マガジンのカバー画像

紺太郎の詩

30
このマガジンには、詩を纏めて置いておきます! 読んでみてね!!
運営しているクリエイター

#創作

『廻り巡った夏の日』

『廻り巡った夏の日』

一日一日、過ぎる時間に身を任せ。

一月一月、進むカレンダー眺めてる。

四季の中から引き出した夏を見る。

六月の梅雨、七月の海開き。

夏色濃くなる八月の猛暑。

一年毎に見える景色が変わってる。

同じ“夏の季節”の筈なのに。

輪廻のように夏の生が巡ってる。

肌を晒して、風を受けて過ごせるね。

涼しい風が迎えに来たよ。

夏終わり。

『癒しの水中』

『癒しの水中』

私は今、水の中だよ。

放課後のプールに一人。

制服のまま、跳び込んだ。

熱に侵されて上がった体温。

冷たい水で下がっていくの。

水中の景色に心も澄んだ。

酸素を求めて顔を出す。

吹いた風が気持ち良いな。

私の身体は水の中だよ。

ひんやり私を癒してくれる。

『高い景色』

『高い景色』

日常を気まま生きていて。

何だかなって、ふと思うんだ。

楽しくないと感じる毎日。

楽しみ方を忘れてる。

何も考えたく無いから。

気の向くまま、求めるままに。

歩いて歩いて、歩いたの。

辿り着いたそこは高い場所。

下を見れば、死が目の前だ。

飛び降りたらどうなるのかな。

『駆ける階段』

走って走って、走り続けた。

息を切らしながら。

足を上げて走り続けた。

掴めるチャンスは一度だけ。

走ることを辞めてしまえば叶わない。

上へ上へと、駆け上がる。

人生の壁をひとつずつ壊しながら。

休むことなく駆け上がる。

上へ行けば行く程に、視界が拓けるの。

目指したゴールに辿り着く。

広がる景色が焼きついた。

『星跡ロード』

晴れた日が続いた空。

時が進んで日が沈んだ。

空には幾つもの星の輝きが。

キラキラと、夜の世界を演出するの。

月の明かりも、夜を照らしてる。

キラキラと、輝く星たちが。

白い尾を引き、流星となる。

流れ星たちが作った道を。

元の者たち、歩みを進めるよ。

私の目の前、忘れることない。

忘却できない絶景よ。

『書けなくなったラブレター』

貴方のことが大好きだった。

好きな気持ちを伝えたくって。

私の想いを筆に乗せるの。

筆を進めて気付いた私。

貴方へ向けてた想いの本音。

貴方と一緒に過ごした私。

そんな私が好きだった。

貴方に向けてたあの想い。

それは自己愛だったのよ。

行先不明のラブレター。

『サビつく世界』

私が過ごした筈のこの世界。

目を疑う程に様変わり。

繁盛していたあのお店。

煌びやかだった夜の街。

すっかり寂れて何もない。

私の身体も時止まる。

世界の時が進むだけ。

数百年もの時を経て。

私はここに独りぼっち。

茶色くなった金属みたいに。

心が錆びついた。

『無酸素遊泳』

息が詰まる

酸素が足りないの

吸っても吸っても

足りないんだ

私は人だからね

エラは付いてないの

だったら忘れよう

肺呼吸

水の中で

呼吸しようかな

浮上することなく

水の中

私は息が詰まるんだ

沢山の人がいる場所は

酸素を吸うのを忘れよう

人波に紛れて泡となる。

『傷付け愛』

ズキズキ痛む私の心。

人を愛して、愛されて。

関係進展、その先に愛を成す。

愛しく思い、お互いを愛するの。

育んだ愛が私へ牙を剥く。

あなたに告げられた別れの言葉。

心に刺さり、深い傷を付けた。

あなたの顔も辛そうなのね。

愛の代償は互いの心の傷ね。

時期に癒えるこの傷は。

愛の末なのね。

『プールサイドチェア』

部活が休みな放課後。
一人でプールで涼むの。

チャプチャプ、水で遊んでさ。
バシャバシャ、水と戯れて。
足がヒンヤリ良い気持ち。

大人たちは贅沢に、ビールを飲んだ。
そう聞いたから私はね。
子供らしく贅沢に、ラムネを飲むよ。

ゴクゴク、プハァー、爽快感。

涼み求める、季節の入り口よ。