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IT業界に入りたい学生、若手のエンジニアの方に知っておいてほしいこと


ネット上でよくこの手の記事を見ますが
私自身も前々からよく相談や質問などは受けていました。
その際に同じような話をすることが多いですが、
少なくとも私の周りでは多少なりとも需要があるということもあり
今回ここにまとめておこうと思います。

この話は
・IT業界に興味があって入りたいな、ITエンジニアになりたいなと思ってる学生
・IT業界入ったけど回りのことが気になる、自分のキャリアを考えている若手のエンジニア


主にこんな方たちに読んでいただきたいと思って書いてます。
少しでもこんな方々の悩みの解決や就職や転職の手助けになればいいなと思います。

前提

これから書く話は、私の体験談や聞いた話や一般的な話が中心に書かれてあります。
否定的な内容も出てきますが、特定の会社や誰かを批判するつもりはありません。
また、そうは言っても書いてあることがまったく当てはまらない会社も世の中にはあるはずです。
ちなみに起業したいとか独立したいとか考えてる人はここに書いてある限りではなく、たぶんさらに過酷なことが待ってるはずなのでその覚悟で臨みましょう。
書いてあることとあなたが体験したこと、これから体験することがちがっても自己責任でお願いします。


はじめに

さて、私が受ける相談や質問の内容は
・「ブラックはやだ!」
・「給料どうですか?」
・「IT業界の仕事って楽しいですか?」
・「〇〇という問題があるんですけど、転職した方がいいんですかね?」
大半がこれらです。
聞くたびに皆さん同じようなことで悩んでるなぁと毎回思います。

これらへの回答として大体行き着く先は下記の話になります。
なのでその話を中心にまとめて書いていきます。

・いわゆるブラックかどうかを決める要素の話
・ビジネスモデルの話
・自分がどうなりたいかの話


ではそれぞれ掘り下げていきましょう。


いわゆるブラックかどうかを決める要素の話

最近でこそよく「ブラック企業、ブラック企業」と言われていますが、
じゃあ具体的に「ブラック企業」って何でしょうか?
だいぶフワッとしてますよね。
私はこれは世間やマスコミが作った言葉であって、明確な基準なんてないはずだと思ってます。
他の会社から見たら過酷な環境や劣悪な待遇で働いているけど、毎日充実していると感じている人も世の中にはいます。
最終的にはその人がどう感じるかというところに行き着くのかなと思います。
「ブラック企業」などという言葉に踊らされて、「みんなブラック企業って言ってるしやめよう」と先入観のように思うのはよくないことです。

私が周りのいろんな人からお話を聞いたりネット上の記事などを色々見てたどり着いた結論は、
自分が「友達に薦めたくない会社」だと思った時点で辞めていいというのが一番しっくりくると思います。

結局は自分次第なのです。
どんなに軽微なことでも嫌なことは嫌ですし、逆に周りからしたらとんでもないことでも気にならないことだってあります。
人間そんなものです。
だから他人に合わせたり、みんながどうしてるからとそれをマネたりはしなくていいと思います。
自分が「ブラック企業」と思ったら「ブラック企業」なんです。

とはいえ、働いてて嫌だなとかおかしいなとか思う点は大体皆さん似ています。
なのでその点を下記にまとめて私なりにどう考えるかも書いてみました。

・お金(給料、変な出費がある)
「給料が安い」というのはまず最初にありますよね。
そもそも対価を貰うためにみんな労働しているのです。
自分で立ち上げたり、慈善事業などでない場合は誰でもそうだと思います。
同業種の回りの会社に比べて極端に安い、残業代が出ない、残業代を貰う前提、満額貰うのがそもそも無理な給料システム、ボーナスの有無、などなどがあります。
逆にお金が減らされるという意味で、罰金や反則金があったり、よくわからない積み立て金があったり、交通費や出張費や宿泊費が出なかったりなども聞きます。
お金に絡むことはセンシティブなので、就職時にきちんと調べて交渉して、納得いかない場合はスパッと見切って転職していいと思います。
勿論、必要以上に自分を高く買ってしまってはダメなので、そこは慎重に情報収集してなるべく的確に判断しましょう。


・環境(上司・仲間、労働時間、変なルール)
どんなに給料が良くて、労働時間が短くても、上司や仲間が最悪だったら一気にブラックになります。
パワハラ、セクハラ、いやがらせなどを受けるというのもよく聞きます。
まぁでもこれはIT業界に限らないのですが…。
しかも外からだとほぼほぼわからないので完全に運となります。
これも社内の第三者に相談して改善がされないのであれば速やかに転職しましょう。
そんなしょうもない理由で毎日憂鬱な気分で過ごさないといけないなんてふざけんなって感じです。
まれに時間がたつと昇進や配置換えがあって環境がガラリと変わったりする場合もありますが、それも結局運なのでそんなに期待して我慢する必要性も無いと思います。
また労働時間が異様に長い場合もよろしくないと思います。
多少の繁忙期は仕方ないとは思いますが、毎日のように残業当たり前なのはダメです。
人間らしい生活が送れるのが最低限保証されている状態で働きましょう。
若手の方は無理がきくし、給料が多くもらいたいのでもっともっと残業したいと思うかもしれませんが、労働の質を上げたり、生活の質を上げたりすることも大切ですし、それが体を壊さず長く働くコツでもあります。
目先の小銭より未来の自分です、若い時期は短いので有効活用を!
あとはよくわからない社内ルールとかです。
非効率だったり、理不尽だったりなことを押し付けられたりします。
これも改善の余地が無くて苦痛だったら転職していいと思います。
大体その場合は上記で挙げたような上司や仲間の人が絡んでくると思いますので。


以上です。
どれも基本的には「友達に薦めたくない企業」になると思います。
正直どこの企業に行っても多少なりとも問題はあると思いますが、それは色々な人が働いているので当たり前です。
でもだからと言って必要以上に我慢することはないです。
自分には自分の人生があります。
自分の人生をこうしたい!に対して邪魔になっているようだったらあっさり転職してしまいましょう。
逆に「ブラック企業」でも今の自分に必要なら病まない、死なない程度に頑張りましょう。
無理してでも頑張りたいと思うのも自分の価値観です。私はおすすめはしませんが…。
一番いけないのは何も考えずにただただ何かに従って「ブラック企業」に居続けることです。


ビジネスモデルの話

「ビジネスモデル」とは簡単に言うと会社がどうやってお金を儲けているかということを指します。
何かを提供して、お客さんがそれを買ってくれて、お金が入ってきてみなさんの給料が支払われているわけです。
基本的に会社ならこの構造はどこも変わらないと思います。
なのでどいうビジネスモデルでその会社が回ってるのかを知ることが、会社の業績や将来性、ひいては給料が良いのかということころに結びついてきます。
給料や待遇に関しての質問がある方は是非ここを抑えましょう。
学生の方はピンとこないかもしれませんが、ひとくくりにIT企業といっても色々種類があるということは抑えて進路を考えてください。

IT業界のビジネスモデルは大体以下になります。

受託か自社開発(メーカー)か
・派遣、出向
「ここの会社に行ってお仕事手伝ってきて」というスタイルです。
自分の会社はエンジニアを顧客である企業に派遣してお金を貰います。
あなたがエンジニアとしてこの会社で働いた場合は、就職した会社と全く別の会社で働くことになります。
ポイントは
エンジニアは基本人月工数で管理され、大体が1月あたり〇〇万円で派遣されます。
なので当たり前ですが、顧客から支払われた金額以上にあなたの給料が上がることはありません。
どんだけ頑張っても、仕事ができても他のエンジニアより良い給料であることは少ないです。
またプロジェクトに対して自分が主体ではなく、派遣先の会社(ITの会社が大半)が主体、自分はそこのルールに従うというのが基本になりますので、仕事の自由度は低いことが多いです。
ノウハウ自体が会社にたまらないので、基本的には自学自習で勉強していくことが多いようです。
ちなみによく聞く話では自分の会社にいることが年で数日も無くあちこちに飛ばされるので、自分のアイデンティティがどこにあるのか…的なことをよく考えるらしいです。
ある意味きちきちと管理されているため、そこを割り切ってしまえば楽に感じる人もいるかもしれません。
また、定期的に色々な現場に環境が変わるのでいろいろな会社や人を見たりできるというのが好きな人は向いてると思います。


・受託
「こういうの作ってください」という仕事を受けるスタイルです。
会社は顧客である企業や個人から依頼を受けて、サービスや製品を開発し提供してお金を貰います。
ポイントは
たくさん仕事が受託できればできるほど会社は儲かるので、給料が上がるチャンスが増えます。
ただし、一人が働く時間には限界があるので、仕事が増えてもすべての仕事を受けられるわけではないです。
また、こちらも人月工数で受けることはよくあるので、その場合は派遣・出向と変わりません。
他の会社の出している価格と比べられることも多いので、余程特殊な技術などを持っていない限りは大体市場と変わりません。
こちらもプロジェクトに対しては自分が主体ではなく、顧客(ITの人じゃない人がお客さんが大半)が主体、顧客の言うことに従うのが基本です。
そして多くの場合は顧客の要望は「最適」ではないです。
顧客はITに不慣れな方で、提案が分かってもらえない、何を作ってほしいのかよくわからない…など、難儀することもよくあります。
まぁそこをわかってもらうために提案して喜んでもらえるのが醍醐味でもあるんですが…
スケジュールや仕様などに関しても顧客が設定したものに従うので、急に変更があって厳しい開発を強いられることもよくあります。
また、こちらがどんだけ頑張って提案しても通らないこともよくありますし、完成していよいよリリースとなっても結局日の目を見ないなんてこともよくあります。
ただ良い点としては、色々なサービスや製品を作ることが多いので、それぞれの業務知識や技術などが身につく機会が増えます。
また顧客がITの方じゃないので、簡単なことで純粋にすごいと思われて感謝されることが多々あります。
そういった面ではお客さんの役に立ったなと充実感ややりがいを感じることも多いです。


・プロバイダ(サービス、製品)
自社で製品やサービスを作って顧客に売るスタイルです。
ポイントは
受託と違ってすべてを自分たちで考えて決定していくところです。
製品のコンセプト、設計、人員配置、予算、納期、サービス・製品の値段、フォローの仕方…などなどです。
なので給料に関しては、自分たちでサービスや製品の値段を指定することができるから、他の形態の企業より高くなる可能性が格段に上がります。本当に価値さえあれば他の企業に合わせる必要なんてないのです。
ただし、絶対に売れるとは限らないというのが怖いところでもあります。
受託は「こういうの作ってくれたら買うから作ってね」っていう前提があって成立しているので、作れば絶対に売れてお金が入ってきます。
メーカーは作ってもそのものの価値が低いなどの理由で顧客が買わなければ売れないのでお金が入ってきません。開発などにかかったお金が回収できなければ給料が上がることは難しいでしょう。
このように自分が主体ということは、いろんなことを調整しやすいということですが、逆に言うと自由度が高いということは考えないといけないことが多いということです。
さらにはエンジニアでいうと技術だけをやっていればいいというわけではない場面がかなり出てきます。
純粋に技術だけをやりたいという方には向かないかもしれません。
また指示待ちだったり、自分で考えて行動するのが苦手な方は正直向かないと思います。
ちなみに個人的にはこの形態が一番好きです。
自分たちが主体となって考えて市場を開拓していくことは楽しいですし、成功した時の嬉しさは他のどの形態よりも大きいと思います。
また海外のIT企業で大きく成長している企業はだいたいこの形態です。
皆さんがよく聞く有名な企業を考えてみてください。
日本でもこういう企業が増えればいいなと私は思います。


以上となります。
多少の違いはあるかと思いますが、大まかには上記のようになっていると思います。

ただし世の中にはIT企業っぽいけど全然ITじゃない会社もかなりあります。
実は広告業だったとか、小売業だったとか、通信機器販売だったとか…
難しいかもしれませんが、良く調べて見分けましょう。
ポイントはその会社が何をお客さんに提供してるかです。
また、ビジネスモデルとは少しそれますが、最近はIT企業でない企業もIT部門は持っているので、キャリアとしては自分が興味がある分野のIT部門のエンジニアとしてやっていくというのも一つの手だと思います。
自分が好きなことの分野が伸びていくのを支援していくというのも楽しいと思います。

どの形態にも快適に働くという点でメリットとデメリットがあると思います。
気楽に働きたい人、ガンガンに働きたい人、とにかくお金が欲しい人、嫌なことが少ないのがいい人、人それぞれです。
自分に合ってると思う企業を選べたらいいですね。
ではそれをどうやって見極めるかの考え方が次のテーマになります。



自分がどうなりたいかの話

結局最後は自分で決めます。
でも自分が将来どうなりたいかを決めるのは結構難しいです。
ただ、自分がどういうタイプなのかとかどういうことが得意なのかを調べることはそれよりはちょっと簡単だと思います。
カッコイイことや凄いことをやれてるとかそういうことではなく、自分がどう働きたいかを考えてみるのです。
まずはそこからやってみるのはどうでしょうか。
やったことない方は、「ストレングスファインダー」とかを使って調べてみるのもいいかもしれません。個人的におすすめです。


私がイメージしているエンジニアの方の働き方のタイプを分けると大体下記のようになります。こちらも参考にしてみてください。

・技術志向
このタイプの人が一番エンジニアに向いていると思います。
このタイプにも色々あります。
ただ単純に技術を扱うことが好きという人もいれば、最新の技術をしっかり抑えて仕事に生かしている人もいます。
仕事外でも勉強したりとか、コード書いたりするのが日常的に行えてとても好きで苦にならない人がこのタイプです。
こういう人は受託向きだと思います。

・製品志向
ものづくりがすき。
サービスや製品をこだわりを持って提案していくのが好きな人です。
クリエイターといわれる分野の人です。
もともと何の分野においてもモノづくりが好きで、その手段がITなのでITエンジニアというタイプの人です。
プロバイダ向きだと思います。

・仕事志向
仕事をバリバリこなすのが好きなタイプです。
たまたま手段がITだったというタイプな人だと思います。
受託かプロバイダ向きだと思います。

・名誉志向
「何千人という人達とこんなに大きなプロジェクトに参加した」、「うん千万というお金を動かした」、「すごい難しい最先端の技術をやっている」とかを誇って仕事をするのが好きなタイプです。
形態は向き不向きないと思います。その時の案件次第ですかね。

・生活志向
特にITが好きというわけではけど、IT技術がわかるから食い扶持としてやっているタイプの人です。
めちゃくちゃ攻めることはないけど、趣味や家族が第一でやられてる人とかですかね。
強いていえば形態なら派遣に向いていると思いますが、時間的な制約よりも報酬的なところ考えるとその限りではなさそうです。

大体このタイプに分けられるかと思います。
ただし、私が今まで色々話を聞いてやってみた整理ですから、あまり当たってないかもしれないです。
どのタイプが良いとか悪いとかではなく、どれに当てはまるか調べて企業を選ぶ時の参考にして自分に合った働き方ができればいいと思います。
あまり考えたことがない人はこういう視点で一度考えてみてはどうでしょうか。
働き甲斐か、お金か、時間か、自由かなど考える軸は色々あります。


最後に

以上が考える上で参考にしてほしい考え方です。
ざっくりと漠然と考えていたことが少しでも具体化してまとまるといいなと思います。

その他考えることや具体的な行動としては、

・会社を調べる

就職や転職するにしても、会社の方向性や事業計画などもしっかりと抑えることが大事です。
でも表向きに発信されているものだと正直分からないので、内部を知る手段を考えてください。
例えば、現在勤めている人、退職した人の話やネット上の記事を見るなど。
適当に就職や転職して数年無駄にする可能性もあるので慎重に、慎重に。


・自分の目標を決めて

会社を選ぶ際に「何年ここでやって、何を獲得して去る」というのも全然ありだと思います。
自分には自分の人生があるわけで、絶対にその会社に骨埋める必要はありません。
ずっと居て自分の目標に沿っているならずっと居ればいいですし
自分の目標や会社が変わってきたり何かのスキルを習得、経歴を獲得するのが目的なら必要なだけいればいいです。
逆に入ってから「なんかここ違うな…」となればすぐ決断してやめればいいと思います。
目標も決めずにダラダラ居るのがよろしくないのです。


・上記のような感覚を鍛える

とはいっても一人でずっと考えるのはあまりお勧めしません。
社内の人たちだけに相談するのも同じで、狭い世界でのルールや価値観に縛られがちです。
なので、是非外の方たちともっと交流を持った方が感覚を鍛えられます
例えば、SNSを活用した相談や周りで開催されている勉強会などに参加して懇親会などでお話を聞きましょう。
自分と異なる環境の同じ職種の方が何を考えて働いているかなどの価値観を共有するのです。
その中で自分の認識や問題が改まることがよくあり、また目標も見えてきたりするものです。
あなたが今悩んでる事とみなさん同じようなことで悩んでますし、一度通った道ってことも十分ありえます。
ですので是非外の世界を見てみてください。
特に学生さんは歓迎されるはずですよ。


以上となります。

少しでもあなたの考えがまとまったり、次の行動への足掛かりになったら幸いです。

それでは!

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