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#40.嘔吐

妻が脳腫瘍と診断される前、一番初めに発症したものは「水頭症」。

最近、妻は夕食後の嘔吐が頻繁に起こっており、「水頭症の再発」を心配している。

そもそも水頭症はどんな病気なのか整理しておきたいと思う。

脳腫瘍では、その腫瘍の増大により「水頭症」を発症する可能性が高いので知らなかったという方は知っておくといいかもしれない。

*水頭症の症状*

・水頭症は脳室に髄液が溜まる事を言う。
脳腫瘍は水頭症を合併する事が多い
・症状としては頭痛や吐き気、嘔吐、認知障害(痴呆)、尿失禁(おしっこをもらす)、歩行障害(ふらつき歩行)複視(物が2重に見える)、意識障害。
・特に頭痛,吐き気,嘔吐が多く,これを頭蓋内圧亢進症状という。
・とても小さい子供では,頭囲(頭の大きさ)が拡大してくることがある。
・閉塞性水頭症と交通性水頭症がある。
(妻が発症したのは「閉塞性水頭症」)
・脳腫瘍が生じるのは主に閉塞性水頭症。
・閉塞性水頭症は頭の中の髄液の流れが、どこかで詰まってしまったために、水がたまった状態をいう。
・また交通性水頭症は髄液が吸収されなくて起こるもの(髄液吸収障害)。
・交通性水頭症は合併症としての髄膜炎か、腫瘍細胞が髄液播種を起こしたときになる(妻は髄液播種を起こしており、これになる可能性はある)。
・側脳室の腫瘍、モンロー孔周辺の腫瘍、第3脳室/視床下部の腫瘍、中脳水道周辺の腫瘍、中脳の腫瘍、視床の腫瘍、小脳腫瘍、第4脳室腫瘍、小脳橋角部腫瘍と呼ばれるものが水頭症を生じる(妻の場合は腫瘍が第3脳室/視床下部にあり水頭症を発症した)。

また妻の場合、当初は朝方の吐き気や嘔吐、頭痛があった。これは夜寝ている間に脳圧(頭蓋内圧)が高くなり、起床時に頭痛、そして吐くといった典型的な脳腫瘍であり水頭症の症状の一つだったと思う。

*治療*

・閉塞性水頭症は、髄液の流れを止めている腫瘍を摘出することで治る。
・緊急時は、脳室ドレナージという簡単な手術で水を抜く。
・脳室腹腔短絡術(VPシャント手術)で頭の中の髄液をお腹(腹腔)に流す治療が多い(妻の場合、再発時にこの手術を実施)。
・第3脳室後半部から第4脳室までの間で詰まってしまった場合、内視鏡(カメラ)でのぞいて,第3脳室の底部に穴を開けて水のとおりをよくする第3脳室開窓術というのが一般的。また第3脳室開窓術は,松果体腫瘍や小脳,第4脳室腫瘍で行われる(悪性腫瘍で、VPシャントをすると悪性細胞が腹腔に転移する(腹腔転移)ことがある。これは致命的な合併症になるので、最初は第3脳室開窓術をする(妻も初発はこの手術を実施)。
・長期留置型の脳室ドレナージ法を用いる(但し主治医へ相談した際は長期留置型となると感染症リスクもあるので現実的ではないようだ)。

整理すると妻の場合は

病変→松果体脳腫瘍(第3脳室/視床下部)
水頭症初発時の治療→第3脳室開窓術
   〃 再発時の治療→VPシャント手術

妻の場合、脳腫瘍診断時に髄膜播種も認められたので、V Pシャント手術を行うにあたって悪性細胞が腹腔に転移してしまう(腹腔転移)の可能性があり、当時は東京女子医科大学へセカンドオピニオンへ行った経緯があり。

同大学の見解としては「腹腔転移の可能性は低いので、今のところでは水頭症の改善が先」とのこと。主治医も同様の意見であったのでVPシャント手術を行うことを決めた。

* *

現状、妻の症状は嘔吐のみ。水頭症の頭蓋内圧亢進症状(頭痛,吐き気,嘔吐など)の中でも、特に頭痛など症状はない為に様子見をしている状況(主治医へは電話にて相談しているが、嘔吐だけであれば様子見してくださいとの回答)。

ただここ数日間、嘔吐だけは続いている。心配ではあるし、明日は大学病院脳外科が診察可能なので、明日の朝改めて診てもらうか判断したい思う。

* *

嘔吐が続いていること、最近は寒くなり「冷え」などもあることから「免疫力」の低下を心配している。免疫力低下は、がん闘病でも不利だと思うし、風邪を引いたり、最近だと「インフルエンザ」などにかかるリスクもあるので、何とかしてあげたい。


記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。