしかありません。
(追記:マンチェスター・シティが首位になり、今日の夜マンチェスター・ユナイテッドが勝てば、首位になります。)

キャプテンLWGオーバメヤンが個人的な事情、LSBティアニーはふくらはぎ、CMFトーマスは太腿、OMFスミス=ロウも筋肉系と出場が危ぶまれますが、なんとか間に合わせてベストな状態で決戦を迎えてほしいです。

あ、他のメディアでもアーセナルについての記事を担当しているので、そちらもよろしければご覧ください。。。よろしくお願いいたします!

それではこのへんで、、、

ばいころまる~

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