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~相手の課題をデザインで解決する  “代表取締役なんでも屋”③~

Q6昨年創業から17期を迎えられたとのことですが、これまで事業をやられてきて、鈴木さんが今感じていらっしゃることは?
紆余曲折ありながらも17年、環境・状況も変わり、会社の遺伝子もどんどん変化しています。ただ結局、17年やってきた結論として、最初のころにやっていたことがベースの考え方として残っている気がします。

基本的には代理店さんの仕事はあまりなくて、ほとんどが直接のクライアントさん、というのが弊社の特徴です。クライアントさんの数も、もしかすると同規模のデザイン会社さんより少ないかもしれません。その代わり一つのクライアントさんと複数のプロジェクトでやり取りしています。基本的に、お付き合いのあるクライアントさんから来たものは「全部打ち返します」。どっちかというとずっと長くお付き合いする昭和型なんだと。一つ仕事いただいたら、それがちょっとずつ膨らんでいっていう形が多いので、長年取引が続いているのが特徴ではないかと思います。

-Teruさんがタダさんの肩書きって何だろうねって言っていたのがようやくわかってきました笑

クライアントさんが困ったことにはまず応えていく」、「与えられた課題を全力で解決していく」と、必然的に濃い関係性をつくるやり方をしてしまっているので昭和的な働き方といわれるかもしれません。お客様から問いかけられた課題に対して、「それはわからないです」って言葉は余り言わないかもしれません。自分たちの専門から少しずれていたら、専門家探す、パートナー会社と連携して解決をしてきました。そうしていくと結局全部やっている、専門分野が逆にいうとなくなってくる。信頼してくれるクライアントさんのために何とかしたいので、「まずやってみる」という考え方をとっています。それこそ個人事業主から大手メーカー、地方公共団体、海外まで、クライアントは様々ですが個人のお客さんでも国でも大手でも、基本スタンスは同じです。

鈴木さんが大切にしていらっしゃる「美しい玩具」積み木


-そうするとクライアントさんのビジネス上の課題・困りごとについて、デザインを通して解決するお仕事ですね。

もはや業務範囲がデザインですらなくなってきているかも知れないです笑 10年ぐらい前から「代表取締役何でも屋」と名刺に書かせてくれって言っているのですけれど、駄目! 恥ずかしいからやめてくれ!と会社のメンバーから止められています。

デザインって考え方次第ですけど、問題解決の1手段だと考えています。ただ単純に課題・要望に対してどう解決するかということを考える、その結果の出力物がデザイン。

ある程度ロジック化すると、最初はデザインの「分野」を設定せず、提起された問題に適切なソリューションを組み合わせていくだけなので、そのソリューションがたまたまグラフィックだったりITだったり、Webであったりインテリアだったりするので、デザインの「分野」が最初から頭にあると、それしかできないので回答として選択肢が狭まってしまう気がします。

例えば、あるクライアントさんが自社サービスの会員を増やしたいという要望を持っていたとして、それが都会のど真ん中でやる場合と郊外でやる場合ではソリューションは違うはずなんですよね。今の流れだと、どっちも主流になっているWeb広告出せばいいというのではなく、郊外であればアナログ広告を中心とし、Web広告を組み合わせますが、一方都会のど真ん中でビラを配ってもらっても受け取ってくれないので、これはWeb広告オンリーというように、コミュニティに対して取るべきアプローチは変える必要があると思います。

なので、ソリューション自体は常に変動するものだと思います。その提示されるソリューションを考えるのもデザイン、だから本来「分野」はなくて当然ながら“何でも屋”にならなければソリューション自体展開できないはずなんです。本当にワンワードの課題に対して「じゃあどうする?」っていうところから始まる話。これがデザインっていう仕事の本質で、デザインっていう仕事そのもの、ではないかと思っています。

紆余曲折ありながらも17年、デザインを通してクライアントの課題を解決してこられた鈴木さん。次回はこれからのデザイン、働き方についてお伺いします!
④へつづく

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