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【写真短編小説】旅に出たら各所がラジオブースになった件。夏旅編

写真短編小説です。
お手柔らかにお願いします。

前回に続いて、ラジオ風の小説を執筆しました。
切り抜きや文字起こしのようなシステムです。
今回は夏の旅です。
こんな会話あるだろうなと想像して書いてみました。

この小説の楽しみ方。
時間がある方→プロローグから最後までお楽しみください。
時間がいない方→目次より興味のあるチャプターまでスキップしてご覧ください!

※この物語はフィクションです。
実在の場所などは関係ありません。


プロローグ

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「来れてよかったよね。」
『夏って感じだよなぁ。』
「呼んだ?」
『今の流れでは急に呼ばないわ。』
夏の夜。
お台場から見る夜景は、とても幻想的だった。
ただ、ここは2日間のフィナーレだった。
ご存じの方もいるだろうが、お互いに社会人で、この2人は付き合っていない。
男女の友達関係が成立してる2人だ。

発端はまたまたこの2人の食事に遡る。

『じゃ、乾杯!』
「KP~。」
『ギャルじゃねえか。』
「あたすぃー。ギャルなんすよねぇ~。」
『あたすぃー?!ギャルでも言わんて。』
「だよねぇ。」
『平成のやつよ。それは。』
「同感。」


和やかに進むご飯。
夏菜が口を開く。
「また、旅に出よう!」
『旅かあ。また2人?』
「もちよ。いやなの?」
『いやいいのかなって?そっちがよければ。』
「いいからいってるんでしょ?」
『じゃあ行こうか?』
「決まり!」
『んで今回はどちら?』
「今回はねあの千葉のホテルと~。」
『待て待て!デジャヴじゃん?』
「ちがーう!!いいから聞け!」
『もう暴君の言い方じゃん。』
「もう一つ建物あるでしょ!そっちに泊まります!」
『ああ、なるほどね。そういうことか。』
「リベンジしたい。」
『そしたら、前回みたいな行程か。』
「違うよ。今回は、夜のお台場にもアウトレットにも行きます!」
『しんどくない?』
「行きたいんだけどダメ?」
『まあいいけど。』
「じゃあ休み合わせて行こっか。」
『ういー。』

そして、8月上旬。
朝7時。三浦海岸駅のコインパーキング。
先に夏菜が着いていた。
「おう。おっはよー!」
『おはよー。早くね?』
「前回は11時ぐらいに集合してあんま楽しめなかったから。」
『十分だと思うんだけど。』
「じゃあ乗って。」
『はいよー。』

駐車板がさがる。
2人は車に乗り込む。
「じゃ行くよー。」
『ほーい。』


チャプター1 出発直後。心配の貴公子。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

『ふぁああ。んーー。』
「どうした?寝不足?」
『早くてさ。』
「寝ててもいいけど。」
『申し訳ないよそんな。』
「なーに。気つかってんの?」
『そういうわけじゃないよ。』
「じゃあ何よ。」
『しゃべってる時間が減るだろう。』
「あのさぁ・・・。恥ずかしくないの?自分で言ってて。(笑)」
『今言った瞬間に急に目が覚めた気がする。』
「自覚ありだったんだ。」
『口を滑らしましたわ。』

チャプター2 高速入り口前。朝食の言い方で揉める2人。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「そういや朝飯どうする?」
『朝ごはんって言いなよ。』
「いや朝飯でしょ。」
『野蛮だぞ。』
「はい出たー。偏見!」
『いや違うって。』
「女子だからってそう言わなきゃいけないみたいなやつ何?」
『そんな怒るなよ!』
「どうせ私は野蛮ですよ!」
『だからぁ。』
「何?野蛮なりに聞きますよ。何ですか?」
『マジか。ここで揉めんのかよ!』
「私は絶対言わないから!」
『悪かったって。』
「謝っても許さないから!」
『違う。理由を聞いてくれ。』
「何?どうせ女性なんだから淑やかに言うために朝ごはんって言えって言うんでしょ!」
『いや。夏菜はさ、顔をよく見たら結構かわいいじゃんか。』
「で?」
『だから、もったいないっていうか。』
「えっ?」
『1回だけ朝ごはんって言って?自分が悪かったです。』
「・・・そこのコンビニで飲み物と小さめの菓子パン買ってきて。車止めるから。」
『お、おう。』
コンビニに車を止める。
コンビニで買い出しを終えた冬太が戻る。
「・・・あ、朝ごはん?」
『えっ?あぁうん。かわいい。』
「ちょっ恥ずかしい・・・。辞めてよ!」
『これから朝飯っていっていいから。本当にごめんなさい。』
「こっちこそ熱くなりすぎたごめん。旅楽しもっ!」
再出発。
『事故るなよ~。』
「もう平気よ。あんただから言いすぎただけ。」
『お互い様だな。』
「あんた強くなったわね。泣き虫冬太だったのに。」
『恐れ入ります。』

チャプター3 高速の道中。フグになった2人。


「冬太ってドラマ見るの?」
『本当に気になった奴だけとかね。』
「恋愛ドラマみたいなのは?」
『あまりみないなぁ。コメディとかになっちゃうよなぁ。』
「何見んの?」
『例のおじさんが心の声でうまぁって言いながらご飯食べるやつとか。』
「あれね。面白いもんね。」
『うん。あれとかかな?』
「じゃあ、繰り返しになるけど王道恋愛ドラマとかは見ない感じだ?」
『見ないね。つーかさ絶対ないじゃん。そんなシチュエーション。』
「それな。すっごい分かるわ。」
『だから見ないなぁ。』
「じゃあこれは?角でぶつかって登校したらさっきぶつかったやつででした。ドンドン好きになってそしたら幼馴染と三角関係的な。」
『いやいや、あれはいきなりはならんて。』
「ねえ。あれ何?」
『あれなぁ。正解がわからんのよね。どっちと付き合うのがベストアンサーなのか。』
「仮にさ、どっちか振るじゃん。主人公にとってはさハッピーエンドでもフラれた側すごくバットエンドじゃない?」
『そうなんだよね。で急に大人のドロドロ劇にならない?』
「裏を返せば。」
『爽やかにはならないね。実際は。』
「じゃあ次、イケイケの俺様系イケメンがさえない女の子に、「俺の彼女になれ」って言って最初は嫌いだったけど徐々に好きになっていくってやつは?」
『あるわぁ。』
「あれも私理解できないの。」
『分かるよ。俺様イケメンっていうのが嫌だな。あれやられたらどう?』
「正直ドン引きよね。」
『ハハハハハ!!そんなに?』
「だって想像してみてよ。その俺様イケメンはさ自分がかっこいいの分かってるわけじゃん。」
『はいはい。』
「それで絶対オトセるっていう確固たる自信があるわけじゃん。」
『そうだな。』
「その軽視されてるのが本当に許せないっての?」
『あと、そいつってモテ男なわけじゃん。女子の嫉妬がえぐいでしょ。』
「絶対かわいそうだよ。その女の子が。」
『誰も得しないよね。』
「恋愛は好きな人と好きな人が両想いになって穏やかに進めばいいのよ。」
『そうだな。』
「恋愛はそういうものよ。」
『おっ名言ですね。ちなみに、付き合ったことは?』
「ないっす。あんたは?」
『自分は・・・ない。』
「何で溜めた?」
『よく見せたかったからぁ。』

チャプター4  海ほたる直前。夏菜のあざと女子講座。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「冬太。」
『何?』
「これだけは言わせて。」
『怖いなぁ。もう。』
「あんたはあざと女子に絶対引っかかる。」
『急にどうした?引っかからんよ。』
「いーや。絶対引っかかるね!」
『なんだその自信は?』
「だってあんたアザト女子の格好のエサよ。」
『なんだよ!人をドッグフードみたいに言うな!』
「でも、ワタシの講義を受ければ引っかからなくなりマース!」
『怪しいセミナーだな。』
「今回は、本当は100万円のところ10万円で教えまーすヨ!」
『じゃあ結構。』
「そう言わずに~。いいんデスカ?モテなくても?」
『結構です。あと、このまま外国人風ペテン師キャラを演じ切るんですね?』
「・・・やめます。」
『素直でよろしい。』
「でも絶対聞いた方がいいの!タダでいいから!聞いてくれない?」
『分かったよ。もう。』
「仕草は追々言うとして今回はセリフね。」
『セリフ?』
「そう、今回は3つ言うわね。」
『3つも?』
「ホントはもっとあるわ。」
『何?』
「1つ目。・・・すっごくかっこいい!」
『それは大丈夫だな。』
「根拠は?」
『自分をかっこいいって言う人を信用していないから。』
「あっそうね。あんたそういう人だもんね。」
『ネガティブを限界突破してるから。』
「じゃあ2つ目。・・・私にはできないなぁ。」
『普通じゃないの?』
「それが落とし穴よ。ホントは出来るのにできないということで引き寄せる手段ね。」
『ほー。なるほど。』
「3つ目。これが一番あんたにとって危険かも。」
『危険?そんなわけないじゃん!』
「・・・なんかぁ冬太君のこと好きになっちゃいそうだなぁ。コレ。」
『いやいやいやいや。そんなわけないじゃん。』
「経験あるじゃない。好きって言われて何回鼻を伸ばしていたか。」
『んぐ・・・!』
「んでもって最たる例は、小6の時か。小学生の習い事の時。あの千紗ちゃんに言われてたじゃない。」
『ウソだろ・・・。』
「冬太君のこと好きになるかもぉって。」
『あれかぁああ!!』
「フフッ。そんな冬太に残念なお知らせです。察しのいいあんたなら分かるかな?」
『何?』
「その言葉。同級生の男子の大多数に言ってました・・・。(笑)」
『んん・・・。ふぅ・・・。』
「そういうもんよ。女子って。」
『先生、勉強になりました。』
「また、受けてくださいね。私はあなたの味方です。」
『ありがとうございます。』
「じゃあ旅楽しみましょ。あの子は忘れて。」
『うん。ちなみにこれは洗脳ではないな?』
「もちろん。証人さなっちもいるから。」
『あと、あの時10万払ってたらどうしてた?』
「正直困ってたわ。良かったわホント。あんたがモテに飢えてなくて。」

チャプター5 早朝の海ほたる。夏菜、多趣味な冬太に憧れる。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

『ほい、アイスティー。ガムシロは自分で入れて。』
「サンキュー。」
『じゃあちょっと待ってて。』
「んー。」
5分後。
『お待たせ~。』
「あっ来た。」
『いいフォトスポットだったからさ。つい。』
「へぇ。いいなぁ。」
『ん?何が?』
「冬太ってさ。結構趣味多いよね。」
『うんまあね。でもけっこうインドア寄りだけど。』
「10個はある?」
『うーん・・・。どうかな?ある気はする。』
「言ってってみたら?」
『えーっと・・・。写真。カラオケ。麻雀。散歩・ウォーキング。クイズ。音楽鑑賞。テレビ。チェーン店巡り。料理。旅。10個上げたらこんなかな?』
「いいなぁ。でさ気になったこと聞いていい?」
『えっ?メモってたの?』
「うん。なんか私でも始められる趣味ないかなって。」
『ドライブがあるじゃん。』
「でもそれだけなんだよねぇ。」
『でもいいと思うけど。』
「もう2つぐらいはね。じゃ聞くね?」
『なんか記者みたい。』
「職業病なのよ。編集者だからインタビューとか取材癖がついてて・・・。」
『ああ、なるほど。』
「私でも出来そうなのは・・・。カラオケかな?」
『一人カラオケめっちゃいいよ!』
「そんなおすすめ?」
『そこで仕事もできるし、歌えるし。』
「リモートワークね。なるほど。」
『ガチ採点してるな。自分。』
「何歌うの?」
『うーん。一部のアニソン、アイドル、芸人ソング、テレビ番組ソングとかとか?』
「いいなあ。今度はカラオケかな?」
『2人で?』
「2人で。」
『それこそカップルの所業でしょ!』
「別に良くない?」
『まあまあ。』
「じゃ決まり。次はっと・・・。チェーン店巡りかぁ。コレなら出来そう!」
『あくまでソロ活だけどね。簡単だと思うよ。』
「一人でってことか。」
『そう。パスタチェーンとか喫茶店、町中華からファミレスまで気になったところに入るだけだから。』
「次の昼休みやってみよ。」

チャプター6 早朝の海ほたる②。夏菜、沖縄物産展の取材に行ったら。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「まだ、9時前よ!早かったかなぁ。」
『じゃ軽くなんか食べる?』
「さんせーい!」
『じゃ店を選ぼうか。自分が払うから。』
「はっ!まさかこんな晴れてるのに雨かぁ・・・。」
『やっぱおごるのやめようかな。』
「冗談よぉ。」
『この店でいい?』
「イエス。」
『へえ。美味しそー。』
「私はこれ。」
『自分はこれだな。』

席に着く。
「スパムたまごおにぎりうまぁ。」
『南の島で有名だよな。』
「ホント美味しい。」
『それならいいや。』
「スパムたまごおにぎりといえば、聞いてくれる?」
『何?どうかしたの?』
「いやね。木曜日にデパートで沖縄物産展が開催されてるっていうんで取材に行ったわけさ。」
『横浜駅か。』
「そう。でグルメの取材を終えてエンジョイモードに切り替えたんよ。」
『はいはい。』
「それで、ブラブラしてたら見覚えのある顔っぽい人がいたのよ。」
『ほうほう。』
「でそっちの方に行ったら、声かけられたの。日原さん!って。」
『うん。』
「やっぱり知ってる人で、浜川ちゃんっていうんだけど。」
『浜川ちゃん。』
「その浜川ちゃんってのは編集部時代の後輩で3つ下なのね。」
『3つ下。結構若いんだな。』
「そう若いの。で入社2年目の時に急に辞めちゃったの。」
『結構すぐだ。』
「うん。で、久々に会って話してたの。」
『久々の再会。いいじゃない。』
「で、話聞いたら沖縄にハマっちゃってすぐ起業しちゃったんだって。」
『結構やり手なんだな。』
「うん。で物産展に出店するぐらい成長しちゃって。」
『え、待って!まさかの出店者側?』
「そう!それが驚いたの。」
『何売ってんの?』
「沖縄の名産のバッグとかね。」
『実用的だ。』
「ちなみにこれが買ったやつ。」
『これかぁ。いい素材だな。』
「そう。すごい使いやすいの。」
『これはすごくいい買い物だ。浜川ちゃん様様じゃないの。』
「これは、後悔してないんだけど。」
『これは?』
「もう一つ買ったものがあって。」
『もう1個?』
「それが三線なのね。」
『三線!?なっちゃんってギターとか弾けたっけ?』
「まったく弾いたことない。」
『何で買ったの?』
「いや。沖縄の風感じたいなって思ったのと浜川ちゃんのセールストークに釣られちゃったの。」
『で、家にあるの?』
「ウチ、マンションで弾けないんだわって言ったらじゃあ家でインテリアにもできるって言われて。」
『え?弾けないの?』
「そう。だから、弾くためにはカラオケとか行かなきゃいけないの。」
『ダメじゃん!』
「三線が3万ぐらいで、ケース代が5000円ぐらい?」
『そこそこだなぁ。』
「だから、今弾かず見てるだけ。」
『意味ない!』
「いる?」
『どうにか弾いたら?これこそ趣味にできるでしょ。』
「あの。たまにいるじゃん?楽器背負ってる若者。」
『自分も十分若者だけど。まあいるね。』
「アレの中にあんま弾けない三線持ってるってちょっと恥ずかしいじゃん。」
『見えてないんだからいいんじゃないの?夢追う若者だって最初はそうでしょ。』
「確かに。」
『やってみたら?』
「うーん?まあそのうち?」
『やらねぇな。こりゃ(笑)』

チャプター7 海ほたる出発直前 男が困る女子の質問。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

『あい。撮るよー。はい。』
「どう?」
『いい感じ。サンキューね。』
「うん。無問題。」
『フフッ。』
「ねぇ冬太。」
『どうした?』
「私ねどっか変わったと思わない?」
『お、おう・・・。うんうんうん。』
「どこ?」
『スゥーー。あそこだろ。分かってるって。』
「言って?」
『そんな彼女みたいなこと聞くなよぉ。』
「分かんないんでしょ?」
『いや分かるよ。あえて言わないだけだって。』
「じゃチャンス1回で行けるよね。」
『分かった!うんんん。髪の色?』
「・・・。あんたさぁ・・・。分かってたんじゃん!」
『はぁぁだろ!なんかピンクっぽいなぁって思ったんだよ。』
「ピンク髪好きっしょ?あんまり派手じゃない黒に近いような。」
『まあね。』
「これって男が困る質問の1つらしいわよ。」
『そりゃ困るわ。』
「わざと聞いたらこの様よ。」
『ハイリスクローリターンだな。』
「最強のアンサー知ってるわよ。」
『何?』
「そんなことより全てかわいいのは知ってるし、1つに絞れないな。よ。」
『お前・・・。男装経験は?』
「ないわ!!」
『そういう言葉は、キザ男しか言わん。』
「言ったら一撃必殺よ。」
『自分が言ったら、どうなると思う?』
「そりゃオチるわね。」
『キモっで、ジエンド。』
「ある意味ね。一撃必殺。」

チャプター8 アクアラインの道中~目的地間近 冬太寝落ち寸前。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「冬太。もうすぐ着くよ。」
『うーん・・・。うんうぁー。』
「寝るんじゃないの。あと15分ぐらいよ。」
『もうこうなったら寝・・・ないし。』
「賭けてみる?」
『望むところ・・・。』
「じゃあ負けたら私をきゅんとさせてみて。」
『自分が勝ったら何でもいい・・・。水おごり・・・?』
「水ね。分かった。」
『うーん・・・。zzz・・・。』
「フフッ。」
15分後。
「ふう着いた。冬太着いたよ。」
『ん・・・。マジで?』
「賭けは私の勝ちね。さあキュンとさせなさい。」
『もう・・・。目見て。』
「タダじゃ堕ちないわよ。」
『ママぁ・・・。大好きだよ?』
「ヘへッ。もう負けたぁ。」
『なっちゃんさ。母性に弱いよね。』
「この手の勝負強いんだけどね。ママ出されちゃダメね。」

チャプター9 ホテルのプール メンタリストかよ。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「じゃーん。」
『・・・。』
「どうしたの?変かな・・・?」
『いや・・・めっちゃ可愛い。』
「ありがと。この色合い好きだった気がすると思って。スカイ系の。」
『うん。』
「それで、パーカーにデニム生地の下だね。」
『あのいい?』
「何?派手過ぎたかなぁ・・・。」
『いやいやいや!違うの。前もそうだけどさ。自分の好みの水着を知ってるんだ?』
「そりゃ長い付き合いよ。あんたの好みぐらいわかるわ。」
『そうなの?』
「うん。部屋行ったら他のこともどんどん当ててあげる。」
『語弊を生じるからやめろ。』
「フフッ。」
『にしてもさっきと性格が違いすぎないか?』
「だって恥ずかしいんだもん・・・。冬太の前であんま見せないし・・・。」
『確かにな。』
「他の人にも見られてるし。」
『憧れてるんだよ。なっちゃんのスタイルに。』
「さ、さらっと言わないでよ!さらに恥ずかしい・・・。」
『遊んでれば気にならんて。』

チャプター10 チェックイン後の客室。冬太の好き答え合わせ。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「やっと入れる。ピョーン!」
ドサッ。
『ベッドにダイブしたの?』
「オフコース。」
『痛めるなよ。よっこいしょ。』
「ねー。さっきの答え合わせしよっか?」
『プールで言ってたやつか。恥ずかしがってた時にねぇ。』
「バカッ。」
『いいよ。望むところだ。』
「じゃあ、言ってくね。」
『どこでもどうぞ。』
「まず、冬太は甘えたい性格。」
『ほう。で?』
「外見からだけど、目はぱっちりして大きい方がいい。」
『ほう。合ってる。』
「鼻とかはこだわりはなくて、口はぽってり形。」
『うん。』
『同世代のお姉さんとかクール系がいい。もちろんガーリー系もあり。』
『マジか・・・。』
「服装は、丈長めのロングシャツ好き。長さはふくらはぎぐらい。」
『もーう!』
「まだ行くわよ。冬とかは女子には生足を出してほしくないでしょ。」
『はい・・・。』
「ったくここまでにしてあげる。これ以上言うと泣くでしょ?」
『ありがとうございます。』

チャプター11 夕食後。誤解させゲーム。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太
「ねえ。冬太。私ね恋愛ゲームにハマってるのよ。」
『現実で恋愛してないからか。』
「ここって東京湾だっけ?(怒)」
『冗談だよ。イケメン不足って感じか。』
「そう思うでしょ。可愛い女の子とのゲームなんだな。」
『まるで、男は足りてるみたいな。』
「ウソではないわね。」
『確かに欲しくなければ、必要ではないか。』
「ま、ま、まさかぁ。」
『図星。まあいい。ターゲットがこっち寄りじゃね?』
「そうよ。男性向け。」
『なんでまた?』
「勉強もかねてね。どうしたらモテしぐさを自然に出来るか。」
『なるほど。モテたいんだぁ。へぇー。』
「でさ、ちょっと提案なんだけど誤解させゲームしない?」
『なんか嫌な予感はするけど。』
「簡単よ。他のお客さんに私たちをカップルと勘違いさせるゲーム。」
『的中した。勝ち負けは?』
「ないよ。ただの自己満。それだけだと面白くないわ。追加しましょう。」
『追加?』
「どっちかが照れたら負け。でどう。」
『分かった。負けたら?』
「明日1日相手の言うことを聞く。これでいい?」
『乗った。本当は嫌だけど。』
「童貞のあんたは一発で仕留められるけどね。じゃあゲーセン行こ。ゲームスタート。」
『おう。』
15分後。
「冬くん。卓球したいなぁ。」
『いいね!なっちゃん。卓球しよっか。』
「うん。でも、ワタシ卓球下手かもなぁ。」
『大丈夫だよ。なっちゃん。ミスしたなっちゃんもみたいなぁ。』
「もう冬くんったら!」
『じゃあこっちからサーブ行くよ。そーれー。』
「ああミスっちゃったぁ。」
『そんななっちゃんもすっごくかわいいよぉ!』
「フフッ。」
『ハイ勝った。』
「ちょっと待って!もう!」
『もしかして、かわいいって言われたいだけなんじゃ・・・。』
「待って待って。ノーカンノーカン!」
『終わり終わり。普通に卓球しよう。』
「ええ~。もう1回だけ。ね?」
『自分が何て言うと思う?』
「ワンチャンいいよ。かな?」
『んー。不正解。ヤダ。』
「ケチ―!」

チャプター12 2日目の朝。冬太が引いた夏菜の記憶力。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「冬太くーん。おはよう。」
『おはよう。なんかあるな。』
「何もないよぉー。でも昨日の夜はすっごく盛り上がったよねぇ。」
『昨日の夜?ああ卓球な。』
「違うよ。部屋に戻ってきてからさぁ。」
『うん?』
「寝ぼけてて分からないかも。私のことをさぁ・・・。」
『ウソだろ・・・。』
「みんなに話しちゃおっかなぁ。」
『いやいや。』
「フフッ。冗談よ。何もしてない。」
『心臓止まるか思うわ。』
「でも、そっち系の奴でこういうジャンル好きだったわよね。」
『は?』
「朝起きたら隣に・・・。みたいな。」
『・・・。えっ?』
「えっじゃないわよ。」
『怖すぎるんですけど。なんでそんなとこまで・・・。』
「この前家行ったじゃない?その時にパソコンの画面がそのままだったから。」
『だからって・・・。』
「まだ覚えてるわ。他にも言えるけど?」
『いうな!!あとストーカー行為は良くない。』
「ストーカーじゃないわよ!!引かないでよ!!」
『誰でも引くわ!!』

チャプター13 アウトレットにて 夏菜と冬太のオシャレ事情。

「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「こんなもんかしら。」
『こんな買うの?』
「これだけあればなんとかなりそうね。」
『2時間半でこれは多すぎんか?』
「えっ普通じゃない?」
『つーかさ。店の位置がわかりすぎだって。』
「そりゃ調べてるもん。欲しいアイテムはどの店かって。」
『ホントはもっとかかるだろ?』
「普通なら4時間はかかるんじゃない?この量なら。」
『ゲスい質問していいか?』
「お金ね。多分これで5~6万ぐらいかな?」
『服で!?ありえない・・・。』
「そんなこと、絶対彼女の前で言ったらアウトよ。マジで。」
『いやいや。違いすぎて・・・。年何回ぐらい買うの?』
「年4回かな。季節ごとに。」
『服無駄じゃない?』
「トレンドに合わせてね。もちろんいらなくなったらリサイクルショップで売るわ。」
『年20万かぁ。考えられないな。』
「あんたはいくらよ。」
『平均年1~2万ぐらいか。行くときは年4万かな?』
「オシャレ嫌い?」
『あんま好きじゃないな。』
「絶対した方がいいって。」
『色とかは気つかうけど。あと占い師にもあんたオシャレした方がいいって言われたな。』
「見てるのよ。占い師も。」

チャプター14 お台場に向かう道中。冬太、お台場愛を語る。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「じゃあ次はお台場ね。」
『すごい久々。今の時間ならお台場の夕焼けはまだだな。19時ぐらいか。』
「やけに詳しいわね。」
『そりゃ年1で行ってましたもの。』
「お台場年1!?1人で?」
『当たり前です。』
「何しに?」
『最大の目的は、レインボーブリッジの写真を撮りに。』
「写真撮影か。」
『そう。あと、テレビ局のイベント行ったり。』
「あ、あれね!」
『今年もやってると思うけど。』
「まあ時間次第ね。でも、その2本柱で1日楽しめる?」
『他にもいろいろ楽しむけどね。』
「じゃああれは?ジョイ○○スは?」
『行ったことない。あれは1人で行けない雰囲気がある。』
「あーね。じゃどこ行くの?」
『カラオケとか。』
「ちょい待ち。お台場来てまで?」
『景色がいいのよ。』
「だからって・・・。」
『他にもあるけど。』
「正直お腹いっぱいっす。案内は任すわ。」
『うい。』
「お台場の何がいいの?」
『景色とはかなさかな?』
「はかなさ?」
『まずは、夜景とか東京を俯瞰的に見れるところかな?』
「ああ、なるほど。」
『2つ目の儚さには条件があってイヤホンは今日ある?』
「イヤホン?一応持ってるけど。」
『とある曲を聴きながらボーっとするだけですごい楽しめるから。』
「ととのうの?」
『まあそんな感じ?』

チャプター15 フィナーレ。 お台場の夜景でととのう。


「」・・・夏菜
『』・・・冬太

「うわぁぁー!キレーイ!!」
『これは写真に収めないと。』
「確かにお台場の夜景綺麗だわ。」
『コロナ禍で来れてなかったんだけどいいね!』
「コロナ前はどうだったの?」
『ん?こんな感じで屋台船とか通ってたんだよ。』


「これは、映えるぅ。」
『でも変わんないなぁ。』
「でさ、夜景でととのうってどういうこと?さっき言ってた。」
『ああ。あれ?やってみる?』
「うん。」
『準備するのは2つ。イヤホンとある曲なんだ。』
「ある曲?」
『推してるアイドル一緒だからわかると思うけど、あの曲ってスマホに入ってる?』
「まさか・・・。あの曲か!」
『そう。あれ。』
「絶対いいわ!」
『でしょ。やってみよっか。』
「うん。」
曲が終わる。
「これはダメね。泣いちゃうかも。」
『これを聞きながら何も考えずに心をデトックスするんだよ。』
「歌詞がいいわよね。」
『なんか刺さるでしょ。』
「うん。これは毎年来たくなる。」
『このために来てるって言っても過言じゃない。』
「新たな楽しみ方だな。」
『フフッ。』
「夏はこれだな。」
『お楽しみのところ申し訳ないが、1個忘れてないか。』
「うん?何のこと?」
『いうこと聞く件。』
「忘れてなかったのね。いいわ。何?」
『また2人でなっちゃんの車使って旅に出たい。友達として。負担デカいかもしれないかもだけど。』
「もちよ!運転好きだし。何回でも行くわ。」
『あざす!』
「でも、来れてよかったなぁ。」
『夏って感じだよなぁ。』
「呼んだ?」
『今の感じでは呼ばんわ。』
「あんた、ウチのこと夏って呼ばないよね。」
『うん。なっちゃん呼びがなんかテンプレになってる。』
「テンプレ!?」

驚きがお台場の夜に響いた。












 































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