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【若林源三解体新書】#3 ~GKという選択の謎~


★一個人がキャプテン翼愛に基づき思いついたままに、でもそんなに外したつもりはなく書いているだけの文章ですので色々ご容赦願います★


サッカーにおけるゴールキーパーというポジション。

それは、他の10人のプレイヤーと異なり『唯一無二』という言葉が最も似合うポジションであります。

『守護神』、と唯一<神>という尊い単語で表現できてしまう。

唯一、手が使うことが許される。

チームでこのポジションを担うのは絶対に一人だけ。

練習におけるトレーニング方法も独特。

守備陣に対しコーチングするゆえ、試合中に最もチームメイトに指示を飛ばす役割。

何よりも、守備の最後の砦。


この神々しい唯一無二に惹かれる理由はよくわかります。よくわかるのですが………



☆日本の子供達にはまだまだ人気のないポジション


というのが、残念ではありますが、日本の育成年代における実情でしょう。もちろん、自らGKやりたい!ってお子さんも昔と比べれば断然増えたでしょうし、GKに特化したサッカースクールやクラスに幼いうちから通うお子さんもいます。

が、どちらかといえば「やる人がいないから仕方なくやる」「じゃんけんで負けたからやる」「コーチにやれと言われたからやる」「やってもいいけど、本当はフィールドもやりたい」というのがまだまだ現状ではないでしょうか?

対比されるGK大国ドイツ。マスメディアなどでもGKは英雄のポジションとして紹介され、子供達に人気があり、最もサッカーが上手な子が担うことのできるポジション、それがドイツサッカーにおけるGK。

日本でもドイツのようにGKのセーブシーンをスポーツニュースでガンガン流せばいいのに、流れるシーンは、ゴールゲッターが得点に歓喜する反面ゴールマウスで失点の責任を一人背負うがごとくの表情をしたGKの姿、というものが圧倒的に多い気がするのです。

失点がGKだけの責任ではないはずですが(もちろんGKのミスという場面もあるでしょうけれど)、どうしても、失点=防げなかったGKのせい、みたいな風潮が根付いている気がするのです。特に、何となくサッカーをしている子供達だと余計にそう見えてしまうものです。

そんな重たいポジションを、子供達が競ってやりたがるはずがない。ゴールに追いゴールに蹴り込む方が断然楽しく感じるでしょう。

好きに蹴りこむ方がラクでしょう、どこに飛んでくるかわからんものを防ぐより、そして防げないと自分のせいで失点したと感じてしまうより。

子供達のサッカーの指導において違和感を覚えた場面があります。

それは、指導者が子供達に『サッカーで何が一番楽しいと思うか』と質問をし、子供達は各々思うことを答えていた時のこと。

最終的にその指導者の方は『サッカーで一番面白いのはゴールシーン、シュートを決めることだ』と断言されていました。しかも、自分の意見、ではなく、そうあるべきだ、という言い方で。
確かに点をとらなきゃ勝てないスポーツ、シュートを決める重要性を説きたかったのはわかりますが、それを『一番面白いこと』と指導者が決めつけることではないのでは?そう言うのであれば、逆にシュートを止める面白さ、というものも説けるはずなのですが、その点には一切触れず。

また、こんな場面もありました。

GKを始めてやってみた子が、なかなかの好セーブをみせていました。が、最後に1対1で失点しチームが負けてしまった。

1対1になってしまった反省点がチームにあったのかもしれません、が、この時は小学4年生達のチームでのこと。完全にシステマチックである方が難しいでしょう。

それに、本来は得点できなかったから勝てなかったのです。しかし、そのチームの指導者は『最後の失点で(君のそれまでの活躍は)帳消しだ』と、GKをやった子に言い渡しました。

指導する大人側がこれだから、まだまだ日本は実際にサッカーをやる子供達のGK人気が薄いのだというリアルな縮図を見た気がしました。早くからGKをやりたいという子供達を増やし才能を見出したいならば、まず指導者側がGKの正しい魅力を伝えられなければ難しいのではないでしょうか。


しかし、やってみたら、GKの面白さに憑りつかれてしまう人はたくさんいると思います。若林くんもその一人なのでしょう。

ストライカーには、俺が絶対得点して勝つんだ、というモチベーションがあると思いますが、実際に勝つためには、得点より多くの失点をしない状況、それを実現する守備陣が必要不可欠なはず。自分がどう頑張っても無理な時があるかもしれません。

一方のGKは、「最後の砦の俺が絶対抜かれなければ絶対負けることはない」と言える。絶対勝てる、とは言えません、得点は基本的には他のプレイヤーにかかっている。しかし、悪くても引き分けで終わる、GKの俺が抜かれなければ、「負けることはない」のです。
この、何という自己完結。まさにチームプレイのスポーツの中に光る孤高のポジション。そして、それを断言し、実行してしまう若林くんの格好良さ。その姿がGKというポジションの魅力をますます倍増しているのです。


☆そのポジションを選んだのはどうして?


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↑ ↑ ↑ 集英社 キャプテン翼マガジンvol.1 キャプテン翼MEMORIES2 おれが若林源三だ!!~SGGKの誕生~ より





……GKになった理由はわかりました。

そのGKを、若林くんが実際にやってみるきっかけ、やろうと思った、やってみることになった瞬間、を私は知りたい。その瞬間こそが、まさに『SGGK誕生の瞬間』だと思うのです。

もう『生まれながら』なのでしょうか?天才だし。

 
幼少期の環境の影響かもしれません。

天才だし運動神経抜群だし、フィールディングが放っておいてもある程度巧かった。

お友達とサッカーの真似事をして遊んでも思いどおりにシュートが決まるばかりで逆に面白くなかった。

試しに、家で修一さんか栄二さんとサッカーをしてみた。

男兄弟なら小さい弟のサッカーの相手をしてくれそうじゃありませんか。

そこで、PK合戦モドキのことをした時に、むきになったお兄さんが思いっきり放ったシュートを取れなかった。

……………悔しい!もう1回!と、何度もシュートを打ってもらううちに、守ることの面白さや抜かれなければ負けないという尊さを自然と学んだりしたのでしょうか。

 
サッカーを始めたら、誰でも足で蹴りボールを取り合いゴールを決める感じから入るでしょう。それをあえて、自分はGKをやろうと思った、そのきっかけとなる出来事をスピンオフで詳しく見たいのですよね

 

(2021.11.11追記 結局そういう具体的なきっかけがわかる場面はありませんでした)


☆スピンオフで見られるか?『若林源三初のPK戦』


そんな、GKが抜かれなければ負けないの醍醐味はPK戦です。

が、原作で若林くんのPK戦は描かれたことがありません。何故なら、通常PKはある程度ゴールが決まってしまうもの。若林くんがゴールされるばかりのPK戦なんてあり得ません。しかし、若林くんが守ってばかりのPK戦というのもあり得ません。それならば、日向君達キッカ―の方も点を取れないという展開にしないとストーリーとしては面白くならないわけですが、翼君はともかく、日向君、松山君、岬君、三杉君などがみんなPKのシュートを決められないというのも、それはそれであの世界ではあり得ないからでしょう。


従って、堂々と何も問題なく描けるPK戦シーンとしては、次号キャプテン翼マガジン・スピンオフでの小学5年生時点の静岡県大会や全国大会の決勝戦くらいじゃないかと思うのです。

ここで描かれなければ、彼が相手のシュートを止めた瞬間チームの勝ちが決まるという、GKにとって最も感極まるであろう場面には一生出会えないのではないかと思っています。

さて、震えながら次号までのあと約10日を待ちます。

(2021.11.11追記 結局ありませんでした、PK戦)


(2021.11.11一部書き換え)

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最後までお付き合いくださり、
本当にありがとうございました!

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