「中小企業の社長がモノづくりスタートアップのCEOになったら?」 アルケリス株式会社 代表取締役CEO 藤澤秀行さん
●enmonoとの出会いについて
三木:本日アルケリス株式会社の藤澤さんに第200回目ということを記念する回にご登場いただきました。藤澤さんどうもありがとうございます。
藤澤:ありがとうございます。まずは200回おめでとうございます。
宇都宮:ありがとうございます。
藤澤:素晴らしいです。このような機会にお声がけいただきましてありがとうございます。
三木:いえいえ。zenschoolの卒業生でも一番活躍してる方にお話を直接伺える素晴らしい機会をいただきましてありがとうございます。少しだけ藤澤さんの以前の活動を振り返ってお話を進めていきたいんですが、藤澤さんと我々の出会いは…
宇都宮:2012年。第1回のコマ大戦がきっかけで緑川さん経由で藤澤さんをご紹介いただいて、おばかモノづくりのFacebookグループにいつの間にか燦然と登場されてYouTube動画がブレークしたっていう記憶がありますね。
三木:日本でたぶん初めてだと思うんですけど、中小製造業としてクラウドファンディングに挑戦するというお手伝いを我々はさせていただいて、今では普通のことですけども、月面に第一歩を踏み出す宇宙飛行士のような気持ちでお手伝いしてたのを記憶しています。
藤澤:私自身もクラウドファンディングを知らなくてenmonoさんに聞いて「こういうのあるよ」って言われて「あ、じゃあやろう」っていうことでまさに…
三木:最終の公開ボタンを押す時に月面に降り立つぐらいな気持ちで押したのを覚えております。
宇都宮:藤澤さんの記憶の中ではその頃(2012年)ってどういう藤澤さんだったんですか?状況的には。
藤澤:何かやりたいけど何をしていいか分かんないみたいな。ちょうど製造業がリーマンショック以降厳しい状況の中でみんな何かしなきゃいけないけど仕方が分かんない状況で、ちょうどその頃SNSがワーッと出てきたりとか、あと3Dプリンターとかモノづくりの『MAKERS』の本が出たりして何か可能性があるんじゃないかみたいなことで兆しが見えてる中で、新しいことにみんながその希望に向かって動き出したみたいな頃でした。
三木:ちょうど今その12年前のリーマンショックを超えるような大きなインパクトが…
藤澤:ほんとそうです。
三木:その変革の時に動き出していた藤澤さんが12年の時を経て今あるという感じがすごい感慨深い感じがするんですね。
●ヌンチャク系iPhoneケースが大ブレーク!
三木:その時はニットーさんとしてヌンチャク系iPhoneケースを出され、それが大ブレークということでした。
藤澤:本当にまさにこれはenmonoさんのおかげというか、まず「このイベントがあるよ」というのをFacebookを通じておばかモノづくり祭を紹介していただいて、何か面白そうだなっていうのですぐやるって手を挙げさせてもらって試作を自分で作って動画をiPhoneで撮ってあげて、そこからすぐ三木さんから連絡が来て「ちょっと会いに行くよ」って言って会社まで来てもらったりして。すごかったです。enmonoさんのスピード感もすごい。
宇都宮:藤澤さんいつ寝てるんだろうっていうぐらいのレスポンスで、夜中に投稿してもレスポンスがあったりして。
三木:スピード感がすごかったですよね。あとはデザインフェスタとかに一緒に出たりとか。
藤澤:いや~これも楽しかったですね。
三木:色んなことがありましたけど。
藤澤:みんなおばかモノづくりのメンバーがここに出展して。こういうイベントに出ようっていう気も普通は製造業ってなかなかしないですし、このデザインフェスタって全く異業種というか製造業のおっさんが行くような雰囲気じゃなくて若い子が色々仮装してたりなかなか刺激的だったですね。
三木:その中でもすごい人気を博してクラウドファンディングも大成功するということになって。結局バージョンはいくつまで作ったんでしたっけ?
藤澤:2012年にiPhone4SをスタートしてiPhoneXまで作ってますね。
三木:すごい。
宇都宮:最近の11とか12はどうなんですか(笑)?でかい。
藤澤:でかいです。11とかは実はお客さんから「作って」っていうお声がけはあるんですけど、ちょっとタイミングが合えばまた作ろうと思ってるんです。
●アルケリスプロジェクトが2014年にスタート
三木:その後あまり時間を置かずに突然出てきたのが今回お話に出てくるアルケリス(archelis)になりますね。
藤澤:うちの株式会社会社ニットーとしては製造業としてずっとやってきていました。
その中で一貫生産っていうのが1つの強みとして設計して試作して金型作って量産っていうのをやっていく中で、その一貫生産をアピールするのを一番強く出せるのは自社製品かなと思っていて、お客さんの開発ってなかなかプロモーションとして見せれないので、だったら自分で作ろうみたいなところからスタートしてる中で、医療分野っていうのに私自身が非常に興味があってやりたいなと思っていたけれども、やれなくてつながりもないので。ひょんなことがきっかけで医療商社さんが千葉大学の方を紹介していただいて、当時千葉大学のドクターの川平先生から長時間立って手術するのが大変なのでそれを楽にできないかっていう話をいただいてスタートしたのがアルケリスプロジェクトであります。
三木:これは15年?
藤澤:そうですね。開発自体が2014年からスタートしまして。
宇都宮:6年前か。着手は。
藤澤:そうですね。着手はしてたんですが、最初はすごい緩やかにスタートして。
宇都宮:いつの間にか年末のテレビに出ることになってた。
藤澤:最初はそうなんですよ。年末の生放送フジテレビに…
宇都宮:無茶振りで(笑)。
藤澤:出るのが決まって。出るきっかけもiPhoneケースで話題になってテレビ取材して、その時にアルケリスのことも紹介したら「それも面白いね」って言ってスタジオでゲストに履かせようみたいな話になってそこからですね。そこから「この製品イケるかも!」って思いだして。それまでは本当緩やかにやってたんですけど、そこから公開されるので特許を取ったりホームページとか動画を作ったりとか。
三木:いきなりすごい美しい写真が出てきたのでびっくりして。あれは西村さんのオフィスで作ったんですか?あの写真を撮影したのは。
藤澤:そうですね。元々は千葉大学とうちでやってて1年ぐらいしてから西村さんに入っていただいてデザインとかをやっていただきながらブラッシュアップしていった感じですね。
●アルケリス株式会社設立の経緯とメンバー紹介
三木:その後会社をつくるということに…
藤澤:ニットーの1つの事業としてアルケリス事業っていうのをやっていて、色々お客さんからのお問い合わせとかいただく中で製品の持ってる可能性をもっとしっかりと広げていこうっていうことで2020年の2月にアルケリス株式会社を新しくニットーからスピンオフした形で設立して、いわゆるスタートアップベンチャーでこのアルケリスのサービスに特化してやっていこうという事業で会社を設立しました。
三木:すごいですね。これは出資は取りあえずニットーさんのみな感じなんですか?
藤澤:出資はまず私のみで個人で借りてやっています。
三木:結構メンバーを見るとすごい人達が集まってるんですけど。
藤澤:メンバーはなかなか変な人ぞろいというか…
三木:どうやって集めていったというかお声がけして…?
藤澤:真ん中にいるCOOの飯田に関してはまさにさっき言った年末のテレビを見て「面白い会社だから」って言って募集はしてないけど履歴書をうちに持ってきて「アルケリスをやりたい」って言って、「トイレ掃除でも何でもするんでやります」っていう意気込みで来てもらって。
三木:素晴らしい。
藤澤:あとはCFOの塩原は15年前ぐらいに元々会計事務所にいてニットーの会計を色々見ていただいた方で、途中からニットーに入っていただいて経理面を見ていただきながら、アルケリスっていう会社になってくると資金とか色々見ていく中で塩原がそれを担当していたりとか。あと佐保は元々アイデックっていう横浜市の横浜企業経営支援財団にいて、アルケリスをサポートする位置づけにいたんですね。
三木:支援担当?
藤澤:そうです。ニットーの事業をサポートする側にいて、「佐保さんみたいな人がいてくれたらうちもいいな~」っていう中で、ちょっと…
宇都宮:藤澤さんのささやきがこう…
藤澤:そうですね。「来てほしい」っていう話をしたら「じゃあ…」っていうことで今年の4月から社員として入ってます。英語もバリバリできまして。あと天沼は先月10月に設計として入社しまして。設計は今まで私のみでやってたのでなかなか開発のスピードとかも上がらなかったので、設計を募集した時に天沼が声を上げていただいて、今はまだ1ヵ月ちょっとですけども、3次元CADから解析なんかも得意で自分でバリバリやってくれるメンバーなんです。
三木:元々どこかメーカーにいらっしゃった?
藤澤:ずっと設計の会社にいてそういうことをやっていて心強いメンバーです。北山っていうのは去年の4月に大卒でニットーに入社したんですけど。
宇都宮:新卒ですか?
藤澤:新卒なんですよ。この表情を見ると全然若々しくなくてだいぶ貫禄があるんですけど、でもすごいガッツがあって何でもこなすタイプで試作から製造から色んな開発アイデアなんかも出してもらって、キャラクター的にも面白いメンバー6人でやっています。
三木:いいですね。パートナーもすごい方達が。
藤澤:そうですね。元々一緒に開発をしていただいた川平先生、今自治医科大学の教授になってるんですけども、あとロボット工学の専門の中村先生、あとデザイナーの西村さんという形で開発当初から色々やっていただいてるメンバーですね。
三木:西村さんも今すごいですよね。半端ないですもんね。
藤澤:もう忙しいので色々お願いもしづらくなっちゃったのかなって言いながらじゃんじゃんお願いしちゃうんですけど。
三木:じゃんじゃん(笑)。色んな受賞歴を見たら何かreddotとかも獲ってるし。
藤澤:トップ3と言われるグッドデザイン、reddot、iFデザインっていうのは…
三木:これは全部獲ってるんですか?
藤澤:はい。獲りまして。びっくりですね。やっぱり賞を獲ると反響も。デザインの業界って製造業でいうとなかなかそこら辺って知らなかったりするんですけど、デザインはデザイナーのグループとかコミュニティとか色んなのがあるので、そういうところとも色々コミュニケーションを取らせていただく機会もあるので面白いなと思いますね。製造業だとデザインって観点がなかなか難しいというか抜けちゃったりするので。
三木:何か横浜の仲間達と一緒にやってましたよね?
藤澤:はい。YOKOHAMA MAKERS VILLAGEっていう製造業従事者でモノづくりブランドを作ってミラノサローネに3年連続で出展したりっていうこともやってましたね。今年のミラノサローネはもちろん中止なので一番大変な時期でしたね。
●工場向けアルケリスを発表
三木:一番最初は医療系のものを開発されていましたけども、今回新しく工場向けというのを…
藤澤:はい。これはちょうど先月10月に発表して。今まで医療向けだったんですけど、立ち仕事が辛いよっていうのは実際医療分野だけではなくて工場ですとか様々な仕事で立ち仕事ってあって、実際工場からの声も非常に多かったのでモデルを正式的に発表して使っていただこうっていう流れになっています。
三木:当初から工場向けっていう話があって、でも最初は医療向けに絞っていくみたいな話があったと思うんですけど、ここで工場向けを出すっていう決断は何かきっかけがあったんですか?
藤澤:本当はアルケリスの会社を2月に立ち上げてすぐぐらいに工場用って発表したかったんですけれども、ちょっとコロナの影響とかがあってその発表するタイミングを逸してしまって、コロナが多少落ち着きながら私達も動けるタイミングが10月っていうことになって。
三木:どうですか?今のところこういうモノづくり系からの反響っていうのは何かありますかね?
藤澤:そうですね。この製品が写真で見たり動画を見ても体験してもらわないとその感覚が分かりづらいので…今動画を使って座ってるような状態になって体を支えるんですけど、見た目だけだと「本当に楽なの?」とか思われるので、やっぱり体験してもらわないと分からない中で、今ちょうどコロナの影響で展示会とかできなかったりするのでそこは非常に歯がゆいところがありながら、今まで当たり前のように製品を持って色んな九州でも石川県でも大阪でもデモに行くのでなかなか時間的とか費用的にかかっちゃうところがあるんですけど、逆に今リモートレクチャーみたいなのもやり出していて、製品を宅配便で送ってZoomを介して実際に体験をやってもらってるんですね。そうすると今まで当たり前にリアルで行っていたものが場所とか時間に制約なくできるので、そういった意味ではいいのかなって思いながらなかなか伝わりづらいところもあるので一長一短ですね。コロナの時代なのでそれにもうまく順応して利用していかなきゃなとは思っています。
●自社製品開発で心がけていたことは?
三木:自社商品をここまで開発する2012年からの軌跡っていうところで、何か藤澤さんがずっと心がけていたことってありますかね?いわゆる下請け的な仕事から自社製品を生み出すに至るまで心がけていたこと。
藤澤:まさにenmonoさんとの話にもつながってきますけど、ワクワクがキーワードですね。もうそれに尽きると思います。自分がワクワクしながらモノづくりとか携わったり作ったモノに対したり、モノづくりだけじゃなくてサービスも同じだと思うんですけれども、自分が楽しみながらそれによって社会が良くなったりその製品によってまた違う人がワクワクしたりするっていうのを心がけるという。でも逆にそうでしかやれないっていうところもありますけど。
三木:そうですよね。
宇都宮:辛いことが多いですからね。やめちゃうっていう選択肢も出てくるじゃないですか。色々開発とかしてると。
藤澤:そうですね。途中でこれやめちゃったほうが楽だなって思うことも確かにありますね。でもそれを増してワクワクとかこれがうまくいったら楽しいなっていうのがそれを打ち勝ってきたというか。
宇都宮:何か気持ちのコントロールみたいなのはあるんですか?ちょっとリフレッシュしようとか。
藤澤:基本的にあんまり悩まないのと、リスクはもちろん考えるんですけど、悪いことを考えるよりかはこうなったらいいなっていう楽しい未来を考えてやるようにしてますね。
宇都宮:それって性格的なものですか?
藤澤:たぶんそうですね。でも昔は色々リスクっていうか悪い方向に考えて動けなかったりっていうのは学生時代はあったりしましたけれども、でもそれじゃいけないなと思ってやっていこうって思うようになってから吹っ切れて。
三木:ずっとお付き合いしてて思うのはフラットな感じですよね。感情に揺さぶられるところがあまりないようには見えるんですけど。安定感というか。
藤澤:怒ったりとか泣いたりあまりしないかもしれない。しないようにしてるかもしれない。自分が疲れちゃうので(笑)。
宇都宮:怒ってるイメージがあんまりないですもんね。
藤澤:もちろん怒ることもあるんでしょうけど、すごいパワーを使うのでね。怒るって。
宇都宮:ブラックな藤澤さんってどっかにあるんですか?ブラックな面って。
藤澤:ブラックはでも…見えてないのは戦略勝ちじゃないですか。
三木:経営者はブラックなところもありますからね。
藤澤:色々あると思うんですけどね。
宇都宮:そこは修行ですか?
藤澤:修行かもしれない。
三木:闇と光が一緒になってるのが人間なので、光の部分だけではないっていうのが人間なんですよ。それはどんな人間でもそうなんですけど。お付き合いしててすごい安定してる感じがするので、そこはすごいかなと思っていて。
藤澤:お二人もそうじゃないですか。安定感がもう半端ないじゃないですか(笑)。
三木:いやいや、それしかやることないんで。
藤澤:もう常に落ち着いて安定感がすごいなと思いますね。
宇都宮:鎌倉に来てもっと安定しちゃった(笑)。
藤澤:二人とも焦ったりしないしさすがだなと思いますね。
●経営者が決断する時は直感力が大事
三木:最近我々が考えてることを少しだけ紹介したいと思うんですけど、マインドフルネスっていうのは前からお話はして、実はこのzenschoolの中でマインドフルネスは使ってやってるんですね。その心の安定っていうのがどんな事業をするにも最も重要かなということで、そういうのを鍛えていくのもたぶんこれからの経営者は非常に重要かなと思うんです。と同時に、現状を変えていくためには色んな心の要素が必要かなと思っていて、たぶん一番大きいのはどんどん変えていこうっていう決断力とか、あとはストレスに対しての強さっていうレジリエンスとか、あとは何か生み出していこうっていう創造性とか、あと当然一緒に働く仲間達に気を配って一緒にチームでやっていくっていう慈愛心とか、集中力っていうこの5つの要素があると思っていて、藤澤さんはこのバランスがすごいいいなといつも思っていて。
藤澤:ありがとうございます。
宇都宮:決断力がすごいですよね。じっくり考えるより「はい」っていう返事がすごく…(笑)。
藤澤:直感の決断力は大事にしますね。
宇都宮:僕らが提案することってたぶん突拍子もないタイミングだったりする場合もあるじゃないですか。2012年クラウドファンディングってかなり前。そこにパッて反応していただけるのはすごいなと思って。あと直感ってどういう感じですか?藤澤さん的には。元々そういう人なんですか?
藤澤:経営者になって色んなことを決断しなきゃいけないっていう時に色んなタイプがいて、決断に至るまでの思考の考え方とかあると思うんですけど、私が一番いい決断っていうのは直感力というかこれいいなって感じられるということですね。もちろん大事な決断をする時に色んな要素をポイントして五角形を作ったりとかしてやるのもいいと思うんですけども、大きい決断になればなるほど数字で計れないというか、なおかつ自分で判断しなきゃいけないし、人が「いいよ」って言っても自分が腑に落ちてない決断っていうのは結局人のせいにしちゃったり、その決断に対して結果それが良い判断だってするのは自分だと思うんですね。この決断が良かったってするのは自分がその後の行動で導いて成功すれば良かったなと思ってるんです。決断を例えば人のせいにしたりとか決断に対して甘んじてると結局失敗に終わっちゃうっていう時に、今までの経験とかで野生の勘じゃないですけどそういうのがいっぱい蓄積されて決断とか直感力になると思うので、できるだけ自分自身直感力を養おうと思ってるんですね。
三木:それはどうやって養ってる感じなんですか?
藤澤:自分の気持ちに正直になる。何か決断する時に人から「こうしたほうがいい」とか「それやめたほうがいい」って言われたり、自分の中で考えれば考えるほど悪循環のほうに思考がいったりするのを自分に振り返って自分に問うてみるというか、「自分は本当にそれどうなの?」「自分がそれいいの?」と。わりかし人のアドバイスも聞くんだけど最終的に自分で決断を出す時に自分で考えるのもそうだし、感覚的なことも「あ、これ気持ちいい」とか「やりたい」って思ってるかとか、「これって絶対得なんだけど気持ち悪いかな」って思うことはやらないとか。
三木:分かる、分かる。絶対これは儲かるんだけど何か気持ち悪いっていうのは大体うまくいかない。
藤澤:人付き合いも何かこの人良さそうだけどフィーリングが合わないのはたぶん良くないんだろうなって。実際そういうのは良くなくなる場合も多いので。
宇都宮:我々とも直感的に付き合っていただいて。
三木:ありがとうございます。
藤澤:その中ではenmonoさんの「これどう?」とか「やってみなよ」っていうのは直感的にたぶん波長が合ってるんでしょうね。「あ、もうやってみよう」って思うので。
宇都宮:結構無茶振りだったりしますけどね。タイミング的には。
藤澤:でも私の中では「あ、それ面白そう」っていうのがすごい先にあるので「やりたい!」って思うんですね。
●zenschoolVRについて
宇都宮:最近VRどうですか(笑)?
三木:きたきた(笑)。
藤澤:VR面白いです。
三木:面白いですよね。
藤澤:面白いですね。はまってます。
三木:我々もzenschoolをどうしても対面式のものなのでできないかなってあきらめた時になぜかVRが思いついたんですよ。
藤澤:その発想もすごいenmonoさんらしいというか。
三木:ちょっと動画を少しだけご紹介したんですけど。これはホワイトハウスの執務室からって感じなんですけど、非常にディテールがあるVR空間がもう用意されてる場所なので、執務室だけじゃなくて山とか海とかあるいは月面とか色んな空間があるんです。その中でzenschool、少人数での対話、そしてその中から事業アイデアを生み出そうっていう学校になると。実際に早稲田大学のビジネススクールの方々に体験していただいたりとかして、何とかいけるかなということでこの11月からスタートすることができるようになりました。
藤澤:面白い取り組みですね。
三木:何となくVRと藤澤さんのアルケリスも相性良さそうだなと思って、何か将来的には一緒にできるといいかなと。
藤澤:そうですね。こういう新しい技術は私自身もすごい興味があるので。
●コロナショックは新しいことに挑戦するチャンス
三木:12年前のリーマンショックを越えてここまで至ってきたっていう藤澤さんが改めて今回のコロナのショックをどう捉えているか聞かせていただきたいんですけども。
藤澤:アルケリスの会社もそうですし製造業自身も非常に厳しいのは確かで、周りの製造業の仲間達もなかなか厳しい状況で、製造業に限らず全ての日本国内だけではなく海外の色んな市場とか業界が厳しい中でどうにかやっていかなきゃいけないっていう中では、環境の変化では非常に良い意味で今までの常識が非常識になって、今まで非常識だったのが常識みたいなところがあるので、enmonoさんが新たなVRでの学校をやったみたいに新しいことをやるチャンスかなとは思っています。今までやれなかったことをやってもおかしくない時代になってるので、飛び抜けたりぶっ飛んだ考え方もよし、みたいな形になってるので、そこでさらに一歩、二歩飛び抜けたことをやりたいし、考えを持ってこの先も挑み続けたいなと思いますね。
三木:素晴らしいですね。
宇都宮:藤澤さんまだ飛び抜ける感じなんですか?
藤澤:まだ飛び抜けます。
三木:まだまだもっと行く?
藤澤:まだまだ行きます(笑)。
三木:すごい。すごい。
宇都宮:もうそろそろ待ってもらってもいいんじゃないですかね(笑)。
三木:追いつけない感じになってしまいますね。
藤澤:もうやっていきますよ。
●zenschool受講を考えている人達へメッセージ
三木:zenschool受けようかなって考えている方達に、最後ちょっと先輩としてメッセージをいただければなと思うんですけども。
藤澤:zenschoolをやってenmonoさん、三木さん、宇都宮さんの考え方がまずは私にとってはすごい共感もできるし、どうしてもスクールとかになると上からとか指導っていう形なんですけど、enmonoさんは私達自身の内から色んなことを引き出してくれる、浸み出させてくれるところがあるのですごい新しい体験だったんですね。もちろん自分に無理なくやれるっていうのもすごい大事なことかなと思うので、今の時代だからこそ自分に向き合って無理しないで新しいことに挑戦するのはまさにこのzenschoolいいなと思うのでぜひ皆さんやってみたらいかがでしょうか。
宇都宮:ありがたいお言葉で。
三木:ありがたいお言葉をいただきました。
宇都宮:藤澤さん的には内面的に醸し出されたっていうのが自分では辿り着けなかった感じなんですか?僕らとの対話もあって出てきた…
藤澤:自分の中でも少しずつこうかなっていうのを答え合わせができたというか確信になった。やりたいことをやりたいけどやれない、どうしたらいいんだろう、でもこういうことやっていいのか、でもこういうことをやったらダメかもなみたいなのを「やっちゃえばいいじゃん」っていう宇都宮さんの言葉じゃないけど…
宇都宮:でも迷ってる時期もあったっていうことなんですね。
藤澤:ありましたし、不安もあるのが「もうやっちゃえばいいじゃん」っていう宇都宮さんの言葉とかで「あ、もうやってみよう」と。それが実際成果にも本当につながっていったのでそれが確信になっていった感じですね。
三木:藤澤さんがいつも露払いっていうか突っ込んでいってそれを見習って他の製造業が続くって感じですもんね。
宇都宮:藤澤さんをなかなか追い抜けないんですよね。みんなが。
藤澤:そんなことないです。
三木:本当に貴重なお時間ありがとうございます。
藤澤:ありがとうございました。
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