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#75.理想と現実

今日は先週のMRI結果を受けて、今後の治療をどうやっていくかアドバイスをもらうべく東京女子医大へ行った。

妻には事前に何度も、『私が今日、東京女子医大へいくこと』を説明していたのだが、朝起きてからも「今日はどこにいくの?東京に何しにいくの?」と聞いてきた。

やはり最近は記憶障害が進行しているように思う。

今日は13時30分からの受診だったので、比較的ゆっくりと病院へ行くことができた。ただ品川駅で降りるはずが、ボーっとしていて一駅降り過ごしてしまうハプニングがあったが💦

また病院に着いても非常に混雑していた為、1時間以上の診察待ち。

まぁ妻の病院や子どもの病院へ行き過ぎて、待つのは慣れましたが。

帰りについては22時と遅くなるので、それまで妻は義母へ預けた。

肝心の東京女子医大から聞いた話としては

原発部位は確かに全体的に増大している。また特に『脳弓(のうきゅう)』への増大侵食が大きい。おそらく最近の記憶障害については、その影響が出ているのだろう。

全脳へ放射線を充てているが、増大部位(脳弓)への局所サイバーナイフならば追加で充てることができるのではないだろうか(確かに妻は全脳へは40グレイ程度しか充ててはいない。ケースバイケースで部位による脳の耐性によるかもしれないが、医学的には最大で60グレイまでは可能だと思う)。

ただ勿論ながら放射線科との打合せが必要だし、副作用(リスク)もあるので、そのバランスだと思う。

チャレンジングな医師や放射線科であればやってみるとは思う。

根本的な解決にはならないが、増大部位への放射線治療により半年程度のコントロール(増大を抑える効果)は期待できるのではないか。

私としては『半年程度』でも、増大部位のコントロールができるのはありがたいと思った。ただ『脳弓』は海馬からの情報記憶を伝える部位であるので、追加で放射線を充てるとなると、記憶障害が更に悪化していく可能性は当然ある。

また東京女子医大の先生もMRI画像を見ての判断アドバイスなので、主治医は別の意見もあるかもしれない。先日のMRI画像説明時には追加の放射線治療は難しいと言われている。なので別の理由があるのかもしれない。

ただ今日頂いた話をもとに、主治医へは相談してみようと思う。

ただ間違いなく言えることは『状態は良くない』ということ。

そして『時間はあまりない』かもしれないということ。

現実を見ないといけない時期なのかもしれない。

*   *

帰りに羽田空港で私の兄と会い、一緒に食事をした。

いつも妻の親族とばかり会っているので、私の方の家族と会えると正直ホッとする。

兄とは今でも仲が良く、妻の脳腫瘍が発覚し、最初に東京女子医大へセカンドオピニオンに来た時も、仕事を休んで付き添ってくれた。

兄にも小さい子どもが2人(3歳と0歳)がおり、話もわかる。

兄とは今後のことを話した。

今後どうするのか。

そして最悪のケースを想定して準備しておかないといけないことも。

もしもシングルファーザーとなった場合、どうしていくかを。

私は以前より、今年が勝負の年だと思っている。

今年、新たな治療が出てくるだけではダメ。

妻がその治療ができうる状態であること。

そして妻に新たな治療が効くこと。

ハードルは非常に高い。

はっきり言って妻が最悪のケースになる可能性の方が高い。

理想と現実。

現実についても今後しっかりと考えておかないといけない。

ただ今日の朝、私が出かける時に妻は言ってた。

この前、沖縄に行けてよかったよって。

記憶がなくなることが多いのに、沖縄旅行にいったことは覚えていた。

本当に連れて行ってよかった。

今後どうなるかはわからない。

ただ少なくても『今そこに妻はいる』

今ある時間を大事にしよう。

記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。