トレーニングと「腸内環境のキホン」
トレーニーのみなさん、腸内環境ケアしてますか?
一般的に腸内環境ケアが健康に良いとされることは知られていますが、昨今のトレーニーを見ていると食事意識がPFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物のバランス)のみに偏ってしまっている人もたくさん居るようです。
そこで、身体を扱うトレーニーこそが最も気を遣うべき腸内環境についてのnoteを書くことにしました。
本noteではトレーニーのために、腸内環境に関する基礎知識を提供します。
本noteを読み終えるころには以下の2つの問いに答えられるようになっているはずです。
①なぜ「白米と鶏むね肉だけ」の減量がうまくいかないか
②なぜ「イヌリンだけ」の食物繊維サプリメンテーションは十分ではないのか
この2つの問いについてしっかりと答えられることを意識しながら、本noteを読んでいただければ幸いです。
それではさっそく始めていきましょう。
1.腸内環境とは
そもそも、腸内環境とは何でしょうか。
「腸内」と「環境」に分けて考えてみましょう。
「腸内」とは読んで字のごとく、「腸の内側」のこと。これは理解しやすいでしょう。
では次に「環境」です。「環境」ということばの意味を調べてみると
「人間または生物を取り巻く、まわりの状況。そのものと何らかの関係を持ち、影響を与えるものとして見た外界。」(Oxford Languages)
と出てきます。
ここで注目していただきたいのは「外界」という定義。
ここから「腸内環境」とはすなわち「腸の内側という外界」のことを指すのだと理解できます。
ここで違和感を覚える人は多いでしょう。
たしかに「腸内(内側)」と「環境(外界)」という相反する概念が同居する言葉には違和感があります。
ここで解説を試みましょう。
そうすればこの一見矛盾した「腸の内側という外界」という言葉を理解できるはずです。
まず、一本の管を想像してみてください。
散水ホースでもいいですし、トイレットペーパーの芯や、ちくわでも構いません。
この筒状の物体に取り囲まれた空間、すなわちホースの内側の、水が通る空間は「ホースそのもの」と言えるでしょうか。
ちがいますよね。
それは単に「ホースという構造物に囲まれた空間」です。ホースそのものではありません。
その意味では普通に想像ができる「ホースの外側」と「ホースという構造物に取り囲まれた空間」は区別なく、連続しているのです。
つまり、ホースに取り囲まれた空間は「外界の延長」と言えるのです。
ヒトも同じです。
ヒトを貫くのは「消化管」という一本の管です。
ホース同様、消化管によって取り囲まれる空間は「ヒトそのもの」ではありません。
つまり、胃の中の空間や腸の中の空間は「外界の延長」だということができるのです。
この文脈で「腸内環境」の意味する「腸の内腔という外界」という概念がはっきりと理解できたかと思います。
それでも「自分のお腹の中が単なる外界の延長だなんて言われても…」という違和感が残る方もいるかもしれません。
その違和感、もっともでしょう。
ここで「環境」の意味を思い返してみましょう。
「人間または生物を取り巻く、まわりの状況。そのものと何らかの関係を持ち、影響を与えるものとして見た外界。」(Oxford Languages)
「環境」とは「単なる外界」ではなく「私たちに影響を及ぼす外界」のことでした。
これでかなり理解しやすくなるのではないでしょうか。
「腸内環境」とは「腸の内腔という、私たちに何らかの影響を及ぼす外界のこと」を示しているのです。
ここまでで「腸内環境」という言葉が意味するものが明快に理解されたのではないでしょうか。
2章以降ではその腸内環境がどのようにして私たちに影響を及ぼすのかを見ていくことにしましょう。
【1章まとめ】
「腸内環境」という語は「腸の内腔という"外界"が私たちに影響を及ぼす」ことを示唆する。
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