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暴君と敗将
この地の王は暴君の名に相応しい。戦上手で武芸に長ける一方、統治の悪さは民衆の反感を常に買い、少しでも気に入らないことがあれば家臣であれどすぐに処刑する。それも口にする事もおぞましい方法で。
そんな暴君であるがその性格が災いして敵をよく作る。今日も敵国が攻め入って来たが騎馬兵を3千と歩兵5千、敵の半分にも満たぬ兵力で見事撃退した。だが家来達の顔は浮かない。それもそうだ、攻められるより何もない方が嬉しいのだから。戦は日に日に増える一方だが、暴君は飽きないのであった。
その日暴君は敵の敗将を捕らえ、陣中にて首を斬ろうとしていた。暴君は刀を選び、兵と家来を観衆代わりに縛られた敗将の首を斬ろうとすると、敗将は暴君に待つよう呼びかけ提案する。
「私はお前の評判を知っている。ただ私の首を斬っても面白くないだろう。なら私自らが首を斬って皆を驚かせようじゃないか!」
あまりに意気揚々と語るので清々しいやつだと暴君は大層その敗将を気に入り、彼の縄を解いて刀を渡す。敗将は笑顔で刀を貰い笑顔でそれを眺める。
「この刀は素晴らしい!首なんぞ簡単に斬れるな。」
その瞬間、敗将は笑顔で刀を振り暴君の首を斬った。敗将は何事もなかったかのように近くにいた暴君の家来に刀を渡す。
「自らが斬ると言ったが、自らの首を斬るとは言ってないからな。どうだ、驚いただろう。しかしまぁ、評判以上の阿呆だった。」
敗将は唖然とする兵士たちに視線を送られながら歩いて帰っていく。
その後暴君の家来達はあまりの出来事につい拍手をし、敗将の属する国に負けても良い気がした。
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いかがでしたか?今回のお話の教訓は人によると思いますが、思ったものを大事にしていただければと思います♪
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