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教科書に14ページも載ってる「手塚治虫」(小学5年生)

春は進級の季節であります。

今年5年生になった娘が突然「パパこれ見て」って
新しくなった教科書(5年生)を持ってきたんですよ。
普段そんな事しないのにどうしたんだろ?
新しい教科書見て欲しいのかな?
勉強教えて欲しいのかな? 

…と思ったら
「ここ、ここ」って目次を見せるんです。

????

よく見ると…「手塚治虫」の文字が。

その時の娘の顔ったらニヤニヤしながらも
びっくり仰天の驚きの顔をしておりまして
「これどういう事なの?」っていう問いだったんですね。

まぁそれもそのはずで
娘は普段「呪術廻戦」とか「スパイファミリー」などのマンガを読んでおり
一方のお父さんはずっと手塚治虫ばかり…
アホのひとつ覚えみたいに同じマンガばっかり読んで、ある種バカにしてたところもあったその手塚治虫なるものが
「教科書」に載ってたわけですから腰抜かしちゃったんです。


もう頭の上に?が飛び回っている状態ですよ(笑)

「教科書に載る」= スゲー

という小学生の絶対的な方程式に打ちのめされた娘は
ある日突然「パパスゲー」ってなったんですよ。

そこから「手塚治虫の事教えて~」
見向きもしなかった手塚治虫漫画全集の本棚を眺めていたりとか

寝る前にベッドで「ユニコ」読んでいたりとかめちゃくちゃ手塚治虫に興味持ち出したんですよ。

そりゃあ父親としては嬉しい限りです。

その中でも一番驚いたのがですね
学校の読書感想文があってその題材を
「「手塚治虫」にしたいけどどうしたらいい?」
って相談されたんですよ。

もうこれには感動でしたね。

よっしゃ、
「じゃあ「ブラックジャック」読んでそれの感想文描いてみようか」って
言ったら。

娘が「マンガの感想文書いて先生に怒られない?」
って言うもんですから
「教科書に載ってる偉人の作品の感想文です」
って言えばいいんじゃないっていうと。
なるほどって、前のめりになって感想文描いてました。

エピソードはパパチョイスで「おばあちゃん」をおすすめ。
娘も何本か読んで最終的には「おばあちゃん」の感想文描いてました。


凄まじいです。
子供に与える教科書の影響力ですよ。
とてつもない破壊力ありましたね。絶対的な信仰心とでもいいますか
良い意味でも悪い意味でも洗脳的な力を持った媒体ですよね。

というわけで今回は教科書の中身ちょっと見てみようと思います。

教科書は東京書籍の『新しい国語[5年]』

「伝記を読んで感想文を書こう!」
素晴らしい!(ボクも書きたいくらい笑)


内容は手塚治虫の偉業が書かれています。
「爆弾が堕ちてくるような時でもマンガを描いていた」変態エピソードとか
生涯原稿枚数15万枚700作品描いたとか
アニメも作りマンガが素晴らしい芸術であると証明したとありますね。


手塚先生の少年時代の思い出、そして小学生時代に何を思い何をしていたか
自分たちが同じ世代のときにどうしていたかを想像させるような内容になっています。


そして戦争ですね。
これは「紙の砦」から抜粋したもので大阪大空襲で雨あられのように落ちてくる焼夷弾から九死に一生を得た体験談。
真横で友人たちが吹っ飛ばされ多くの犠牲者が出て町中が地獄絵図になったときの模様これらがマンガを生み出す原動力になったと説明されています。


そして「新宝島」の登場
日本エンタメに一大革命を起こした奇跡の作品の紹介されております。
終戦間もない元気のない日本中の子供たちに「マンガ」という娯楽を
同時多発的にぶちかました歴史的瞬間ですからね。
その偉業がこうしっかりと教科書に刻み込まれているわけですね。


その後は日本初のアニメーション制作など数々の偉業、功績が紹介されて
絶命する最後の瞬間まで紹介されておりました。

実に手塚治虫で14ページにも渡って紹介。

「手塚治虫はどのような人生を送った、どのような人物であるといえるだろうか」

これらを考えていく授業なわけですね。

「その人物の生き方について考え感想文を書こう」
「手塚治虫の考え方や生き方を読み取ろう」

という題材で自分が感じたことを発信していくわけですね。素晴らしい。
この授業の時だけ特別講師として出向したいくらいです(笑)


ついでにその他の教科書も調べてみると
結構出ているみたいですね。

光村図書、日本文教出版、教育出版、東京出版
などにも手塚治虫の記載があるようです。

これらも戦争とはどんなものか?夢に向かって生きるとは?
どんな事を大切にするべきか?
などを問いかけている内容になっていました。

2014年大学入試センター試験「日本史B」

あとは教科書ではありませんが2014年大学入試センター試験「日本史B」では、『紙の砦』が出題されておりました。

環境問題を取り上げた「ガラスの地球を救え」の文章と合わせ
「手塚治虫とその時代」と題した第2次世界大戦末の日本の情勢について出題がなんと計8問出題されたようです。

8問ですよ。8問。合計23点分。
ずいぶん大きく取り上げられましたね。


もっと調べてみると色々で出てきそうですが今回はこの辺にしておきます。

今回思ったことは
ただでさえ勉強なんてしたくないと思っている子供たちに対して
ただ闇雲に勉強しろというのではなく
興味を持ってもらう意識づくりは非常に大切だと感じました。
そのような観点からみると、マンガはとてもとっつきやすいものだと思います。

たかがマンガと思う大人もおられるとは思いますが
心をエグられるような読後感があったり
妙に考えさせられてしまう感覚はマンガでも十分子供たちに体験させてあげられる素晴らしい媒体になっています

むしろ活字離れしている現代だからこそ
漫画の持つとっつきやすさというのは利用すべきだと思います。

そもそもマンガなんて「社会悪」と言われていたものが時代が経つにつれ
今では教育の現場にまで浸透してきているとは考えられないことですからね

ボクの記憶では昭和50年台くらい
1980年代後半までは「マンガを読むとアホになる」なんてことが叫ばれていました。それがわずか数年のうちにここまでガラリと景色が変わってしまうとは世の中の変化は速いです。

今の若い世代の方からすると考えられないかもしれませんが
「悪書追放」といっていって運動場でマンガが燃やされるなんて事もあったんですよ。信じられます?
いやはや…時代の手のひら返しとはすごいもんです、ほんと。


日本のマンガカルチャーがこれほどまでに大きく発展したのは
単純にマンガの面白さだけでなく
手塚先生、他レジェンド作家たちが
非難、悪口、追放、差別、あらゆる苦難をも跳ね返し
夢に向かって描き続けてきたからこそ
今日のマンガ文化があることを覚えておいて欲しいと思います。

以上最後までご覧くださりありがとうございました。



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