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お笑い評論

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お笑いを野暮に論じるよ。
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おぼん・こぼんになれなかった星屑たちが埋まるコンクリート

おぼん・こぼんになれなかった星屑たちが埋まるコンクリート

おぼん・こぼん師匠は特別ではない。

何のことかわからない人は「水曜日のダウンタウン おぼん・こぼん」で検索。

無邪気なお笑い大好き少年として、リアルに芸人を志すモラトリアムの学生として、事務所に売り出してもらって分不相応な舞台に並べてもらう若手芸人として。15年くらいかけて、近くから、遠くから、数えきれない芸人コンビの背中と終わりを見てきた。

あのくらい仲の悪いコンビはいくらでもいる。
むし

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なぜ「あれは漫才じゃない」と言わなければならなかったのか【M-1グランプリ2020を巡る考察】

なぜ「あれは漫才じゃない」と言わなければならなかったのか【M-1グランプリ2020を巡る考察】

M-1グランプリ2020の結果について「あれは漫才じゃない」と言わないと気が済まない人たち。毎年あらゆる賞レースについて「審査がおかしい」と発言する人はずっといる。でもなぜそうした不毛な議論が今年は特に大きく見えたのか、考察してみます。

※注1 2時間ほどで殴り書きした内容です。あとでしれっと加筆修正するかもです。
※注2 私を知っている人が違和感を持つと思うので断っておきます。私の本業はお笑い

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大喜利の解体

大喜利の答えについて日々考えるのは当然のことだが、最近は大喜利のお題についても考えることが多い。憧れのロフトプラスワンでの『大喜利のお題を考えるライブ』というイベントにお呼ばれしたからかもしれない。

大喜利ライブでお題が出た時に「いいお題」「悪いお題」「楽なお題」「難しいお題」「広いお題」「狭いお題」とか感覚的に口々に言うけれど、もっともっと言語化できる。

2ヶ月ほど前の「オオギリダイバー」と

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「M-1 グランプリ2018準決勝」雑感

あんまりネタの詳細には触れたくない気分なので、抽象的なことばっか書くと思います。これを読んで詳しく知りたくなった人は「コンビ名 準決勝」とかでツイート検索すると大体わかると思うのでそっちで。

(※前の仕事が少し押してしまい、会場に入ったら魔人無骨のネタが始まった瞬間でした。客席から見えない、通路のところに関係者みたいな人たちが沢山立ち見をしていました。係員に席の場所を詳しく教えられ、ネタとネタ

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キングオブコント2018準決勝2日目雑感

・奇跡的に最前列で観覧。昨年の準決勝も最前列で観られたので2年連続。モダンタイムスさんの巨大バットが頭上に伸びて来たり、阿佐ヶ谷姉妹江里子さんが振り回す布団の風圧が来たりと、最前列ならではの臨場感を楽しめた。

・だーりんずさん→ロビンフットさん→モダンタイムスさんが連続で登場し、15分間赤坂が千川に。

・うしろシティさんが昨日に続き、羞恥心をテーマにしたネタをされていたけれど、奇抜な容姿を

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キングオブコント2018準決勝1日目雑感

キングオブコント2018準決勝1日目雑感

キングオブコント準決勝2018 1日目を赤坂BLITZの客席で観てきました。今年はあまりネタライブを観に行けなかったため初見のネタが多く、新鮮な気持ちで楽しめました。会場のウケとかは関係なく、思ったことを書きます。自分が一番笑ったネタでも、ただただ面白かったので書くことない人のことは抜けてたりします!レポというほどのものではないです。

・5分になって一つ一つのネタが豊かになっていたのが印象的。チ

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「トリオ」という生存戦略

トリオのことばかり考えている。


四千頭身(※1)のラジオを週に2番組聴いている。

ラジオ自体は電車移動の仮眠時や就寝前には絶え間なく聴くのが習慣なので、必然、「四千頭身の四千ミルク」も「四千頭身のANN0」もそのローテーションに入って来る。さながら睡眠学習、四千頭身イズムが私の意識と無意識にどんどん侵食してくる。

ラジオに漬かった生活を始めて13年目。耳慣れたパーソナリティーの方

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「お笑い芸人」は偉いし、これからもどんどん偉くなるという確信

私は、人の創作物に触れるのが全般に好きです。

映画も文学も音楽も漫画も演劇も全てに興味があるし、本当はそれらに優劣がないことを知っています。

ただ、とある一点において、私が修行中の身ではあるけれど、仮にも生業としている「お笑い」というジャンルについて、一点、他の表現のジャンルには負けないとても「偉い」点があるように思うのです。


それは「リスクを取っている」という点です。
もちろん、

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