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北風

明けない冬はない、誰かがそういった。

そんな事は誰もが知っている。

だけどもそんな言葉が時折信じられない。

いくら待っても寒い夜が続く。

周りはいつも寒さを凌ぐため厚着をする。

雪の多さと寒さに文句をつける。

それでも駄目なら次第に他人へ八つ当たり。

寒さのせいで荒むのは他人だけでない。

自分もその節がある。

恐ろしい冬は人の数少ない良心の邪魔する。

雪が綺麗だとはしゃげるあの頃はもうない。

毎年来るあの心地良さをただひたすらに待つ。

辛い日々は少しずつ終わりを迎える。

寒い日々を超えよう。

そしてあの日の自分に戻るのだ。

越えれば暖かい世界が待っている。



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