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Webディレクターのススメ

Webディレクターというお仕事・職種について知ってもらいたいという動機で書いた記事です。
この記事を書いたZENは新卒でWebディレクターになり、十数年ほどの間にいろいろなWeb制作物を作ってきました。転職を複数回しており、Web制作会社、Webシステム系会社、Web広告代理店など様々な環境で得た体験を基に書いています。

Webディレクターって何するの?

Webディレクターの業務イメージ
Webディレクターの業務イメージ

Webディレクターという職業名は知っていても、何をする職業なのかはあまり知られていないと思います。これは業務内容が職場によってかなり異なりことが影響しています。

役割としてはサイト制作を進行管理する人だったり、サービスサイトを管理運用する人だったり、クライアント先に常駐して仕事を受ける営業的な業務を担う人だったりすることもあります。
総合代理店の下請けとしてプロジェクトに入ってWebまわりの業務を全部担当している、みたいな場合もあるようです。

また制作物としてはサイトを作ることや、アプリを作る(進行管理・品質管理が主)こともあれば、LPとバナーを作って運用管理をする場合もあり、似たような仕事をしているようで、毎回違う仕事をしていることも多いです。

十数年Webディレクター職で働いていますが、端的な表現はなかなか難しいものがあります。というわけで、人に説明する際は相手のわかりそうな言葉を使って例えることが多いですね。「サイト作ってます」とか「Web広告」を作ってますとか。

まあこのように知らない人からするとちょっと良くわからないWebディレクターなのですが、私は気に入っており、Webディレクター面白そうだねという人が増えてくれればと思いこの記事を書きました。

何でWebディレクターになるの?

端的なメリットが3点あります。

  1. そこそこお給料が良い

  2. 大変だけど面白い

  3. 学歴や未経験を気にせずスタートできる

まずは「そこそこお給料が良い」についてお話したいと思います。

これは会社員(正社員)を想定しての話になりますが、スマートフォンが普及し、IoTとかDXという言葉が使われ世の中が変わっていく中で、スマートフォン向けのアプリやサイト、メールやLP等の制作物を作るWebディレクターの需要はあるものの、先にも書いたとおり職場によって業務が異なるため、なかなか企業側が要望する即戦力となる人物を採用することが出来ません。

そのため未経験で採用してOJT教育で鍛えるという方針を取っている企業が多く、新卒か第2新卒、または未経験転職でも20代であれば、未経験でも月収30万円・年収360万円以上を狙っていくことが可能です(制作会社で、年棒制+みなし残業込み想定)。

この給与水準をそこそこ良いと思うか安いと思うかは人によると思いますが、「今後のキャリアプランを考えながら、お給料をもらいつつ実務経験を積める」と考えると、未経験者として狙うのに悪くはない金額だと思います。ちなみにDODA調べによると2021年の平均収入は403万円らしいです。

平均年収が403万円というこのご時世で、未経験で360万円スタートが狙えるというのは選択肢としてアリではないかと思っています。また業務内容的に、リモートワークとの親和性も高く、地方でも給与水準を都心レベルで狙える可能性があります。

次に「大変だけど面白い」について書いていきますが、これは「大変だけど」をどう捉えるかで評価が大きく変わります。Webディレクターはクリエイティブ職に分類されることが多く「制作物」を作ります。

制作物を作る職業は往々にして「業務時間が長い(残業が多い)」「依頼・要望・変更・修正に応えることが大変」です。これは制作物の多くは広告ツールとして使われるため納期が決まっていること、納品を受け入れる側は制作・広告のプロではないが納品物を使って成果を求めていくため妥協できないという背景が影響します。納得いかないものを受け入れて失敗したら自分が困りますもんね。

クライアントが狙っているものと、自分が作っているものに意見や評価に違いがあるとやり直しが発生することがあり、これによって作業時間は増えるものの、納期は変えられないことが多く、残業で対応するという状態が生まれやすいです。

一方で「新しいものに触れられる」「企画から携われる」といった仕事がしたい人にとっては大変楽しいものになります。やり直しという工程も「より良いものをつくるため」と考え、クリエイターとしてやり切りたい!とモチベーションを高く思うこともあります(理不尽な対応の場合はゲンナリすることもありますが、、、)。

残業は嫌、搾取されたくない!仕事に楽しさなんて求めていない!という方や、有名大学を卒業していて、大企業や外資系企業などに就職できれば年収1000万円コースを狙える方、士業を目指いしているような方等にとっては魅力的ではないかもしれませんが、仕事にはやりがいが欲しい!企画したい!お金も欲しい!となると選択肢は絞られてくるかと思います。特に新卒や未経験でいきなりやりがいある仕事ってなかなか担当できないですよね。

最後にWebディレクターは学歴や未経験を気にせずスタートできるについてお伝えしますが、これを無視してスタートできるところって結構魅力だと思っています。

これが成立する背景を説明させてもらうと、Webディレクターは二十数年前に誕生した職業で、どんなにベテランな人でもこれ以上の年数経験者はいません。想像にすぎませんが、Webディレクターで定年退職した人ってまだ日本にはいないのではないか?と個人的に思っています。

また年数の短さも影響してか、会社ごとに担当業務が異なることが非常に多く、職業名と職務内容が一致しないことも影響しています。

これは就業時のミスマッチを引き起こしたり、同じWebディレクターでもAさんは出来るけどBさんは出来ないというような個人差が発生することによるトラブルにつながってしまうことも多いです。

なんか魅力的とは真逆の話が続きましたが、要点としては「Webディレクター」って誕生してからまだそれほど時間が経っていないため、職業としての定義が流動的ということです。

大事なことなので何度も書きますがまだ熟していない職業のため需要に比べて職業人口が追いついておらず、特に有能とされるような人たちはまだまだ少ないです。会社が中途募集をして経験者が採用できなかったり、採用したけど全然能力が見合わなかったということがあったという話も耳にします。

中途戦力が確保できないということは、新卒や未経験者を採用して育てるという方法以外がなかなか取れません。

一方で会社ごとに業務範囲が違ったり、ベテランが少ないという状況もあるのでOJTであっても十分に人を育てられているかという点が多くのWebディレクターを抱える会社で課題になっています。(スーパー営業マンを採用して売上が〇億円増えました、みたいなことはまあ起きません)

なおWebデザイナー希望だった場合は大学の芸術系学部や、デザイン系専門学校の卒業生に対して応募を募ることができますが、Webディレクターの適性が高い学部や専門学校って選別が難しいんですよね。

ということで中途採用が難しく、新卒や未経験者を採用するしか道が無いWebディレクターは、企業側としては採用後なるべく早く仕事ができるようになって欲しいなという要望を持っています。

そこで元気で熱心でわからないことを素直に学べる人であれば大歓迎という、採用に困っている企業の求人票に書かれているコピーのような状態が見えてきます。接客・サービス業系の求人で見かけますよね。まあこれが微妙ではありますが、Webディレクターになろうと考える側からするとチャンスなわけです。

Webディレクターはアルバイトでの募集も稀にありますが、基本的には正社員採用が多いです。試用期間が3ヶ月程度設定されることが多いですが一般的にはそのまま採用になると思います。

また給与は年棒制(みなし残業込み)で月30万円(賞与は無いことが多いか、業績が良いときに支給とか)くらいの求人はあるので、年収360万円は難しくないラインになります。手取りで月に24~25万円くらいですかね。

高給取りとまでは言えませんが、新卒・未経験でこの水準の求人に通れるのはなかなか良いのではないかと思います。(今後のキャリアプランは別途考える必要があります、あくまでスタート時点の話です)


まとめ

私は新卒でWebディレクターをスタートしたのですが、1年目からナショナルクライアント(平たく言うと日常生活で社名を見かける大企業)の案件を担当することができたり、転職を経て数年で年収が500万円程度まで上がりました。自分の力で結果(≒年収)を出したいのであれば、Webディレクターになるとそのチャンスをつかめるかもしれません。

Webディレクターが、特に優秀なWebディレクターが増えてくれるとWeb界隈のお仕事環境がとてもよくなっていくのではないかと考えて今回この記事を書かせてもらいました。少しでも興味を持っていただけると幸いです。

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