見出し画像

大好きなコーヒー屋さん Azimut Cafeで焙煎の練習をしてきた話

おはようございます。ダイゼン(@daizennnn)です。

ワタシは無類のコーヒー好きで、1日に何倍も飲むジャンキーではありませんが、農園を訪れたり、生豆を買って家でローストするほどコーヒーが大好きです。

必ず住む街や訪れる街では行きつけのコーヒー屋さんを見つけるようにしていて、豆をそこで買ったり、入り浸ったりします。「どこの産地なの?」「どんな風味?」と1を聞くと10で返してくれて、情熱がある店員さんやオーナーがいると完璧です。入り浸ってしまいます。

(行きつけになる条件って直感もありますが、共通点は「居心地のよさ」「顧客対応」「オーナーや店員さんの話やすさ」「味」「こだわり」があるかどうか)

そんなお店はないか、今住んでいるメキシコ州メテペック市で探していたものの、「これだ!」というカフェは見つからず。
住んで半年以上経過したときに発見したカフェが今回情熱を持って書きたいAzimut(アシムット)

メキシコに住んでいなくても、メキシコのカフェってこんなんだよ!と知れると思うので、是非最後まで見ていただけると嬉しいです。

ファーストインプレッションが素晴らしい

Azimutを訪れたきっかけは知り合いのコーヒー農園の方が「トルーカに自分の豆を使っているお店があるから行ってみたら」と教えてくれたこと。
そこは小さいお店でした。

画像1

写真はコロナウイルスで閉めているときですが、普段は開いています。

カウンターも小さく、2名が座れるくらいのスペース。こじんまりとしていて、店員さんとじっくりお話しできるのが魅力。

画像2

写真:Café Azimut, la alternativa Toluqueña para beber un café de excelenciaインタビュー記事より拝借

バリスタのフリアン君がアテンドしてくれました。(写真の彼)
話を聞くと、友だち(のちに知り合うことになるミサエル君)にそそのかされ、コーヒー屋をやることを決意したとか。今まではコーヒーはただ飲む程度だったという。
Azimutをオープンしてからバリスタの勉強をして、毎日コーヒーを飲むことで違いがわかるようになったと言っていました。

という感じで彼のヒストリーから、わたしがその時に飲んだコーヒーの話をしていたら、いつの間にか1時間は過ぎていたくらい、居心地のいい時間でした。

そこから豆を購入したり、通うようになりました。


「客」じゃなくて一人の「人」として

さて、わたしがAzimutを愛する理由はまだあります。
顧客を「客」ではなく、一人の「人」として扱っていることです。

特に顧客を神様と思え!ということを言いたいわけではなく、むしろ彼らも「顧客=神様」としては扱ってくれません。
だから気を遣われている、接客してもらっているという気分ではなく、「友だちがうちに来た」感覚でアテンドしてくれます。(わたしの主観)

客を「人」として接することで、「またここで買おう」「話に行きたいから行こう」となります。

信頼があれば、例え商品が高くても、その商品を買い続けますよね。

信頼の構築方法はブランド力を上げていくこともそうですが、Azimutがしているのは、客を「一人の大事な人」として捉えている、と思います。

実際にどんな風に客をアテンドしているのか。

・新しい豆が入った時に個人的に連絡してくれる
・店に行くとまず「最近どうよ」から始まる
・体験を提供してくれる(私は焙煎を手伝わせてくれました)
・SNSでの繋がりで、密にコミュニケーションをとる

他にもわたしの見えない部分はあると思いますが、「なんか特別」を感じる、それこそが体験価値の提供で、それが「一人の人として接する」ことに繋がっています。

最初はただ「美味しいコーヒーが飲みたい」ニーズに対して、次第に体験が構築されていきました。

以下はデロイトトーマツグループのサイトにて解説されていた、体験価値の創出プロセス。

画像3

参考:体験価値の創造が優位性を生む|デロイト トーマツ グループ

わたしにとって「美味しいコーヒーが飲みたい」という欲求を満たすために、体験価値の創造をイメージしてみました。

画像5

単に「美味しいコーヒーが手に入ればいい」という期待から、最後は「帰属意識」まで生まれている。
今まで多くのコーヒー屋さんに行きましたが、右端まで私を体験させてくれるコーヒー屋さんは多くありません。

コーヒーへのこだわりの強さ

上記でもチラッと書きましたが、扱っている豆は地産地消でメキシコ産。(たまにコロンビア やエチオピアもあります)
さらにいうと、お店があるのはメキシコ州で、ここは高地も比較的2,200m以上だったり、2000m級の山々に囲まれた土地もあることから、コーヒー農園がたくさんあります。
Azimutはそんなメキシコ州の豆を扱っている貴重なコーヒー屋さんです。

画像4

写真:筆写撮影(ベラクルス州の農園)

実はAzimutを知ったのも、メキシコ州の農園の方におすすめしてもらったから。
その方はTemascaltepec市のフェデリコさん。この農園はTaza de Excelencia (カップ・オブ・エクセレンス コーヒーの品質審査制度)にてメキシコで第2位受賞し、私が一時期農園インタビューをするために連絡をとっていた人。(結局コロナで訪問できず)

地域でも有名で、周辺にはたくさんのコーヒー農家がありますが、フェデリコさんのようにスペシャリティコーヒーではなく、一般の等級の低い豆を栽培していたので、そういった農園に指導に入り、スペシャリティコーヒー栽培を促進している方でもあります。(偉大)

もちろんAzimutではフェデリコさんのコーヒーは飲めますし(感動しました)、フェデリコさんがサポートしている農園の豆も飲むことができます。

Azimutの彼らは、自分たちの目で農園を訪れ、フェデリコさんとも密接に結びついているので、常に品質の高いコーヒーを提供してくれます。だから彼らも農園のことをよく知っているし、自信を持ってコーヒーについて語ってくれる。その熱があるこそ、美味しいコーヒーを私たちまで届くんだろうな、と思います。

焙煎体験への参加

さて、タイトルにもなっている焙煎の話。
焙煎師のミサエルに突然「毎回コーヒー買ってくれて本当に嬉しいよ。そろそろ焙煎しに来ないか?」と。

普段なら平日にしかいないミサエルですが、私が週末がいいと行ったので、わざわざメキシコシティからきてくれました。

焙煎では、豆の選定からはじめました。焙煎するまでの工程はざっとこんな感じ。

1. 豆を選ぶ
2. 湿度、硬度、密度を測る
この工程で豆を焙煎するための温度、時間を決めていきます。

画像6

(水筒みたいな機械に入れて湿度を測ります)
硬度は比較対象となる豆を使って、焙煎する豆に擦り当てます。それで傷がつけば、比較対象となった豆よりもやわらかい。逆に比較対象の豆に傷がつけば、焙煎する豆の方が硬い、という方法で調べます。

密度は専用の筒に入れて、大体1リットル分の体積を調べます。
重たい豆だと、小さくてもぎっしり詰まっているので、それだけ栄養分が詰まりきっているし、濃密だからこそ、じっくり熱を入れていかないといけません。

3. 最終の豆の選別(ピッキング)
選別は依頼をすれば農園でやってくれます。
私も生豆を買ってやったことありますが、かなり骨の折れる作業。

画像7

最終チェックとして生豆のピッキングを行います。

4. 焙煎機に決めた条件を入れて、焙煎機をあっためておく
5. 焙煎

今回はプエブラのティピカ種を焙煎しました。
あとで試飲して、焙煎したては望ましくありませんが、それでも豊潤な香りでベリー類とチョコレートのような味わいでした。(またその後、焙煎したことも忘れて同じ豆を買って、二度楽しみました)

そのほかにもチアパス州のお豆も焙煎し、半日みっちり教えてもらいました。(と言っても私が温度や時間を操作したわけじゃなく、今は機械で温度傾向が見れるので、ミサエルが言った通りに蓋を開けたり閉めたりしていただけです)

最後に

さてAzimutが好きすぎて思いの丈を綴りました。近所であることと、パンデミック中もデリバリーしていたので、豆を贔屓して購入したり、カッピング講座に行って見たり、相当なヘビーユーザーだと思います。

というのも彼らのコーヒーへの愛と顧客への対応、考え方とともに好きなので、ただ豆を買いに行っているという一過性のものではありません。

彼らの対応はコーヒーへ夢中にさせてくれるだけじゃなく、人との関わり方を学ぶ、そんなことを観察できたのかなーと思っています。そして、常に新しいことにチャレンジしようという姿勢は、「またここのコーヒーを買ってみよう」と気持ちにさせてくれます。
(実際に最近CBD入りのコーヒーを販売していて、チャレンジングだなーと。コーヒーの味への影響は特に感じず、普通に美味しく午後のコーヒーとして愉しみました。)

画像8

ということで長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?